グレアム・バフェット流投資のスクリーニングモデル
ルーク・L・ワイリー,
長尾慎太郎,
山下恵美子
パンローリング
A5判 上製本 246頁 2015年9月発売
本体 3,800円 税込 4,180円
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読者のご意見
「安く買って、高く売る」中長期投資の奥義
「個人投資家」のために初めて開発された伝説的バリュー投資法
バリュー投資、初のシステム化
「安く買って、高く売る」――シンプル・イズ・ベスト!
成功する投資の原理はとてもシンプルだ――「安く買って、高く売る。良い情報に基づく良い意思決定。ノイズを排除し、感情的な混乱を避ける。そして、リスクを減らす」。
しかし、投資家は往々にして、最適ではない結果につながるワナに陥ることが多い――「群れの行動、感情的な投資、データではなくトレンドに従う、不必要なリスクをとる」。
こういった間違った行動には共通の原因がある。それは、投資機会を見極めるための規律あるシステムが欠如していることである。
本書ではCFP(公認ファイナンシャルプランナー)のルーク・L・ワイリーが、人々に見落とされている優れた会社と素晴らしい投資機会を見つけるためのフィルターを紹介する。これらのフィルターを使えば、リスクを低減しながら大きな利益が得られるうえ、景気低迷後の素早い回復が可能だ。
豊富な経験と、幅広いリサーチ、そして健全な懐疑主義を基に、ワイリーは、会社の何を見ればよいのか、どういった条件を満たせばよいのか、そしてなぜそうした判断基準を使うのかを解説する。また本書では、株価が52週安値近くにある会社が障害を乗り越えて素晴らしいリターンを提供してくれたいくつかのケーススタディーも紹介する。5つの、シンプルではあるが重要なフィルターを使えば、ダウンサイドリスクを低減しながら、市場を上回る素晴らしいパフォーマンスを達成することができることを本書は教えてくれる。
これら5つのフィルターをパスし、挫折の真っただ中にいる会社こそが投資に向く会社だ。しかし、こうした会社はウォール街では見落とされることが多く、彼らには愛されない。
本書は、従来の戦略の殻を打ち破り、よくある過ちを避けたいと思っている中長期の投資家、マネーマネジャー、金融アドバイザーにとっての必読書だ。本書が提供する時代を超えた新しい戦略と考え方に従うことで、リスクを低減し、市場をアウトパフォームすることが可能になるのである。
■著者紹介
ルーク・L・ワイリー(Luke L. Wiley)
公認ファイナンシャルプランナー、チャーター退職計画カウンセラー。オハイオ州シンシナチに拠点を置くUBSファイナンシャル・サービスのワイリー・ウェルス・マネジメント上級副社長。2012年、顧客の保持・獲得で7000人のUBSファイナンシャルアドバイザーのトップ10に選ばれ、ほかのウェルスマネジャー、ファイナンシャルプランナー、投資マネジャーたちに対する戦略指南を依頼された。彼の投資戦略と人生への取り組み方は、カール・グスタフ・ヤコブ・ヤコビの「逆だ、いつでも逆からやるんだ」という言葉に象徴される。52週安値近くにある会社のなかから魅力的な投資機会を見つけるという考え方は、セス・クラーマンの本からヒントを得た。
■目次
監修者まえがき
はじめに
ケーススタディー1――著者のプロフィール
序文
謝辞
第1章 52週安値戦略の公式
1400ドルの本から生まれた52週安値戦略
第2章 群れの行動とバンドワゴン効果
第3章 フィルター1――競争優位性
5つの競争力
参入障壁
ネットワーク効果
切り替えコスト
強力なサプライヤー
代替の提供
何を見ればよいのか
ウエスタンユニオン(WU)
ビザ(V)
キャンベルズ(CPB)
ファスターナル(FAST)
ウォーターズ(WAT)
まとめ
ケーススタディー2――1980年〜2012年の1ドルの軌跡
第4章 投資家が犯しやすい5つの過ち
過ち1――理性で判断するのではなく、感情を信じる
過ち2――規律の欠如とオデュッセウスの約束
過ち3――ハロー効果に無関心
過ち4――情報過多
過ち5――価値と親近性を混同する
第5章 フィルター2――フリーキャッシュフロー利回り
ケーススタディー3――52週安値戦略とその復活
第6章 恐怖と意思決定疲れが持つ力
第7章 フィルター3――ROIC
複雑な指標
時計の針を巻き戻してみよう
第8章 今回だけは違うということはない
第9章 フィルター4――長期負債対フリーキャッシュフロー比率
長期負債対フリーキャッシュフロー比率の計算
負債についての注意点
長期負債対フリーキャッシュフロー比率の比較
比較1――重機業界
比較2――化粧品業界
まとめ
ケーススタディー4――バリューを考えるとき、誇大広告は信じるな
第10章 サンクコスト・バイアス、プライド、後悔
フィルター1――長続きする競争優位性
フィルター2――フリーキャッシュフロー利回り
フィルター3――ROIC(投下資本利益率)
フィルター4――長期負債対フリーキャッシュフロー比率
タイミングの問題
私の反証の旅
第11章 フィルター5――52週安値の公式とそれを反証する私の旅
第12章 -25%の直近12カ月のリターンを受け入れることの重要性
第13章 選択的知覚と確証バイアス
第14章 本書のまとめ
フィルターのおさらい
フィルター1――長続きする競争優位性
フィルター2――フリーキャッシュフロー利回り(安全域)
フィルター3――ROIC
フィルター4――長期負債対フリーキャッシュフロー比率
フィルター5――52週の安値
あなたの役割
あとがき
■監修者まえがき
本書はルーク・ワイリーによる“The 52-Week Low Formula : A Contrarian Strategy that Lowers Risk, Beats the Market, and Overcomes Human Emotion”の邦訳である。ワイリーはプロのファイナンシャルアドバイザー(FA、ファイナンシャルプランナーとも呼ばれる)で、これまで多くの投資家に対して助言サービスを提供してきた。FAという職業は日本ではあまりなじみがないかもしれないが、米国では、財務活動にあたって自分のFAを持ち、適宜相談しながら進めるという仕組みがある。これは、一般に顧客の側で、たとえ自分の仕事については知識や経験を有していても、専門外の分野(例えば、医療や法的係争など、投資もそれに含まれる)において不用意に何を行えば失敗は必至である、したがって適宜専門家に相談すべき、との見識を持つ人が米国では一定数存在するからである。(中略)
さて、著者はFAとしての長年の経験に基づいて本書を書いたわけだが、これが素晴らしいのは、プロのFAの投資哲学を安価に学べるということだけではない。これまで定性的にしか語られてこなかったグレアム・バフェット流のバリュー投資について、実務的なスクリーニングモデルを個人投資家向けに初めて提示したことに大きな意義がある。ここで原書のタイトルは52週間(1年)の安値にフォーカスしたものになっているが、それに惑わされてはならない。この本の神髄はそこにあるのではなく、『賢明なる投資家』(パンローリング)に代表されるクラシカルなバリュー投資の考え方が、決定木構造のモデルに従って、3000銘柄のユニバースを25銘柄の投資対象に絞り込む定量的なプロセスとして明確化されているところにある。これによって、これまで裁量で行うよりほかに方法がなく、したがって経験と知識が必要とされてきた伝説的な投資手法は、だれもが機械的に実施可能な身近なものへと変化したのである。
(ウィザードブックシリーズ229)
読者のご意見
書名の通りの内容で、全体として丁寧なバリュー投資の教本。
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