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コンピュータトレーディング入門 合理的な売買プログラム作成のポイント
高橋謙吾
パンローリング
A5判 341頁 2007年9月発売
本体 2,800円 税込 3,080円
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目次 | 読者のご意見
あなたの売買システムは本当に使えるのか?
トレードステーションでプログラミングのコツをつかみ
システムトレードの光と影を見破れ!!
「コンピュータを使ったシステムトレードに興味がある。
しかし、何から手をつけてよいのか分からない・・・・・・」
「売買プログラミングを習得して売買システムを構築したい。
しかし、どのように作成し、検証し、管理していったらよいのか分からな
い・・・・・・」
「ある業者から売買システムの購入を勧められている。
しかし、過去と同じように機能するのか不安だ・・・・・・」
本書の目的は、こうした問題を抱える投資家に「道しるべ」を提供することに
ある。主な論点は次のとおり。
- システムトレードの定義と優位性
- 売買アイデアを思いつくための着眼点
- アイデアを売買プログラムで表現するためのコツ
- 売買システムを構築する手順と構成要素
- 売買システムを検証するときのチェックポイント
- 売買システムを実際に利用するときのリスク管理
- 第三者が作成した売買システムを調べるときの注意点
また本書では、プログラミングの例としてトレードステーションのプログラム
言語「イージーランゲージ」を使用している。これはイージーランゲージが、多
くの世界的に優れたシステムトレード書で解説に使用されており、また多くのト
レードツール(売買ソフト)に準拠している「売買プログラムの標準語」だから
である。この言語を読み解くコツも紹介する。
売買プログラムの勉強を始めたばかりの初心者は、まるでコンピュータが「打
ち出の小づち」とばかりに儲けさせてくれると勘違いしがち。しかし、コン
ピュータによるシステムトレードが、けっして“万能”というわけではない。ろ
くに検証もせず実施したのでは、先に待ち構えているのは十中八九「破滅」だ。
そうした初心者の陥りがちなワナにはまることなく、もっと本質的なところで
マーケットに挑戦するための道しるべを提供しようというのが、本書の狙いであ
る。
目次
はじめに
デイトレードを始めたきっかけ
裁量トレーダーからシステムトレーダーへ
最初は初心者だった
トレードステーション
本書の構成
楽しいが楽ではない
第1章 なぜシステムトレードなのか?
1-1 トレーダーが目指すもの
ランダムウォーク理論
サルでもスーパートレーダーに?
トレードは本当に儲かるのか?
1-2 興味がある人ほど向いていない
「俺流」ではトレードに勝てない
ギャンブラーではトレードに勝てない
パラドックス
1-3 損を生みやすい人間心理
検索容易性
追認バイアス
保守バイアス
追認バイアスと保守バイアスの例
アンカリング効果
代表性バイアス
所有バイアス
プロスペクト理論
1-4 コンピュータによるシステムトレードの優位性
合理的行動と非合理的行動
システムトレードの定義
裁量とシステム
コンピュータの優位性
プログラムを極めれば市場で勝てるのか
トレーディングツールの優位性
第2章 トレードステーション攻略法
2-1 チャートと売買プログラムの関連
チャートの種類
チャートの形成
売買プログラムの動き
2-2 変数とは
変数の種類
2-3 リザーブワード
2-4 句読点
2-5 関係演算子
2-6 IF-THEN
2-7 インプット
2-8 BEGIN-END
2-9 売買シグナルの種類
(1) Buyシグナル
(2) ExitLongシグナル
(3) Sellシグナル
(4) ExitShortシグナル
2-10 執行方法
逆指値注文と指値注文の違い
2-11 トレードステーションの機能
指標
ショウミー
ペイントバー
記入したコードのチェック
2-12 ストラテジー
2-13 最適化の方法
最適化で注意すべきポイント
第3章 売買アイデアとプログラム化のコツ
3-1 売買スタイルの決定
3-2 観察
トレード日記のススメ
負けトレードが「間違い」というわけではない
3-3 売買する市場の選定
3-4 トレンド手法の決定
トレンドフォロー
カウンタートレンド
3-5 流動性
現在値は「現在」ではない
スリッページ
3-6 タイムスパン
週足と日中足の違い
3-7 資金量
3-8 プログラムって簡単!
プログラムとは
人間の言語とプログラム言語の根本的な違いとは
プログラム化への初期段階
3-9 言葉に定義できるか?
3-10 プログラム作成の流れ
(1) 仮説を立てる
(2) 仮説をもとにプログラム作成
(3) プログラムが想定した動きをしているか試験
(4) バックテスト実施
(5) 手数料を含めたバックテスト実施
(6) フォワードテスト
(7) 実際に運用開始
3-11 プログラムデータの管理方法
データ管理ツール
|
第4章 具体的な売買プログラム作成方法
4-1 プログラム作成のステップ
4-2 セットアップ
ブレイクアウト
ダブルボトム〜プログラム化が難しいケース
4-3 フィルター
フィルターの具体例1
フィルターの具体例2
4-4 新規注文
4-5 損失確定
失敗の処理を失敗しない
損切りの種類
損切り注文の注意点
4-6 利益確定
値幅・増減率による利食い
トレイリングストップによる利食い
4-7 よく発生するエラー
第5章 売買システムの評価方法
5-1 パフォーマンスレポートの基本用語
パフォーマンスレポートの基本用語
(1) 純損益・総利益・総損失
(2) トレード回数
(3) 勝率
(4) 期待値
(5) 最大ドローダウン
(6) 最長フラット期間
(7) 最大利益
(8) 最大連敗数
まとめ
5-2 サンプルデータの選定
サイクルの存在
そのデータはどの局面のものか?
ベンチマークとの比較
両刀システムのほうが優位性は高い
フォワードテスト
5-3 期待値
期待値がマイナスでは意味がない!
ブラックジャックの期待値を上げる
カウンティング
5-4 プログラム追加の注意点
第6章 売買システムの管理方法
6-1 排除できない心理
6-2 あらゆるリスクを想定する
比較的発生しやすい障害
大きな障害
そのほかの障害
6-3 ルールには絶対服従
人間の裁量による一時停止
ドローダウン更新時の停止
自動発注をすべきか?
6-4 継続できるシステム作り
勝率と期待値
資金量
6-5 システムの停止も機械的に
機能しているシステムとは
撤退戦略の考え方
システム停止のルール
エクセルで算出する方法
統計ソフトで算出する方法
6-6 ポジションの増減方法
固定金額単位モデル
6-7 ポジションサイジング戦略
システムトレード版ポートフォリオ理論
1つのシステムや1つの市場に頼らない
売買システムのポートフォリオ考察例
6-8 システム管理のフロー(まとめ)
第7章 システムトレードの光と影
7-1 システムトレードの派生商品
ソース公開型
シグナル配信型
ブラックボックス型
自動執行ブローカー型
第三者の開発したシステムを買うべきか?
高性能と思われるシステムほど高リスクの不思議な現象
売買システム=アクティブファンド?
本当に良いシステムか判別できない
販売のマイナスになるようなことはいわない
7-2 生き残りバイアス
7-3 システム評価方法
パフォーマンスレポート
フォワードテスト
新バージョンは別システム
7-4 システムトレード派生商品のチェックポイント
あとがき
付録 システムトレードのための用語集
|
筆者コメント(「あとがき」より)
本書の執筆に要した1年半、その間に日本のシステムトレード環境には劇的な変化がありました。日本でも「売買プログラム機能を搭載した本格的トレードツール」を提供する証券会社が登場したのをはじめ、トレードステーション経由で直接証券会社に発注できるような接続ツールも供給されようとしています。
もう、この流れは、だれにも止められないでしょう。ついに日本の個人トレーダーたちに「コンピュータを利用したシステムトレード」が普及する時代になったのです。
もっとも、今までが「異常」だったのです。かなり昔「米国で流行した環境は、10年後の日本で流行する」という話を耳にしたことがあります。インターネットが普及した今では、その差がかなり縮まっていてもおかしくありません。
ところが、ことコンピュータによるシステムトレードの普及に関しては、米国より十数年以上も遅れているのです。
お隣の韓国でも、すでに多くの証券会社がトレードステーションのような本格的トレードツールを提供しています。コンピュータを利用したシステムトレードは、同国の個人トレーダーにとって、もはや当たり前の選択肢なのです。
一方、最近までの日本のシステムトレード環境は、とてもお粗末な内容でした。「逆指値」が発注できるというだけで大騒ぎをするほどでしたから・・・・・・。
日本の貧困な環境をみるにつけ、トレードステーションを利用したシステムトレードを4年近く実践してきた筆者にとっては「日本でも“本当のシステムトレード”を認知してもらいたい」という思いが募る一方でした。日本初のシステムトレードツール構築プロジェクトにアドバイザーとして携わる機会をいただいたとき、その思いを実現できることに喜びを感じたものです。
もちろん、その思いが本書執筆への原動力となりました。本書が、これからコンピュータでシステムトレードを実践する人への「道しるべ」になればと思うのです。
売買プログラムの勉強を始めたばかりの初心者は、まるでコンピュータが「打ち出の小づち」とばかりに儲けさせてくれると、勘違いする傾向があります。しかし、コンピュータによるシステムトレードは、けっして“万能”というわけではありません。ろくに検証もせず実施したのでは、先に待ち構えているのは十中八九「破滅」です。そうした初心者の陥りがちなワナにはまらず、投資家がもっと本質的なところで挑戦するための道しるべを提供できればと思ったわけです。
著者紹介
高橋謙吾(たかはし・けんご)
個人投資家として米国の指数先物・債券先物を中心に、トレードステーションで
システムトレードを実践。コンピュータによる売買システム構築と管理運用の経
験から、証券会社が提供するトレードツールの開発に監修・アドバイザーとして
携わる。シストレナビ(http://system-trading.jp/)、Strategy Investment
(http://www.strategyinv.com/)で売買プログラム作成のコツに関するコラム
を執筆中。著書に『株 システムトレードで儲ける奥義書』、DVDに『これからは
じめるシステムトレード入門』(いずれもパンローリング)がある。
(現代の錬金術師シリーズ49)
読者のご意見
いたずらに儲かる話ではなくシステムをどう作り上げるか?ということにフォーカスした良書だと思います。特に第一章の内容は深いものがあります。...もっと見る
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