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フィスコ投資ニュース配信日時: 2026/04/14 11:04, 提供元: フィスコ 美樹工業 Research Memo(4):社会インフラを支える総合建設事業を展開*11:04JST 美樹工業 Research Memo(4):社会インフラを支える総合建設事業を展開■事業概要 2. 建設事業 建設事業の特徴は、美樹工業<1718>の原点である総合建設業として、創業以来培った発注者との信頼関係を背景に安定的な受注を継続している点にある。成長戦略としては、M&Aの活用も視野に入れた地盤強化と商圏拡大を推進しているほか、投資家や事業会社からの需要が高い一棟収益マンション事業を展開している。当該事業では、投資適格性の高い1棟数億円から十数億円規模の物件を扱っている。一般的な直接販売に加え、同社ではデベロッパーと協働して複数棟をファンドへ一括売却する手法も採っている。 (1) 建築工事 建築工事においては、市庁舎等の公共施設から商業・医療施設、マンション、給食センター、倉庫に至るまで、官民を問わず多種多様な建造物の施工を手掛けている。新築や改修のみならず、建物単体の工事から総合的な施設開発まで幅広く対応しており、他部門との連携により基礎工事や各種設備の設置も可能である。 建築事業部では「現場第一主義」を掲げ、効率的な工期管理と徹底した安全配慮により、プロ意識の高い現場運営を目指している。現場の総合責任者である「現場代理人」には、一級建築士または一級建築施工管理技士の資格を有し、多様な現場経験に基づく社内基準を満たした者を任命している。また、すべての施工者が高い責任感を持つことで「現場第一主義」を高度に実現するとともに、現場従業員の育成に注力することで施工品質全体の底上げを図っている。 また、建物を竣工させた後のアフターフォローも重視しており、建物のライフサイクルに応じた修繕計画に基づき、自社で点検・保守・整備を行うなど継続的なサポート体制を構築している。さらに、用途変更を伴う大規模リニューアルの企画立案も支援可能である。建築工事には広範な専門性と安全性が求められるが、同社は全29種類の建設業許可のうち、25種類で国土交通大臣許可を取得している。この実績が、「あらゆる工事を任せられる企業」という市場からの信頼につながっている。 (2) 土木工事 土木工事においては、国や地方自治体の発注による河川、公園、下水道、道路建設・舗装、宅地造成といった社会インフラの整備やリニューアルを手掛けている。また、台風や地震など近年甚大化する自然災害による被害を最小限に抑え、暮らしの安心・安全を下支えするため、強度の高いインフラの整備や老朽化したインフラの再整備に対応した防災工事や減災工事も行っている。こうした状況のなか、同社はDXやAIなど新たな技術を複合的に活用し、作業の効率化や安全性の向上、社員が作業に集中できるスマートな現場づくりを目指している。また、安心・安全な国土づくりのため、良質な社会資本の整備・形成に向けた人材の育成や技術の向上に取り組んでいる。 兵庫県内においても、高度経済成長期に整備され老朽化が進行しているインフラが数多く存在する。これらの整備・リニューアル工事を着実に遂行した結果、同社は国土交通省近畿地方整備局より「工事成績優秀企業」の認定を受けている。これは、完成した土木工事の成績評定が平均80点以上の企業に与えられるものである。また、他社の模範となる優れた施工に対して贈られる「優良工事」の表彰も受けており、国土保全に関わる重要工事において、同社の施工品質は高く評価されている。 さらに、ドローンを用いた測量やBIM/CIM、ICT建機の導入など、デジタル技術や最先端デバイスを積極的に取り入れ、作業プロセスの効率化と業務の自動化を推進している。これらは施工者の負担軽減や生産性向上に寄与するだけでなく、土木工事におけるビジネスモデルそのものの変革を目指す取り組みである。 (3) ガス事業 ガス事業においては、大阪ガスネットワーク(株)の外管工事会社として、都市ガス導管の新規敷設や、経年劣化・移転に伴う更新工事(外管工事)、敷地内での内管工事、ガス管の保全及び緊急保安業務を担っている。あわせて、ガス導管敷設に伴う道路保全として、道路舗装工事やエポ工法※を用いたマンホール鉄蓋の修繕工事も手掛けている。 ※ エポ(EPO)工法:ダイヤモンドカット円形切断技術による修繕工法。道路上のマンホール周囲を丸く切断して撤去し、立ち上がり強度の高いESコンクリート(エポキシ系樹脂コンクリート)を用いて復旧する。 自然災害や設備の老朽化に起因する供給停止などの緊急事態に対しても、大阪ガスの指定工事会社として365日24時間体制の対応を維持し、ライフラインの安全確保に寄与している。同社は、阪神・淡路大震災をはじめ、東日本大震災、熊本地震、大阪府北部地震などの大規模災害時に、大阪ガスからの要請を受けて協力会社とともに被災地での復旧活動に従事してきた。これらの経験を通じて蓄積された技術とノウハウ、及び長年の着実な施工実績が、発注者からの高い信頼につながっている。その結果、大阪ガス指定工事会社における工事獲得シェアは、兵庫県エリアでトップクラスを維持している。 (4) 設備工事(給排水衛生空調工事、ガス設備工事) 設備工事においては、関西圏を中心に広範な業務を展開している。具体的には、敷地・建物内のガス配管やガス温水冷暖房システム等のガス設備工事、ビル空調設備工事、ガス・住宅設備機器の販売及び施工を手掛けている。加えて、公共施設や商業施設、マンション等における給排水・冷暖房設備、スプリンクラー等の消防設備、戸建住宅の水道配管工事、これらに付随するメンテナンス業務を行っている。そのほか、ガスの保安点検や、他社による埋設管工事の際の立会業務など、インフラの維持管理にも携わっている。設備工事では工事規模は戸建てのような小型物件から、病院や工場といった大型施設等幅広く対応している。 長年の実績に基づくガス工事会社としての知名度と、専門技術者による高精度な施工を背景に、同社の設備工事に対する信頼は厚く、医療施設からの受注は増加傾向にある。設備工事は構造物の内部に埋設されるため竣工後は不可視となるが、施工の適否は建物の快適性や利便性、さらには耐久性に直結する。このため同社は、専門技術者による高品質な施工に加え、アフターサービスにも重点を置くことで、長期間にわたる工事品質の保証に努めている。 (5) 再生可能エネルギー事業 再生可能エネルギー事業では、国内に5ヶ所の太陽光発電所を保有し、東京電力ホールディングス<9501>や関西電力<9503>といった電力会社へ電力を販売するほか、同社自身のカーボンニュートラル化も進めている。また、総合建設会社としての強みに加え、自社での用地選定から地盤造成、設計・施工、保守管理、そして発電・売電事業に至るまでの垂直統合的なノウハウを生かし、全国で多数の産業用太陽光発電設備の設置工事を手掛けている。 近年では太陽光以外の再生可能エネルギーにも積極的に取り組んでおり、島根県の隠岐島における風力発電所や、関西電力と系統連携した蓄電池事業に参入している。蓄電施設の建設を担うとともに、同施設を活用し、電力需給や市場価格の変動に応じた充放電・売電を行うことで、収益機会を創出する事業モデルである。同事業は収益の多角化に寄与するだけでなく、再生可能エネルギーの出力変動対策や需給バランスの調整を通じた、電力系統の安定化への貢献も期待されている。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光) 《HN》 記事一覧 |