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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/09/25 14:03, 提供元: フィスコ ベイシス Research Memo(3):フローとストックの両輪で、安定性と持続成長性を確保*14:03JST ベイシス Research Memo(3):フローとストックの両輪で、安定性と持続成長性を確保■事業概要 ベイシス<4068>はモバイルエンジニアリングサービスから事業を開始し、電力・ガスといった生活インフラを支えるIoT機器の設置、保守のほか、ITインフラ構築プロジェクトマネジメントまで事業領域を拡大している。インフラテック事業において、「モバイルエンジニアリングサービス」「IoTエンジニアリングサービス」「ITエンジニアリングサービス等のその他サービス」を手掛けている。独自開発のプロジェクト管理ツール「BLAS」や画像認識AIなどのテクノロジーを活用することで、業務プロセスのDXを推進し、現場から戻ったあとの事務または確認作業時間を9割以上削減するほか、業界全体の稼働率・生産性向上を支援している。また、ネットワークやクラウド等のIT環境を整備し、IT人材の供給基盤を強化している。ストック売上をけん引するIoTエンジニアリングサービスが第2の柱として成長し、ITエンジニアリングサービス等のその他サービスも大手グループ等の顧客基盤を広げ業績が拡大している。 1. モバイルエンジニアリングサービス 主にソフトバンク<9434>や楽天モバイル(株)、KDDI<9433>といった通信キャリア事業者を主な顧客としている。5Gのエリア構築の調整や稼働している基地局の監視、携帯電話基地局やWi-Fi設備を設置するための用地交渉、物件選定、オーナー交渉などの置局業務、CAD図面作成・完成図書作成といった設計業務のほか、小型から大型な設備工事の支援を行っている。さらに、携帯基地局の無線機交換、バッテリ等付帯設備の点検、故障対応などの保守・点検、通信品質の劣化原因調査や電界強度、干渉要因の調査といった測定・解析、アラーム監視、コールテスト、ネットワーク設備の運用・監視、システム正常性確認などの監視、そのほかの作業までを含め提供している。 同社は、全国6拠点で東北から九州まで最先端の5Gインフラ構築や100名を超える大型常駐型案件など多種多様なニーズに対応している。必要に応じてシステム開発やRPAの導入により、業務効率化と自動化を促進している。主な事例として、インテグレーション対象基地局に対するパラメータの投入作業から、ネットワーク設備の運用・監視、システム正常性確認までを手掛けた案件では、12種類の手動作業をすべてツール化して作業効率を大幅に改善した。全体の作業生産性が20.87%上昇し、作業計画を2ヶ月前倒しした。また、このDXによる生産性の高い業務プロセスが、価格競争力の源泉となっている。 2. IoTエンジニアリングサービス 社会課題を解決する次世代ネットワークであるIoTの普及を支援する。電力会社やガス会社といった生活インフラ提供事業者のIoT機器の設置から運用・保守を行っている。電力会社向けでは東京電力パワーグリッド(株)管内の200万台以上のアナログメーターをスマートメーターに切り替えるプロジェクトなどにおいて実績がある。このような大規模プロジェクトでは、自社開発のクラウド型施工管理システム「BLAS」を導入し、取替対象の顧客情報や作業員の稼働状況、取替状況の進捗など、数万単位のデータをリアルタイムで一元管理を行い、対応している。 また、電力やガスのスマートメーターのほか、対応可能な業務は、防犯カメラ、マーケティングカメラ、ビーコン、水位センサー、漏水センサー、見守りセンサー、湿度センサー、温度センサー、開閉センサー、スマートロック、保育IoTマットなど多岐にわたり、AIカメラやセンサーなどへ事業領域が拡大している。これらサービスはいずれもBtoBビジネスであり、一般のエンドユーザーへ直接アプローチすることはない。このため、同社はデジタル社会を陰で支える存在と言える。 3. ITエンジニアリングサービス等のその他サービス サーバーやネットワークなどのITインフラの構築・運用に加えて、RPAを使ったソリューションも提供している。これまで人の手で行っていた業務を、AIやロボットなどのテクノロジーを活用して業務の効率化を図り、RPA導入のコンサルティングや導入支援を行う。さらに、同社の豊富なIT人材を活用したエンジニア派遣により、データセンター構築・運用に関するプロジェクトマネジメント支援といった業務に対応している。なお、同社グループのアヴァンセ・アジルからの収益も同サービスに計上されている。 (執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一) 《HN》 記事一覧 |