私は、個人投資家にデイトレをすすめない。
その私がすすめる「デイトレ」の本が、これである。
この本で紹介されている手法とそれを実行するためのステップを、デイトレ以外の手法を目指すトレーダーにも読んでほしい。
読書というのは、読み始めてから読み終わるまで「著者の世界」に身を委ねる行為だと思う。“著者にとっての真実”が著者のペースで展開されている世界に、一時的にどっぷりと身を置くことだ。
だからある意味、特定の手法だけをとことん掘り下げていくことが書き手の責任であり、トレードの本をトレードの本として成立させているのかもしれない。
しかし、この本の著者である「ついてる仙人」は、考えられる限りすべてのタイプの個人トレーダーひとりひとりに語りかけようとしている。
自分の軸を持たず、つまり自己責任を放棄して著者の世界に身を委ねようとする人は、この本を「中途半端な内容」「実践的ではない」と評価するかもしれない。
しかし自立している人、少なくとも自立しようとしている人ならベテランから初心者まで幅広く、まさに実践するための気づきを与えてくれる内容だ。
本の中で著者は「ストレスフリー」を強調し、「1日1回のエントリー」という自分が信じるトレード手法を紹介するとともに、その背景やその手法にたどり着いた経緯を、どこにも力を入れずに語っている。
人間の感情とか、人間が持っている“ものごとを楽しもうとするエネルギー”をどうやってトレードに利用するのか──こういった、まさに実践的かつ実用的な知恵が、難しい心理学用語などを使わずに説明されている。
冒頭でも述べたが、デイトレ以外の手法を選ぶ人にとっても、またトレード以外のものごとについても応用できる、ストレスフリーで実行できる“上達の道筋”が示されていると思う。
