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ミルク進化論 なぜ人は、これほどミルクを愛するのか?
マーク・カーランスキー,
髙山祥子
パンローリング
四六版 448頁 2019年9月発売
本体 1,800円 税込 1,980円
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4割の人間が苦手とする最古のサプリメント一万年論争
126のレシピを掲載
目次 | 正誤表
みなさんは、毎日、何も気にすることなく牛乳や乳製品を手にしていることでしょう。ミルクは飲む栄養素としてだけではなく、チーズ、バター、ヨーグルト、アイスクリームなどに加工され、広く親しまれています。
しかし、ミルクはもともと新生児に栄養を与えるためのもの。成長にともない、ミルクを消化吸収する機能は低下するにもかかわらず、人間だけが幼児期を過ぎてもミルクを摂取しています。そこまでわたしたちを魅了するミルクの歴史を本書で紐解いてみましょう。
ミルクの長所と危険性は少なくとも1万年以上にわたって議論されています。人類で最も長く続いている食品に関する審議です。牛乳は、米国で安全テストをされた最初の品目であり、今日では、世界の大半で安全性が定められている食品です。
18~19世紀には牛乳を飲むことが流行し、ヨーロッパとアメリカでは母乳の代用品として人工のミルクによる育児が主流となっていきました。ところが、人工のミルクへ移行した際にニューヨーク、ボストン、シカゴ、ロンドン、パリなどの大都市で乳幼児の死亡が相次ぎました。特にニューヨークのマンハッタン地区ではひどく――ビール醸造所のとなりで乳製品が製造されていたためにビール製造で残ったスロップが牛に与えられていた――1840年代にはマンハッタンで生まれた赤ちゃんの半数近くが幼児期に死亡するという深刻な事態陥りました。その後、研究が進んで細菌の存在が明らかになり、低温殺菌処理が施されることになりました。しかし、ここで生乳のほうが健康的で味が良いという議論が生まれて……。
安心かつ安全な食品ではないにもかかわらず、ミルクに対する人間の情熱が消えることはありません。古代からの議論に続き、現在でも新たな論争が生まれています。工業型農業における動物の権利擁護から狂牛病問題、遺伝子組み換え作物、低温殺菌しない生乳の是非など、常に健康と倫理、経済の板ばさみになっています。
ミルクと乳製品が完璧な食品だったとしたら、歴史はどのように変わっていたでしょうか? この人類の難題を一緒に考えてみましょう。
レシピに関するメモ
I 乳製品の誕生
1 初めての甘い味
2 肥沃な三日月地帯で酸化する
3 チーズの文明
4 バター臭い蛮族
5 砂漠のミルク
6 ミルクとビールの日々
7 チーズ熱愛者
8 プディングの作り方
9 みんな大好きアイスクリーム
II 危ない飲み物
10 ミルクで死ぬ
11 初めての安全なミルク
12 新たな果てしなき闘い
13 産業化された牛
14 新しいミルク料理
III 牛と真実
15 チベットのバター作り
16 拡大する中国の許容力
17 牛の楽園の問題
18 チーズ作りの職人たち
19 最高のミルクを求めて
20 真の安全なミルクとは
謝辞
参考文献
著者紹介
マーク・カーランスキー(Mark Kurlansky)
数多くの著書をもつノンフィクション作家、歴史家。ニューヨークタイムズ紙のベストセラー入りしたものに『塩の世界史──歴史を動かした小さな粒』『紙の世界史──歴史に突き動かされた技術』『鱈──世界を変えた魚の歴史』『1968──世界が揺れた年』『牡蠣と紐育』などがある。デイトン文学平和賞、ジェームズ・ビアード賞、グレンフィディック賞、ボナペティ誌フードライター・オブ・ザ・イヤーなど受賞歴多数。ニューヨーク在住。
訳者紹介
髙山祥子(たかやま・しょうこ)
1960年東京都生まれ。成城大学文芸学部ヨーロッパ文化学科卒業。翻訳家。訳書に『ブラック・リバー』『世界一高価な切手の物語 なぜ1セントの切手は950万ドルになったのか』『すべての愛しい幽霊たち』(以上、東京創元社)、『MI6秘録 イギリス秘密情報部1909-1949〈上・下〉』(筑摩書房)、『WHAT HAPPENED 何が起きたのか?』(光文社)、『大人の女はどう働くか? 絶対に知っておくべき考え方、ふるまい方、装い方』(海と月社)など。
(フェニックスシリーズ90)
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