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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/09/14 11:37, 提供元: フィスコ

サンフロ不動産 Research Memo(7):売上高・経常利益ともに10%超伸長、達成確度高まる(2)

*11:37JST サンフロ不動産 Research Memo(7):売上高・経常利益ともに10%超伸長、達成確度高まる(2)
■今後の見通し

2. 2027年3月期の重点施策
(1) 不動産再生事業
サンフロンティア不動産<8934>の不動産再生事業では、売上高85,300百万円(前期比11.6%増)、売上総利益27,450百万円(同12.0%増)と引き続き高い利益率を維持しながら増収増益を計画している。オフィス市場については、賃料上昇と低空室率が継続しているほか、投資家の選別は進むものの需要自体は引き続き強いという。金利上昇環境下でも投資需要は底堅く、伊藤忠商事との連携によって従来取り組めなかった大型案件への参画も期待される。

既存のリプランニング物件に加え、新築ビル、ニューヨーク案件、不動産小口商品、レジデンスなど販売アセットを多様化し、収益機会の拡大を進める。また、リノベーションや新築開発を通じて不動産の潜在価値を引き出し、資産価値最大化と街の活性化を両立する取り組みを進めている。単なる建物再生ではなく、地域全体の価値向上を意識した開発を行っている点が特徴である。

リプランニング事業では、都心の中小型ビルの付加価値創造への挑戦を継続し、独自の再生技術を強みに業績をけん引する。東京都心5区及び隣接区でのリプランニング累計実績は2026年3月31日時点で531棟に上った。千代田区岩本町の一棟収益ビルは、鉄骨鉄筋コンクリート造、地下1階地上8階建ての建物であり、従来駐車場として利用されていたスペースをオフィスへコンバージョンすることで収益力を高めている。また、白を基調とした内装デザインを採用し、北向き区画でありながら明るく快適な執務空間を実現した。さらに、高い環境性能を備えた建物としてCASBEE認証の取得を予定しており、テナントニーズの変化に対応した競争力の高いオフィスビルへと再生している。

さらに、培ってきたノウハウを生かし、大阪エリアでもオフィスビルを中心にリプランニング事業を開始した。大阪圏は国内有数の経済規模を有し、日本を代表する都市圏の一つである。同社はその経済中枢である大阪市において不動産活用を通じた地域の活性化を推進するとともに、増加傾向にあるスタートアップ企業向けのオフィス整備を通じて、事業成長を支援する。なお、大阪圏ではリノベーション物件が少なく、増築の履歴や法令適合面に課題がある物件が散見される。同社はこうした物件に対し、法令適合性を満たすリノベーションを施すことで、賃料の適正化、流動性の向上を企図している。

新築ビル開発事業では、都心5区を中心としたエリアで、地域に根ざした中小型ビルのプロジェクトを多数展開している。中央区日本橋の地上13階建ての一棟収益ビルでは、足元から天井まで広がるガラス窓を設置することで開放感のある執務空間を演出しているほか、ルーフトップテラスを設けることで利用者同士の交流やリフレッシュの場を創出している。また、省エネルギー性能を高める設計を採用し、環境認証であるZEB Readyを取得した。オフィス需要が多様化するなか、快適性と環境性能を兼ね備えた高付加価値ビルの開発は、同社の差別化要因の1つとなっている。不動産小口所有商品においては、東京及び大阪都市圏を中心に開発が進んでいる。東京都大田区では、鉄骨造3階建ての新築医療店舗モールを開発し、2026年5月より販売を開始した。また、大阪府箕面市では鉄骨造5階建ての一棟新築クリニックモールを開発し、2026年1月から販売を開始している。さらに、兵庫県西宮市で開発した鉄骨造5階建ての一棟新築クリニックモールは、2025年12月に完売している。西宮・箕面の両エリアは、安定した居住層と利便性の高さを背景に、ヘルスケア需要の底堅い地域である。景気変動の影響を受けにくい医療モールを商品化することで、安定した収益を生み出す物件として今後期待される。

また、引き続き良質な物件の仕入れ及び開発を計画的に進めており、高収益かつ高稼働の不動産商品の供給を継続している。2027年3月期の仕入目標は900億円と前期を大きく上回る水準に設定されており、その実現に向けた重要な成長ドライバーとして期待されるのが伊藤忠商事との資本業務提携である。同提携は順調な立ち上がりを見せており、仕入面では同社単独では接点を持ちにくかった50億円超の大型案件が複数持ち込まれている。既に複数案件で契約締結に至っており、大型案件のパイプライン形成という観点から具体的な成果が現れ始めている。従来、同社における大型案件は50億円規模が中心であったが、今後は100億円規模の案件への参画も視野に入っている。伊藤忠商事のネットワークや情報力を活用することで、これまで以上に大型かつ多様なアセットへの投資機会を獲得できる体制が整いつつある。

販売面においても提携効果は着実に顕在化している。伊藤忠グループ傘下のリートを出口戦略として活用する体制が構築され、従来から存在した取引関係に加え、新たにパイプライン契約(覚書)を締結したことで、年間を通じて物件供給について協議を行う枠組みが明確化された。対象となるリートは、公募リートではレジデンシャル系が中心となる一方、私募リートではオフィス系も含まれており、同社の主要アセットとの親和性は高い。仕入れから売却までの一貫したパイプラインが強化されたことで、案件回転率の向上や収益機会の拡大が期待される。

こうした取り組みを背景に、同社は物件売却益についても前期を上回る水準を計画している。積極的な投資を継続する結果、期末棚卸資産は前期を上回る2,288億円〜2,338億円規模となる見通しであり、これに対応する想定売上高は3,050億円〜3,340億円、売上総利益率は25〜30%を計画している。また、期末棚卸資産の含み益は762億円〜1,002億円程度に達する見込みであり、将来の収益創出余力の大きさを示している。

一方で、同社は投資規模の拡大だけでなく、資産回転率とのバランスも重視している。2027年3月期第1四半期末時点の平均事業期間は922日と前期比48日増加したものの、新築案件を除くと508日となっており、短期案件については引き続き1年半程度を理想的な事業期間として運営している。回転率と収益性を両立させながら適正な棚卸資産構成を維持する方針であり、伊藤忠商事との協業による案件規模の拡大やアセットタイプの多様化も加わることで、持続的な利益成長を実現できる可能性は一段と高まっていると弊社では見ている。

レジデンシャル開発事業においては、「人と街に笑顔をつなぐ価値創造型マンション開発」をコンセプトに掲げている。防音仕様やペット共生型設備を備えた高付加価値の一棟賃貸マンションの新築開発へと事業領域を拡大しており、居住者の多様なライフスタイルに対応した商品づくりを進めている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)



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