人は不確実性下では合理的な判断をするとは限らない。すべての利用可能な情報は瞬時に価格に織り込まれる「効率的市場仮説」に対しては、行動ファイナンスの立場から反論が提示されている。ノーベル経済学賞を受賞したカーネマンの理論を読み解き、価格変動の理解・予測、投資戦略に有効な「行動経済学」を解説します。
投資家の行動は時間を通じてどのように変化するだろうか。自信過剰な投資家は、株式購入直後は自らの獲得した情報に自信を有しており、公的情報にはさほどの関心は払わないだろう。さらに、自己奉仕的帰属バイアスを有する投資家は、自分の投資行動を支持する公開情報には反応する一方で、自分の投資行動に反する公開情報は無視する傾向にある。これらはいずれも、投資家が自らの投資行動を過度に持続する可能性を発生させることになる。その後時間がたつにしたがって、投資家は次第に冷静になり、自分の投資行動にネガティブな情報に対しても反応するようになる。その結果、当初の行動の行き過ぎを修正すべく、投資行動を変化させるのである。ダニエルらは、投資家行動のこのような時系列的な傾向が、短期的な順張り戦略・長期的な逆張り戦略の有効性を支持する資産価格動向を生みだすものと指摘したのである。
三隅 隆司(みすみ・たかし)
一橋大学大学院 商学研究科 助教授
(120分)
標準的経済学 vs. 行動経済学
簡便法/プロスペクト理論/心理的勘定
行動ファイナンス
認知的不協和の理論
(40分)
実践的立場から…価格形成と市場アノマリー
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