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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/03/17 12:42, 提供元: フィスコ

ADワークスグループ Research Memo(2):セグメントは収益不動産販売事業とストック型フィービジネスの両輪

*12:42JST ADワークスグループ Research Memo(2):セグメントは収益不動産販売事業とストック型フィービジネスの両輪
■事業概要

ADワークスグループ<2982>の事業セグメントは収益不動産販売事業、ストック型フィービジネスの2つのセグメントで区分されており、売上高、営業利益ともに収益不動産販売事業が大半を占めている。

収益不動産販売事業は、中古賃貸マンションやオフィス、商業ビル等を仕入れ、法的・物的コンディションを整えたうえで、リノベーションなどのバリューアップを施してから販売する事業である。仕入物件の主な対象エリアは中古マンションやオフィス等の賃貸需要が旺盛な大都市圏となる。1棟当たり10億円前後の中小規模のマンションやオフィスビルを仕入れ、バリューアップ後に事業法人や個人富裕層等に販売している。こうした物件は入居率が高く賃料収入が安定しているうえ、価格の下落リスクも比較的低いため、投資運用対象として適している。最近は、商業ビルやホテルを仕入れる機会も増え、取り扱う物件も多様化・大型化する傾向にあるほか、京阪神や福岡など西日本エリアへの展開も強化している。

多様な投資ニーズに対応するため、2018年からは不動産小口化商品「ARISTO」シリーズ、2025年からオフィス区分商品「ARISTO PLUS」シリーズの販売を開始し、顧客層の拡大に努めている。不動産小口化商品は、好立地の優良不動産(オフィスビル、商業ビル、レジデンス等)を最低出資金額500万円(1口100万円)から販売する不動産特定共同事業法に基づく不動産投資商品で、投資家は出資割合に応じて対象不動産を共同所有し、管理運営は同社が行う。一方、オフィス区分商品は賃貸ニーズの高い大都市圏の中小オフィスビルを仕入れ、1フロアごとに1〜3億円の価格で投資家に販売する商品となる。投資家は区分所有権を持つことができ、管理運営は同社が行う。一般的な不動産と同様に購入時に借り入れができるためレバレッジを利かせた不動産投資が可能なほか、不動産小口化商品のように運用期間の定めがないため、長期保有できる点が特徴となる。このため、法人が自社利用を目的に購入するケースもある。販売チャネルは不動産小口化商品で構築した500社以上の提携金融機関並びに会計事務所等のネットワークを活用できるほか、不動産販売仲介会社もチャネルの一つとなる。投資運用利回りは、不動産小口化商品とほぼ同水準の3%前後を目安に商品設計している。

海外事業では、米国ロサンゼルス市内の物件を対象に収益不動産販売事業を行ってきたが、市場環境の変化や山火事の影響などもあり、現在は営業活動を中止している。海外戦略については、現在、対象地域も含めて再検討を進めている段階で、2026年内には新たな戦略を発表するものと予想される。

一方、ストック型フィービジネスは、販売用不動産を売却までに得られる賃料収入のほか、同社が保有・売却した物件に関するPM収入(建物の維持・管理受託、賃料・管理料徴収、テナント誘致等による手数料)、既存顧客への売買サポート手数料、不動産の相続対策に関するコンサルティング収入等で構成されている。同セグメントの利益の大半は賃料収入で、収益不動産残高が積み上がれば連動して増えるため、同社にとって安定収益源となっている。

そのほか、子会社の(株)エンジェル・トーチで2021年にCVC(コーポレート・ベンチャー・キャピタル)事業を、2022年にFA(ファイナンシャル・アレンジメント)事業をそれぞれ立ち上げた。FA事業では、先進的なファイナンスサービスに取り組む複数のベンチャー企業へ出資し、これらの企業が提供するサービスと自社の資金調達ノウハウ等を融合させることで、資金調達に課題を持つスタートアップ企業や未上場企業、上場企業に対して最適な資本政策を提案する資金調達支援サービスを展開している。また、新規事業として不動産クラウドファンディング事業や系統用蓄電所事業の立ち上げ準備を進めている。

2025年12月末時点の主な連結子会社は、国内3社、米国3社である。国内では、収益不動産販売事業等を主に展開する(株)エー・ディー・ワークス、CVC事業やFA事業を行うエンジェル・トーチ、クラウドファンディングを活用した資金調達等を行う(株)ジュピター・ファンディングがあり、米国では、収益不動産管理事業や不動産開発販売事業を行う子会社及びそれらを統括する事業統括会社がある。

なお、建築改修工事を行うスミカワADDについては、シナジー効果が限定的であったことや資本収益性の観点から、2025年7月に全株式を売却した※。また、(株)エー・ディー・パートナーズで展開していたPM事業のうち、外部オーナー向けについては2026年1月に事業売却し、自社保有物件のPM業務はエー・ディー・ワークスに移管した。また、米国ロサンゼルスで収益不動産販売事業を展開していたADW-No.1 LLCについては、金利が高止まりや2025年1月に発生した山火事の影響により火災保険料が上昇したほか、防火設備の強化を保険会社から求められるようになり、管理コストも上昇するなど費用負担が増加したことから、2025年11月にすべての保有物件の売却を完了したことに伴い解散を決定した。海外事業については、現在戦略の再検討を行っている。

※ 2024年12月期の売上規模は8億円強と業績への影響は軽微であった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《MY》

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