携帯版 |
![]() |
![]() |
|
![]() 相場師マーク・リッチ 史上最大の脱税王か、未曽有のヒーローかベテラン度:
★☆☆
ダニエル・アマン,
田村源二パンローリング 四六判 446頁 2020年1月発売 本体 1,800円 税込 1,980円 国内送料無料です。 この商品は 本日 発送できる予定です。 (発送可能時期について)
史上最大の脱税王か、未曽有のヒーローか偉大なトレーダーか、売国奴か、脱税王か?世界を変えた「自由市場のチャンピオン」! アメリカにケンカを売り、石油メジャーを出し抜いた原油相場師 マーク・リッチとは一体、何者なのか?
一方で、アメリカが禁輸国に指定しているイラン、南アフリカ、キューバや、その他発展途上国の独裁国と原油をはじめとする鉱産物の取引を行い、巨万の富を築きながらも、納税を免れたアメリカ史上最大の脱税王であり、最大の悪魔であり、売国奴! 冤罪を訴えるも、「国賊」と決めつけるアメリカ司法省から逃れるために、スイスに移り住む。17年後、熱心なクリントン支持と献金のおかげで、クリントン大統領の在職最終日に特赦を受けるも、メディアからのバッシングはやまず、帰国がかなわず、子供の死に目にも会えなかった! ただ、メディアが流す「マーク・リッチ像」とは異なり、リッチはイスラエルとパレスチナの和平プロセスを支援したり、パレスチナ自治政府のための訓練プログラムを実施したりしている。また、アメリカの禁輸制裁国と取引をして、そこに住む貧しい国民たちを豊かにしたことも確かである。 偉大なトレーダーであり、売国奴であり、脱税王であり、最大の悪魔などとレッテルを貼られた、地球を相手に取引した謎だらけのマーク・リッチの真実の姿が明らかになる! 著者紹介ダニエル・アマン(Daniel Ammann)1963年、チューリッヒ生まれ。チューリッヒ大学、カリフォルニア大学バークレー校などで学ぶ。2006年にはスイスで経済ジャーナリズム賞、2007年にはビジネスジャーナリズムの分野で「ジョージ・フォン・ホルツブビンク賞」を受賞。本書は世界的なベストセラーになり、ドイツでベストビジネスブックにノミネートされた。 ■立ち読みコーナー(本テキストは再校時のものです) 目次謝辞第1章 まぎれもないキング・オブ・オイル 第2章 最大の悪魔 第3章 ユダヤ人の運命 第4章 アメリカン・ドリーム 第5章 目覚めた原油 第6章 イスラエルとシャー 第7章 マーク・リッチ社 第8章 アヤトラ・ホメイニとの取引 第9章 訴訟 第10章 ルディ・ジュリアーニの失敗 第11章 法を犯したことは一度もない 第12章 マーク・リッチを捕まえろ 第13章 秘密交渉 第14章 成功の秘密―アンゴラから南アフリカまで 第15章 驚くべき貢献 第16章 私生活 第17章 キング・オブ・オイルの最期 第18章 特赦 第19章 マーク・リッチの未来予測 第20 章 エピローグ―グレー・ゾーン あとがき――マーク・リッチ(一九三四~二〇一三)の遺産 あとがき―マーク・リッチ(一九三四~二〇一三)の遺産また葉巻を喫うようになったんだな。マーク・リッチがあらわれるのを待っていて最初に気づいたのはそれだった。二〇一三年二月末のことである。サンモリッツにある彼の別荘、チェサ・マルジには、葉巻の煙の匂いが立ちこめていた。天井に設置されている小型スピーカーから流れてくるのはバッハのソナタ。客間のテーブル上には著名なバスク人彫刻家エドゥアルド・チリーダの作品を論考した研究書が一冊。庭にはそのチリーダの小さめの彫刻が置かれていて、それが窓の真ん前に見える。リッチは約束した昼食の時間に遅れてやって来た。遅刻をあれだけ嫌悪していたのに。その日の朝は素晴らしい天気で、七八歳になるリッチもつい誘惑されてゲレンデに出てしまったのである。「悪癖はなかなかやめられない」。指のあいだに挟まれたキューバ産コイーバについてわたしが尋ねると、彼はそう説明した。数年前、健康に不安を抱えて一度禁煙したことがある。その陽光あふれる冬の日、リッチは昼食後にお気に入りのウイスキー、ジョニー・ウォーカーの水割りを楽しみ、体調はだいぶ良さそうだった。 これが最後の面会になりそうな気配などまったくなかった。だが、その年の六月二六日、リッチは脳卒中を起こし、ルツェルンの病院で他界した。そして、翌日、イスラエル第二の都市テルアビブの東方に位置するキブツ・エイナトの非宗教的な墓地に埋葬された。その傍らには、一九九六年に白血病で亡くなった娘のガブリエルが眠っている。 もしリッチがあの世で自分の死亡ニュースの内容を知ることができたら、きっと喜んだにちがいない。世界の主要メディアのすべて―『エコノミスト』から『ル・モンド』や『フィナンシャル・タイムズ』まで、『デア・シュピーゲル』からCNNや『エル・パイス』まで―が、彼の生涯と仕事について大々的に報じたのである。言うまでもないが、どの紙誌、放送局もみな例外なく、検事たち言うところのアメリカ史上「最大の脱税」の容疑でリッチが起訴されたことにも触れた。さらに、その他の〝汚点〟をいくつも列挙した。たとえば、あのアメリカ大使館人質事件の最中に敵国イランと取引して告発されたこと。そして、もちろん、数々の禁輸措置を巧みにすり抜け、あらゆる独裁者、暴君と取引し、人種隔離政策下の南アフリカに石油を供給したこともあった、という事実。リッチの物議を醸した取引―その多くは本書で初めて明かされた―に対する人々の激しい憤りによって、彼はずっと、まさに死に至るまで、暗い陰へと追いやられてきた。いや、それは死後も続いた。そう、言うまでもなく。(続きを読む) (ウィザードブック292) そのほかのお薦め
ベテラン度:
★☆☆
ベテラン度:
★☆☆
ベテラン度:
★★☆
ベテラン度:
★☆☆
ベテラン度:
★★☆
|
|