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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/09/26 13:33, 提供元: フィスコ プロHD Research Memo(3):顧客企業のDX戦略策定から実行・改善までを一気通貫で支援*13:33JST プロHD Research Memo(3):顧客企業のDX戦略策定から実行・改善までを一気通貫で支援■プロジェクトホールディングス<9246>の事業概要 1. 事業領域 同社グループは事業再編を進め、2025年12月期中間期現在は、持株会社である同社及び連結子会社3社((株)プロジェクトカンパニー、アルトワイズ、Dr.健康経営)の体制としている。「デジタルトランスフォーメーション事業」はプロジェクトカンパニーが、「DX×テクノロジー事業」はアルトワイズが、「DX×HR事業」はDr.健康経営が推進している。同社グループでは、事業会社においてデジタルを活用した事業開発や運用改善によりビジネスを拡大することをDXと捉え、3セグメントを通じて、DXに関わる業務支援サービスを提供しており、顧客企業のDX戦略策定から体制構築、システム開発、運用改善までを一気通貫で支援している。 デジタルトランスフォーメーション事業では、新規事業開発や既存事業変革などのコンサルティングサービス、自社モニターを活用したユーザーテストによりWebサイトやアプリのUI(Webサイトのデザインやフォント等のユーザーの視覚に触れる情報)やUX(ユーザーが製品・サービスから得られる体験)を評価するUIscopeサービスを手掛けている。2022年10月から開始したDX×テクノロジー事業では、エンジニア派遣によるシステム開発やソフトウェアテストのサービスを提供している。2023年4月より参入したDX×HR事業のヘルスケアサービスでは、産業医マッチングサービスを主軸に企業の健康経営を支援している。 2025年12月期中間期のセグメント別の売上高の内訳を見ると、デジタルトランスフォーメーション事業が72.6%を占める同社の主力事業である。また、DX×テクノロジー事業が23.6%、DX×HR事業が3.8%と続いている。一方、全社費用(親会社の一般管理費)控除前のセグメント利益では、デジタルトランスフォーメーション事業が92.2%と大半を稼いでおり、DX×テクノロジー事業が7.3%、DX×HR事業が0.5%であった。DX×テクノロジー事業では、エンジニアの働きやすい環境を打ち出すことで退職者数が減少し、加えて採用活動が好調に進捗したことで利益に転じた。また、DX×HR事業は、プロジェクトHRソリューションズを売却した影響により、売上高及びセグメント利益のシェアが大幅に低下している。 2. デジタルトランスフォーメーション事業 コンサルティングサービス、マーケティングサービス、UIscopeサービスの3サービスを提供しており、主な関係会社はプロジェクトカンパニーである。 コンサルティングサービスでは、主に部課長といったミドル層に対してDXを通じた新規事業開発や既存事業変革、業務改善の支援を行っている。同社では、デジタル化の急速な進展等に伴って、ビジネス展開のスピードが求められるようになるなか、大企業を中心にミドル層のキャパシティ不足がボトルネック化していると考えている。このボトルネックを解消し、顧客の事業グロースを実現するため、ミドル層に対して実際の事業展開の実効支援を行っている。新規事業開発については、新たな収益源を創出したいという顧客に対し、同社は事業立ち上げのために検討すべき事項を洗い出し、DXの観点から事業スキームを検討・整理するなどの支援を行っている。顧客の既存事業についても、デジタルを活用した事業変革により業績計画の達成等を支援する。業務改善の観点からはRPA(定型化されたデスクワークをロボットが代行)・BI(事業上の意思決定のために情報分析して得られる知見)ツールの導入や、全社でのDX文化浸透のための組織変革による生産性向上を支援している。これらの支援に加え、同社では2025年1月にAIコンサルティング本部を新設するなど、AIの利活用推進の支援も行っている。同社の顧客企業において経営ビジョンや中期経営計画へのAI利活用推進の方針の組込などに対するニーズが高まっているものの、リソースや知見が足りておらず、進捗が芳しくないといった課題が見受けられる。このような状況下、同社の専門知見を持ったAIコンサルタントが顧客企業内でのAI利活用推進の旗振り役となり、AI利活用プロジェクトの推進を支援している。 デジタルマーケティングサービスでは戦略検討から実行まで支援し、カスタマージャーニーの整理や広告出稿媒体ごとの戦略、KPI設計、訴求内容の仮説検証等を担っている。 UIscopeサービスでは、UI/UX※のためにUIscopeを活用し、サービス体験の改善・設計を支援する。UIscopeはスマートフォンアプリ・サイトに特化したもので、テストユーザーであるUIscopeモニターの操作を録画し、その行動を解析することでUI/UXを改善するサービスである。これまでの案件実績を蓄積した改善ノウハウをもとに、定性的なユーザビリティ評価が可能なサービスとして独自性を有している。またスポットでUI/UXを調査・報告した顧客に向け、中長期的にサービス体験の改善支援をする提案を行うことで、UIscopeから他サービスの継続的支援へのアップセルにも成功している。 ※ UIはWebサイトのデザインやフォント等のユーザーの視覚に触れる情報、UXはユーザーが製品・サービスを通して得られる体験を指す。 3. DX×テクノロジー事業 IT企業などを顧客として、プログラミングスキルを有するエンジニアが常駐し、システム開発・運用保守業務やソフトウェアテスト業務を支援するテクノロジーサービスを提供しており、主な関係会社はアルトワイズである。 事業会社の成長の過程では、システム開発工程において要件定義書や設計書に沿ったコーディング、システムテスト工程ではテスト項目作成・実施や抽出された不具合修正、またサービスリリース後には運用保守・機能追加開発の対応などシステムエンジニアの業務が多く発生するため、デジタルトランスフォーメーション事業で支援する新規事業開発案件の下流工程を担う形でのシナジーも顕在化している。 4. DX×HR事業 企業の人事労務部門を顧客としてヘルスケアサービスを提供しており、主な関係会社はDr.健康経営である。 ヘルスケアサービスでは、委託先の産業医紹介サービス「産業医コンシェルジュ」を主軸に顧客へ従業員の健康やメンタルヘルスを支援しており、ストレスチェック制度の義務化や働き方改革関連法の施行、テレワークの普及等を背景に事業を拡大している。2024年12月期第3四半期より、社員による保健師サービスを開始し、産業医面談に至る1歩手前を保健師がすくい上げ、顧客企業の人事労務部門の負担を軽減し、産業医派遣サービスとの連携により健康経営を包括的に支援することで、業績拡大につなげる計画だ。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希) 《HN》 記事一覧 |