シクリカル投資法は、景気の流れを待つだけの手法と思われるかもしれません。
しかし、信用取引の空売りや、つなぎ売り、さらに裁定取引を使えば、より強力
な戦略を取ることができるでしょう。本書では、それらの活用法を具体的事例で
検証しています。
好景気も不景気もチャンスに変える「シクリカル投資法」で、利益が生まれる局
面と損失を出しやすい局面を知り、損小利大のトレードを目指してください。
はじめに
第1章 シクリカル投資法・理論編
(1)クリカル投資法とは?
景気を相手にする/景気は循環する/シクリカル株とは/バフェットの投資対象/アンチ・バフェット型投資/シクリカルセクターの分類/セクターで考えるクセ/個人投資家に見る銘柄スクリーニング/「~関連銘柄」が儲からない理由/シクリカル投資法の有効性
(2)シクリカルセクターの収益構造
景気転換の兆し/収益は「売上高=数量×単価」である/不景気からの反転/景気の底入れは事後的に分かる/景気拡大は「単価」の上昇/コストも「数量×単価」で追いかけてくる/コストの伸びが売上高の伸びを上回りだす/価格の変化に存在する二面性/売上高が変化する8つの局面
(3)株式市場の2大原則
株式投資は難しい/景気サイクルが見える期間/株式市場に存在する大原則/2大原則で見る株価と景気のサイクル/4つの局面で見る売買のタイミング/ⅢとⅣの見極めが運命を分ける/投資家の死命を決するポイント/シクリカル銘柄の変動特性/売上高の変化イコール株価の上昇/価格動向の注意点/小さく取ることを繰り返す/大きく狙うと次の下落でほぼやられる/相場予測を避け観察に徹する
第2章 シクリカル投資法・実践編
(1)価格は何を見るべきか
対象となる価格/価格とは何か/ニッケルの価格/値段の位置づけ/株式投資での「一村一品運動」/代替品の景気/景気の代用品と株価の連動性/現材料の価格/価格データの収集/情報収集のコツと活用/完璧な対応関係を求めない
(2)何をもって価格の上昇・下落とみなすか?
投資家の決定事項/「買い」のポイント/ニッケル市況で見る買いのポイント/順張りと逆張り/ニッケル市況と株式市場/底値で買うことの意味/目指す利幅は小さめ/トレイリングストップ/手仕舞いのポイント/年間アノマリー/シクリカル実践レポート
(3)シクリカル投資法の長所と短所
シクリカル投資法の特徴/2大投資法(グロース(成長)株/バリュー(割安)株)/シクリカル投資法との比較
(4)信用取引を活用する
空売りに適した局面/信用取引の活用(ヘッジ〔つなぎ売り〕/レバレッジ/アービトラージ〔ペアトレード〕)
第3章 ケーススタディ
BRICsの台頭(鉄鋼/非鉄/海運)
あとがき