ETF 世界を舞台にした金融商品
浅川夏樹
パンローリング
A5判 240頁 2009年8月発売
本体 1,500円 税込 1,650円
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目次 | 読者のご意見 | 浅川夏樹氏著者インタビュー
長期有望・高利回り銘柄を維持しながら
空売りETFで目先の下落リスクも回避
実践家が説く使い方、選び方
簡単・明解・低コスト
「こんな投資をしてみたい」という個人投資家の理想を「実現」!
個人投資家である著者は、2008年1月に刊行した『グローバル化時代の資産運用』(パンローリング)のなかで、中長期運用の考え方、注目するセクター(業種)、海外の金融商品、海外口座の開設ポイントについて紹介した。そこで伝えた投資方針は、今も変わっていないという。
ただし、当時から大きく変わったことがあると指摘する。それが本書のテーマ「ETF」の活用だ。とにかく使い勝手が良いのだ。何よりも「流動性」に優れている点が魅力だという。
ETF(Exchange Traded Fund)とは、ファンドを通常の株式と同じように証券取引所で自由に売買できるようにした金融商品である。
日本では、ETFというと日経平均やTOPIXなど、株価指数に連動するものが想像さ
れる。しかし海外では、あらゆる資産クラス(株式、債券、不動産、通貨、商品
など)でETFが登場しており、しかもテーマが膨大なのだ。
例えば、高い利回りに注目したもの、VIX(ボラティリティ指数)に連動するも
の、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)に連動するもの、石炭価格に連
動するもの……。さらに、レバレッジやショート(空売り)をするETFや、市場
平均を上回ろうと「構成銘柄を積極的に入れ替える」ETF、複数のETFをひとつの
ETFに組み込んだファンド・オブ・ファンズ型ETF、ヘッジファンド指数への連動
を目標とするETFなども、米欧の先進的な取引所には上場されている。
まさに多種多彩。「ETFに表現できない投資手段はない」といえるほど、新型ETF
が続々誕生しているのだ。
2008年は、世界経済を急激に悪化へと陥れた「世界金融危機」が吹き荒れた年で
ある。筆者のポートフォリオ(さまざまな金融商品の組み合わせ)も、この危機
の前に無傷だったわけでなく、一時期はその存在をあまり思い出したくないもの
もあったという。
しかし、新興国など長期有望銘柄への投資方針は基本的に積立であり、こうした
乱高下は、むしろ口数を増やすチャンスだったという。また、世界的混乱で社債
の魅力が高まり、すばらしい購入機会があり、さらには前著でも紹介した、
ショート(空売り)ETFのおかげで、株価下落のリスクをいくらか回避できたと
いう。
ピンチはチャンスなのだ。詳細は本書をご覧いただきたい。
ETFは、わたしたち個人投資家にとって“転ばぬ先の杖”になるだけでなく、今
まで手を出すことが難しかった企業、債券、不動産、商品などに「小額」で投資
機会を開いてくれる夢の商品である。しかも、売買が手軽で、組入銘柄も価格も
明確で、情報公開がされている。だからこそ、投資家の支持を受けて急成長を遂
げているわけだ。
ただし、あまりにも種類が多すぎて、どれを選べばよいか分からないかもしれな
い。またETFにもデメリットはある。そこで本書では、筆者がETFを実際にどのよ
うに選び、どのように活用しているか、そしてどのような点について注意をして
いるかについても紹介されている。
読者の皆さんが「自分だけのポートフォリオ」をつくる一助となれば幸いであ
る。
目次
はじめに
拡大する新しい選択肢
第1章 投資家待望の金融商品
1.広がるETFの世界
米欧で成長するETF市場
米国のETFブランド
欧州のETF
2.ETFとは
ETFと通常の投資信託との違い
流動性
下落相場でも収益を狙うETF
レバレッジとは
ETN
ETF投資の注意点
コラム なぜ、日本ではETFがいまいち盛り上がらないのか?
第2章 株式や債券に投資をするETF
1.株式ETF
ETFの選択法
地域ではなくセクター
景気循環型ETF
時価総額とスタイル
ショートETF
VIX指数ETN
配当利回りに注目するETF
環境ETF
欧州銀行
中国
2.債券ETF
債券の仕組み
社債ETF
社債ETFのケーススタディ
不動産担保証券のETF
米国債ショートETF
インフレ連動債ETF
CDSのETF
コラム リスク商品の比率が多い個人投資家 |
第3章 多彩な海外ETF
1.通貨ETF
単一通貨のETF
複数通貨のETF
米ドル指数ショートETF
2.商品ETFとETN
商品指数
エネルギー
金
農産物
商品ETFと短期証券の関係
3.そのほかのETF
不動産ETF
プライベート・エクイティ
排出量ETN
4.複数のETFを包括したETF
ファンド・オブ・ファンズ型ETF
ETFでオルタナティブ投資
ヘッジファンド指数に連動するETF
リタイアメントプログラム型ETF
コラム 運用アドバイザー
第4章 ポートフォリオと海外口座
1.ポートフォリオの運用方針
アセットアロケーションについて考える
リターンを得る投資期間を分ける
長期株式投資のリターンは配当の再投資
国際分散投資はセクターを分散した結果
ポートフォリオの変遷
資産配分のバランス
ポートフォリオのリバランス
一括投資と積立投資の戦略の違い
積立の変遷
ETFは積立投資に適しているか?
2.海外口座でETFを売買するメリットとデメリット
香港の銀行
香港の証券会社
海外ラップ口座
香港の銀行・証券会社と海外のラップ口座との比較
まとめ
あとがき
付録
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著者紹介
浅川夏樹(あさかわ・なつき)
個人投資家。多彩な経験を活かし『Futures Japan』に投資コラムを連載中。著
書に『グローバル化時代の資産運用』(パンローリング)、『夜の銀座の資本
論』(中公新書ラクレ)、『円が元に呑み込まれる日』(実業之日本社)
著者サイト http://kaigaitoushi.com
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