| 携帯版 |
|
|
|
フィスコ投資ニュース配信日時: 2026/07/30 11:08, 提供元: フィスコ タナベ Research Memo(8):5万社市場で総合コンサルのトップシェアへ*11:08JST タナベ Research Memo(8):5万社市場で総合コンサルのトップシェアへ■タナベコンサルティンググループ<9644>の今後の見通し 2. 中期経営計画 (1) 中期経営計画の概要 同社は2027年3月期からスタートする5ヶ年の中期経営計画(2026〜2030)「TCG Future Vision 2030」を発表した。今後の日本経済をけん引する中堅企業を中心とする大企業から中規模企業約5万社をターゲットに、トップマネジメント(経営者層)とともに社会課題・経済課題を解決し、世界のFirst Call Companyの創造に取り組む。中堅企業層は、1・3・5の各成長過程において、複雑な経営課題を抱えており、「1・3・5の成長戦略※」メソッドを持つ同社が顧客企業の成長を伴走支援することで、顧客とともに収益成長を実現していく。将来的には約5万社のトップマネジメント市場においてトップシェアを目指す。 ※ 企業は成長過程において、売上高100億円、300億円、500億円、1,000億円を乗り越えるための壁(経営課題)があると言われており、この壁を乗り越えるブレイクスルーとなる戦略的アプローチを指す。 経営数値目標として、2031年3月期に連結売上高250億円、営業利益30億円、ROE15.0%、時価総額500億円を目指す。年平均成長率は売上高で9.0%、営業利益で10.6%となる。引き続きM&A戦略で経営コンサルティング領域の多角化に取り組み、多様なコンサルティングニーズを取り込んでいく。オーガニックグロースで売上高225億円を達成し、M&A効果で売上高20〜30億円を上乗せする計画だ。2029年3月期に成長率が加速する計画となっているが、M&A戦略によるシナジー効果、さらには創業70周年を迎える2028年3月期にブランディング投資を強化することで新規顧客の獲得等、相応の効果が出るものと見込んでいる。経営コンサルティング領域別の年平均成長率は、「ストラテジー&ドメイン」で8.3%、「ファイナンス・M&A」で8.1%、「HR」で7.7%、「デジタル・DX」で7.5%、「ブランド&PR」で3.6%を見込む。 (2) 事業戦略 基本戦略として、独自のトップマネジメント(経営者層)市場に対して、新しい経営コンサルティング領域を3領域以上(売上高10億円以上の領域を3領域)、開発・提供していく。新領域としては、既存領域から分化・独立する領域のほか、「グローバル展開」「AI」等が候補として挙げられ、これら領域を強化するため4社以上のM&A・グループ化を実施する考えだ。 また、コンサルティングメソッドとDX/AX(システム)を組み合わせたConsulting & BPaaS※モデルをセミハンズオンで実装する付加価値の高いコンサルティングサービスを提供することで、LTVの向上につなげていく。企業側では戦略を遂行できる専門人材の不足という課題を抱えており、同社にてプロフェッショナル人材も含めた現場実装を行うことで、効率的かつスピーディにコンサルティングの成果が得られるといったメリットがある。具体例として、経営企画業務実装支援や、ERP導入・実装支援、企業内大学(アカデミー)実装支援、M&A/PMI実行支援、広報PR機能の立ち上げ支援等が挙げられる。 ※ Business Process as a Serviceの略で、クラウドツールを活用してビジネスプロセスを外部委託するサービス。 営業戦略については、重点ターゲット約5万社をカバーする独自のクロスマーケティングモデルに、生成AI技術も最大限に活用し、今まで以上に効率的なLTV(契約単価×契約継続率)の向上を目指す。 (3) 組織戦略 組織戦略として、組織成長のベースとなるチーム組成(部門の拡大)を推進し、そのリーダー人材の目標も設定し、育成・登用していく。「1人当たり売上高目標×1チーム5名」の設計でチーム数を拡大し、中期経営計画最終年度の売上高250億円の達成を目指す。チーム数は、部門組織として現在の70〜100チーム体制から200チーム体制、本部・事業所レベルの組織として50チーム体制に拡大し、これらを率いるパートナー人材を現在の100人強から150人体制へ、執行役員以上の経営層は現在の30人弱から50人体制まで増員する考えだ。 連結従業員数は前期末の843名から2031年3月期は1,250名(年率8.2%増)まで拡大する計画で、年間の採用者数は新卒・中途あわせて120名程度と従来の100名前後のペースから加速する。採用力の強化に向けて採用専用サイトを全面リニューアルするほか、YouTube等のSNSも積極的に活用する。 また、世界中からプロフェッショナル人材が集まる会社を目指して、ウェルビーイング投資を強化し、男女比率50:50に代表される独自の人的資本KPIを推進する。人員の定着率は2026年3月期で89.5%とコンサルティング業界のなかでは高い水準となっており、今後も90%以上の水準を目指す。 (4) 資本コストや株価を意識した経営の実現に向けた取り組み 同社は時価総額の目標として500億円を掲げており、株価で換算すると現在の水準(6月11日終値720円)から約2倍、PBRで4.0倍以上の水準に引き上げる必要がある。同社はROEを15.0%以上に引き上げるとともに、PERで25.0倍以上の評価が得られるよう取り組みを強化する方針である。 ROE15.0%以上の達成に向けては、売上高当期純利益率で7.2%以上(2026年3月期実績6.8%)、総資産回転率1.20回以上(同1.10回)、財務レバレッジで1.5倍以下(同1.39倍)を目指す。売上高当期純利益率や総資産回転率については中期経営計画の事業戦略を推進することで実現し、財務レバレッジについては機動的な自己株式取得を含めた株主還元の充実による資本最適化に取り組むことで実現していく考えだ。 一方、PER25.0倍以上の評価を得られるようにするためには、流動性の向上と期待成長率を高めていくことが必要と考えており、資本政策だけでなく成長戦略の明示や開示資料の充実、投資家とのミーティング等を通じて情報開示を積極的に行うことで、今後の成長性に対する理解度を深めてもらうことにしている。前中期経営計画では、経営数値目標を着実に達成することで時価総額目標(250億円)も達成しており、時価総額500億円目標についても、経営数値目標を達成することでクリアする可能性は十分にあると弊社では見ている。 キャッシュ・アロケーションについては、5年間累計の営業キャッシュ・フローで約100億円を見込んでおり、これをM&A投資に約30億円、株主還元に約70億円それぞれ配分する方針である。現金及び預金については、前期末の約75億円の水準を維持する。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》 記事一覧 |