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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/08/17 11:35, 提供元: フィスコ

ダイナムジャパンHD Research Memo(5):パチンコ事業はスロットがけん引、航空機リースは機体増で大幅な増収

*11:35JST ダイナムジャパンHD Research Memo(5):パチンコ事業はスロットがけん引、航空機リースは機体増で大幅な増収
■ダイナムジャパンホールディングス<06889/HK>の2026年3月期決算の状況

2. 事業別業績動向
(1) パチンコ事業
パチンコ事業の事業収入は前期比3.0%減の115,429百万円と2期連続の減収となり、セグメント利益(税引前利益)は同28.2%減の3,927百万円と3期ぶりの減益に転じた。遊技機関連費用(減価償却費を含む)が同3,827百万円、水道光熱費が同1,114百万円減少したことで、事業利益は同29.0%増の6,054百万円と増益となった。しかし、減損損失が同1,914百万円増加したことや、貯玉有効期限切れに伴う収益が同741百万円減少したことなどが、セグメント利益を押し下げる要因となった。

事業収入の内訳を見ると、パチンコが前期比6.8%減の66,673百万円と3期連続で減収となった一方で、スロットは同2.7%増の48,756百万円と増収基調が続いた。これは、営業施策として高稼働率が見込めるスロットの設置台数を増やしたことが主因だ。期末の設置台数は、パチンコが前期末比3.4%減の13.1万台となったのに対して、パチスロは同6.6%増の8.0万台となった。このうちスマート機の設置率は、パチンコが前期末の8%から17%に、パチスロが47%から61%にそれぞれ上昇した。前期に引き続き集客力の高いスマートスロット(以下、スマスロ)を中心に導入を進めたことがうかがえる。

パチンコ機についてもスマート機種の導入を進めているものの、稼働率を大幅に回復させる機種の選択が限られ、厳しい状況が続いた。実際、同社グループのパチンコ店舗の稼働率(15時及び19時平均の実客数÷設置台数)は、パチンコ機は前期比0.1ポイント低下の26.2%、パチスロ機は同0.7ポイント低下の25.5%となった。パチスロ機の稼働率低下は設置台数が増加していることが主因で、事業収入は増加している。一方、パチンコ機は設置台数を絞り込んだにもかかわらず稼働率が改善せず、事業収入の縮小につながった。

店舗形態別事業収入の増減率を見ると、高貸玉店舗が前期比3.6%減の53,708百万円、低貸玉店舗が同2.4%減の61,721百万円とそれぞれ減少した。一方で、貸玉収入ベースでは高貸玉店舗が同0.1%減と横ばい水準となり、低貸玉店舗は同2.3%増と2期ぶりに増加に転じている。事業収入と貸玉収入における伸び率の乖離は、客数回復を目的とした還元増加施策を実施したことが主因である。実際、貸玉収入に対する景品出庫額の比率(還元率)は、高貸玉店舗が同0.7ポイント上昇の81.7%、低貸玉店舗が同1.1ポイント上昇の76.7%とそれぞれ上昇しており、還元率の上昇が事業収入の減少要因となった。同社は今後も同施策を継続することで客数をさらに伸ばし、貸玉収入を増やすことで事業収入増を目指す。

主な事業費用項目の動向を見ると、遊技機関連費用はスマート機や新紙幣に対応した機械投資の一巡により、減価償却費がピークアウトしたことが減少要因となった※1。また、水道光熱費については前期比で16.1%減と大幅に減少した。これは、店舗照明のLED化や省エネ効率の高い空調設備への更新を進めたこと、全店舗に導入したBEMS※2による節電効果や電力小売会社の計画的な見直しが奏功したものである。そのほかの項目では、店舗人件費が同101百万円増、増減率で0.3%増と微増となった。人員数は期末ベースで約3%減となったものの、1人当たり人件費が増加した。また、使用権資産償却費は店舗数の減少に伴い、同369百万円減、増減率で4.2%減となった。

※1 遊技機購入費は前期比12.3%増の34,397百万円と増加したが、減価償却費ベースでは減少した。
※2 BEMS(Building Energy Management System)とは、省エネ化を目的に、室内環境や空調・照明・換気等の設備機器の使用状況など、建物内のエネルギーに関するデータを一元的に管理するシステム。

事業費用の対貸玉収入比率を見ると、2026年3月期は19.6%と前期比で1.09ポイント低下した。減価償却費が0.72ポイント、水道光熱費が0.21ポイントそれぞれ改善したことが主因である。また、店舗人件費についても0.05ポイント改善している。店舗オペレーションの標準化やカウンター業務のセルフ化等の機械化投資の実施により、店舗当たりの人員数が緩やかに減少していることが要因である。ここ数年、店舗人件費は低下傾向を維持しているが、貸玉収入の拡大に伴い、今後も改善傾向が続くと見られる。

なお、M&Aにより取得した滋賀彦根店及び長野上田店の2店舗については一連の施策が奏功し、グループ化以降の収益力が大幅に改善している。いずれも設置台数が700台以上の大型店舗であり、パチスロ機の設置比率が5割強を占める高貸玉店舗として、若年層から中年層を含む幅広い客層に対応する機種構成を展開している。同社ではグループ化以降、店舗公式のLINEやX(旧 Twitter)などSNSを通じた広告プロモーションを積極的に展開し、若中年層の集客強化に取り組んだことが客数の回復につながった。なかでも長野上田店については、地域トップクラスの稼働水準を確保するまでに業績が改善している。

(2) 航空機リース事業
子会社のDynam Aviation Ireland Limited(ダイナムアビエーション)による航空機リース事業は、流動性が高く需要も安定して見込まれるナローボディ機(エアバスのA320シリーズやボーイングのB737シリーズ等)に絞ってリース事業を展開している。また、従来アウトソーシングしていた航空機リース管理業務を内製化する体制を整備し、2024年3月期からは他社保有航空機のリース管理サービスの提供も開始した。さらに、日本支店の開設を通じて、投資案件のソーシングや管理機体のリマーケティングなど、第三者向けサービスへの本格参入も進めている。

航空機リース事業の事業収入は前期比9.1%増の7,757百万円、事業利益は同17.1%増の3,416百万円、セグメント利益は同27.9%増の862百万円となった。事業収入は、期中に新たに航空機2機、エンジン1基を購入し、リースを開始したことが主な増収要因となった。また、事業利益は第三者向けサービスの実行(投資案件のソーシング1件、管理機体のリマーケティング(転リース1件、売却1件))に伴う手数料収入の増加(前期比144万USドル増加の213万USドル)が増益に寄与した。有利子負債の増加に伴い金融収支が同312百万円悪化したものの事業利益の増加で吸収し、セグメント利益は2期ぶりの増益に転じた。

期末時点の保有航空機は前期末比2機増の12機、エンジン1基となった。管理サービスにおいては、前期と同様に他法人が保有する航空機7機、エンジン1基の管理受託を継続している。航空機資産残高(フリートバリュー)は同33.9%増の103,420百万円、総資産に占める比率は27.1%となり、平均残存リース期間は5.2年、年換算表面利回りは前期の8.8%から9.2%に上昇した。なお、航空機のリース先はすべて格安航空会社(LCC)であり、ハンガリーのWizz Air Hungary Ltd.(ウィズエアー)に7機、インドのInterGlobe Aviation Ltd(インディゴ)に4機、スペインのVueling Airlines S.A.(ブエリング)に1機をそれぞれリースしている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《HN》

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