クオンツトレーディング入門 規律と秩序で戦略を自動化するための手法
リシ・K・ナラン,
長尾慎太郎,
山下恵美子
パンローリング
A5判 上製本 318頁 2010年10月発売
本体 4,800円 税込 5,280円
国内送料無料です。
品切れのためご注文いただけません。
(発送可能時期について)
読者のご意見 | 目次
先端投資戦略「ブラックボックス」の中身とは
超過収益「アルファ」を目指すトレーダー必携!
「ブラックボックス」は「クリアボックス」だった!?
クオンツトレーディング戦略はまたの名を「ブラックボックス」ともいい、説明が難しく、理解しづらいというのが世間一般の見方だ。確かにこのアプローチにはある程度の複雑さはある。しかし、正しいガイダンスに従えば、障害を乗り越え、この分野で秀でることも不可能ではない。
プロのファンドマネジャーであるリシ・ナランが本書を書いたのはまさにそのためだ。難しい数式などは一切使わず、実例や役立つエピソードをふんだんに織り込んだ本書は、普通の人にも理解しやすい。読み終えるころには、ブラックボックスの中身が細部まで理解できていることだろう。天才数学者「クオンツ」が何をしているのかを明確にすることで、クオンツトレーディングを取り囲む謎のベールをはがし、クオンツトレーディングに興味を持つ人々のクオンツとクオンツ戦略に対する理解を深めた本書の意義は大きい。
本書は3部からなる。まず第1部ではクオンツトレーディングとは何かを説明することで全体像をつかんでもらう。そして第2部では、ブラックボックスの中身を詳しく説明することで、ブラックボックスと呼ばれているものは実は理解しやすいクリアボックスであることを示す。そして第3部を読み終えるころには、クオンツ戦略がなぜそれほど重要なのか、それをあなたのポートフォリオに組み込むにはどうすればよいのかが分かってくるはずだ。
機関投資家か富裕な個人投資家かとは関係なく、本書から学んだ教訓は移り変わりの激しい今日の市場で自分のエッジ(優位性)を見つけるのに役立つはずだ。本書では、次に示すような、知りたいと思いながらもなかなか解を得られない難しい質問にも答えている。
- クオンツはどのようにしてアルファを獲得するのか
- 理論駆動型システムとデータマイニング戦略の違い
- クオンツはリスクをどのようにモデル化するのか
- クオンツトレーディングから投資全般について何を学ぶことができるのか
この数年における厳しい市場環境と、ヘッジファンドやクオンツファンドを取り巻く否定的な見方を考えると、クオンツトレーディングの実態を理解することが今ほど必要とされているときはない。本書で提供した枠組みは、クオンツ戦略への理解を高め、成功するクオンツ戦略を見分け、自分のポートフォリオにクオンツ戦略をどのように組み込むべきかを理解する一助となり、投資プロセスのパフォーマンスを向上させるための良き水先案内人となるだろう。
監修者まえがき
本書はリシー・K・ナランによる “Inside the Black Box : The Simple Truth About Quantitative Trading”の邦訳である。これまでにクオンツ運用について書かれた、あるいは金融工学について書かれた書籍は数多くあるが、それらはすべて、クオンツの世界のごく狭い範囲を断片的に切り取って解説したものにすぎなかった。したがって本書は、資産運用のクオンツが実際にどんなことをやっているかについて、実務家が著した世界で最初の書籍ということになる。 (つづきを読む)
はじめに
クオンツトレーディング戦略は別名ブラックボックスとも呼ばれ、資本市場においては極めて重要な概念であり、センセーションを巻き起こした成功例や失敗例がよく知られているにもかかわらず、いまだ厚いベールに覆われたままだ。この不透明さを増長させているのはクオンツたち自身であり、この不透明さのために、ただでさえ多いクオンツトレーディングに対する誤解は投資家コミュニティー全域で拡大するばかりだ。 (つづきを読む)
本書への賛辞
「ナランが本書で明らかにしたクオンツ投資の全体像は、クオンツ戦略への資産配分を行っている人のみならず、これからクオンツを目指す人にとっても役立つものだ。本書は、広い尊敬を集めたファンド・オブ・ファンズのクオンツマネジャーとしての経験を持ち、多くのクオンツトレーダーたちとのネットワークを確立したナランならではの仕事だ」――ピーター・マラー(モルガンスタンレーのプロセスドリブントレーディング部門ヘッド)
「非常に読みやすく、しかも普段取り上げられることの少ないテーマに光を当てたたぐいまれな書だ。クオンツ戦略投資に対する枠組みとガイダンスを与えてくれる本書は、すでにこの分野に投資している人はもちろんのこと、これから投資しようとしている人にとっても貴重な参考書となるはずだ。また、クオンツ自身にとっても読むに値する書である」――スティーブ・エバンズ(チューダー・インベストメント・コーポレーションのクオンツトレーディング部門責任者)
「難しい数式を一切使わずに、流動性商品に対するシステマティックなトレーディング戦略を分類し、クオンツ戦略をポートフォリオに組み込むための枠組みを提供するナランの手腕には、この道のプロとしての実力がうかがえる。クオンツ戦略を取り巻く謎めいた雰囲気を一掃し、その実態を正確にとらえさせることに貢献する書として一読に値する」――ロス・ガロン(SACキャピタル・アドバイザーズのクオンツ戦略部門責任者)
目次
監修者まえがき
はじめに
謝辞
第1部 クオンツの世界
第1章 クオンツトレーディングが重要なわけ
深く思考することの便益
リスクの測定と間違った測定
規律正しい実行
まとめ
第2章 クオンツトレーディング入門
クオンツとは何か
クオンツトレーディング戦略の基本的構造
まとめ
第2部 ブラックボックスの中身
第3章 アルファモデル――クオンツはお金をどうやって稼ぐのか
アルファモデルの2つのタイプ――理論駆動型とデータ駆動型
理論駆動型アルファモデル
データ駆動型アルファモデル
戦略の実行
複数のアルファモデルの組み合わせ
まとめ
第4章 リスクモデル
リスクの限定
リスクの種類の限定
まとめ
第5章 取引コストモデル
取引コストの定義
さまざまな取引コストモデル
まとめ
第6章 ポートフォリオ構築モデル
ルールに基づくポートフォリオ構築モデル
ポートフォリオ・オプティマイザ
ポートフォリオ構築モデルの出力
クオンツはポートフォリオ構築モデルをどのようにして選ぶのか
まとめ
第7章 執行
注文執行アルゴリズム
高頻度トレーディング――アルファと執行との間の境界線をなくす
トレーディングインフラ
まとめ
|
第8章 データ
データの重要性
データのタイプ
データ源
データクリーニング
データの保存
まとめ
第9章 リサーチ
リサーチの設計――科学的手法
アイデアの着想
検証
まとめ
第3部 クオンツ戦略に投資する人のための実践ガイド
第10章 クオンツ戦略に内包されるリスク
モデルリスク
市場の体制変化によるリスク
外因性ショックリスク
伝播リスク(共通投資家リスク)
クオンツのリスク監視
まとめ
第11章 クオンツトレーディングに対する批判――事実関係をはっきりさせよう
トレーディングはアートであって科学ではない
クオンツがリスクを過小評価することで市場ボラティリティは上昇する
普段とは異なるイベントや市場状態の急激な変化にクオンツは対応できない
クオンツはみんな同じだ
長期的に見て成功するクオンツは少数の大手クオンツのみ
クオンツはデータマイニングという罪を犯している
まとめ
第12章 クオンツとクオンツ戦略の評価
情報収集
クオンツトレーディング戦略の評価
クオンツトレーダーのスキルの評価
エッジ
誠実さの評価
そのクオンツはあなたのポートフォリオに加える価値があるのか
まとめ
第13章 クオンツトレーディングの未来
|
著者紹介
リシ・K・ナラン(Rishi K Narang)
短期クオンツアルファ戦略を専門とする代替投資運用会社であるテレシス・キャピタルLLCの創設者兼社長。サンタ・バーバラ・アルファ・ストラテジーズ社では役員および共同ポートフォリオマネジャーを務め、1999年から2002年まではクオンツヘッジファンド、トレードワークス社の共同創設者兼社長を務めた。カリフォルニア大学バークレー校・経済学部卒。ギター、エッセーや詩、鉛筆デッサン、人との議論、テニス、ハイキングと多趣味でもある。現在、妻のキャロリン・ウォンとロサンゼルスに在住。
Inside the Black Box : The Simple Truth About Quantitative Trading
by Rishi K Narang
(ウィザードブック171)
読者のご意見
世界で一番稼いでいるのはクオンツであるのは間違いないであろう。
...もっと見る
そのほかのお薦め
2025源太カレンダー(冊子版)
ベテラン度:
★★☆
大岩川源太 源太塾(カレンダー)
A4判 26頁(見開きA3) 2024年12月発売
2,750円 国内送料無料
すぐ発送
Rとトレード 確率と統計のガイドブック
ベテラン度:
★★☆
ハリー・ゲオルガコプロス/長尾慎太郎/山下恵美子 パンローリング
A5判 382頁 2015年12月発売
8,580円 国内送料無料
すぐ発送
この商品の著者による商品一覧:
リシ・K・ナラン,
長尾慎太郎,
山下恵美子
戻る・トップページへ
|