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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/03/24 15:23, 提供元: フィスコ

フリークアウトHD:クリエイター改革とサイネージ拡大で利益回復、北米立て直しが焦点

*15:23JST フリークアウトHD:クリエイター改革とサイネージ拡大で利益回復、北米立て直しが焦点
フリークアウト・ホールディングス<6094>は、広告テクノロジーを祖業とする持株会社であり、現在は国内外の広告プロダクト事業、UUUMを中核とするクリエイター事業、投資事業などを展開している。日本国内のアドテク企業として出発しながら、北米のメディア収益化事業やインフルエンサーマーケティングまで事業領域を広げている点が特徴だ。単なる広告代理店ではなく、自社プロダクトや広告在庫、クリエイターとの接点を持つことで、広告主・媒体社・クリエイターをつなぐ複合的な収益基盤を築いている。

現在の事業区分は、プロダクト事業、投資事業、クリエイター事業、その他事業で構成される。プロダクト事業では、国内でプレミアム媒体支援事業や主力プロダクト「Scarlet」「GP」を展開し、加えてタクシー配車アプリ「GO」に関連するサイネージ広告なども手掛ける。海外では米国子会社Playwireを通じ、メディアの広告収益化支援を行っている。クリエイター事業ではUUUMを軸に、クリエイターのマネジメント、タイアップ広告、番組制作、チャンネル運営、イベント、グッズ販売などを展開しており、広告枠の販売にとどまらない収益機会を有している。

2026年9月期第1四半期の業績は、売上高150.8億円(前年同期比9.8%増)、営業利益6.1億円(同3.8倍)となり、前年同期比で増収、大幅増益となった。増益の主因は、クリエイター事業での収益改善と、国内プロダクト事業におけるタクシーサイネージの好調だ。特にクリエイター事業では、UUUMのマーケティング部門分社化や本社機能の親会社側への集約によるコスト削減効果に加え、従来の専属クリエイター中心から、外部タレントも扱う形へ拡張したことが高粗利案件の増加につながっている。新サービス「UUUM ONE」では、これまで十分に取り込めていなかったマイクロ・ナノインフルエンサー領域やInstagram、TikTok領域の開拓を進めており、中長期的な成長余地も大きい。

一方、プロダクト事業では、動画・CTV領域で主要顧客との商流変化が逆風となっている。従来は収益機会の一つであった領域が、広告主と媒体の直接取引進展により縮小し、会社側は年間7〜8億円規模の粗利影響を見込んでいる。足元でも約1億円程度の減少が発生している。ただし、会社は既存のタクシー広告の伸長や、不動産賃貸関連の新規事業「スミカ」、さらに今後のデジタルサイネージ投資によってこの影響を埋める方針を示している。

2026年9月期通期計画は、売上高550.0億円(前期比9.3%増)、営業利益7.0億円(同7.2倍)を見込む。第1四半期時点の進捗率は高く、営業利益は上振れ余地があるとみられる。ただし、会社が現時点で通期予想を修正していない背景には、北米事業の回復タイミングを慎重に見極めたい意向がある。北米は9〜11月が商戦期で、1〜2月はやや軟調という季節性があり、第2四半期は赤字見込みとされるが、メディアクライアント獲得は順調で、第3四半期以降の改善を会社は見込んでいる。

競合との違いは、広告配信プロダクト、デジタルサイネージ、クリエイターマネジメント、北米収益化基盤を一体で持つ点にある。国内アドテク専業や広告代理型企業と比べると、事業の分散が効いている一方、UUUMを通じて「同社にしか売れない商材」を持つことが差別化要因となっている。広告市場では生成AIの普及や検索行動の変化により、検索連動型広告からSNS・インフルエンサー・動画への予算シフトが進んでいるが、同社は検索広告への依存が相対的に小さいため、この流れはむしろ追い風となりやすい。

中期経営計画では2026年9月期にEBITDA60億円を目標としていたが、足元では約30億円規模と未達見込みである。背景には、北米の成長が想定より弱かったこと、UUUMの立て直しに時間を要したこと、動画・CTV領域の主要顧客関連の収益減少が想定より早く顕在化したことがある。ただし、会社側は次期中計に向けて、北米の立て直し、インフルエンサー事業の再成長、CTV減収分を埋める新規事業の育成、さらにUUUMとの統合による年2億円規模のコスト削減を進める考えを示している。加えて、ドラッグストア店頭でのタブレット広告など、新たな広告在庫の開発にも着手しており、タクシーサイネージに続く収益の柱の育成を目指している。

株主還元については、現時点で配当は実施していない。ただし、会社は中長期的には配当も検討していく方針を示している。事業利益はM&Aなどの成長投資に回しつつ、余剰資金を配当に振り向ける考えで、過去には自己株取得も複数回実施している。次期中計で安定配当の方針が示されるかは、個人投資家にとって重要な注目点となろう。

総じて同社は、足元ではクリエイター事業の構造改革効果と国内プロダクトの好調によって、利益回復が鮮明になっている。一方で、北米の不安定さや動画・CTV領域の商流変化といった課題も残る。ただ、それらを補う新規事業やコスト改革の方向性は明確であり、今は再成長に向けた移行局面と位置付けられる。短期的には北米回復の進捗、中期的にはUUUM再成長と新たなサイネージ事業の立ち上がりが、企業価値拡大のカギを握ると考えられる。


《RS》

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