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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/09/25 13:06, 提供元: フィスコ アルプス技研 Research Memo(6):最先端技術による新領域への挑戦や新たな収益柱の育成で持続的な成長を目指す*13:06JST アルプス技研 Research Memo(6):最先端技術による新領域への挑戦や新たな収益柱の育成で持続的な成長を目指す■アルプス技研<4641>の中長期の成長戦略 1. 第12次5ヵ年計画(定性目標) 同社は創業以来、5年単位の定性目標及び3ヶ年の定量目標(ローリング方式による中期経営計画)を推進してきた。55周年を迎えた2023年7月には、2028年までにありたい姿として第12次5ヵ年計画(定性目標)を公表した。「技術を活用し共創社会のパートナーへ挑戦」をテーマに掲げ、以下の4つの施策に取り組む方針である。もっとも、これまで掲げてきた方向性に大きな変更はなく、さらにフェーズを上げることにより、持続的成長に向けた基盤強化を目指す。最大のポイントは、生成AIなどに代表される最先端技術の発展、環境対策や脱炭素化に向けた社会的要請の高まりなどを背景として、これまで想定していなかった新たな市場やサービスが生まれてくることを視野に入れ、これらを先取りすべく人材の教育に取り組んでいくところにある。 【第12次5ヵ年計画の4つの施策と進捗】 1) 技術系アウトソーシング事業の新領域への挑戦 最先端の技術を身に付けた技術者を育成し、既存の枠にとらわれない新たな事業・業務の領域へ挑戦する方針だ。特に教育については、航空宇宙や医療関連の研修を用意するとともに、ローテーションを通じて高単価を実現していく。 2) 新たな収益の柱を創る 農業・介護事業は、テクノロジーとの融合を強化し、事業の拡大と収益力の向上を目指す。既述のとおり、DONKEYによる農業ロボットを軸とした事業拡大に注力しており、2024年9月には農業用ロボットの量産販売を開始、さらに、工業用ロボットへの展開も進めている。 3) 持続可能で豊かな社会の創生へ貢献 同社グループの持つ技術力・人間力を生かして社会的課題である地方創生につながる新規事業の創出を目指す。「アルプス技研ファームとかち」(農業関連分野)やサービス付き高齢者向け住宅の運営などの新規事業で具体的な成果が出始めた。また、2025年6月には(株)アルプスリージョナルパートナーズ(ARP)を設立し、地域の魅力を生かした地方創生事業を行う計画だ。 4) デジタル化で多様な人材が活躍する組織・風土の醸成 社内に点在している経営資源を一元管理し効率化を進めることで、多様な人材がより活躍できる体制を目指す。 2. 中期経営計画(3ヶ年の定量目標) また、2025年2月には3ヶ年の定量目標(ローリング方式)を公表した。2027年12月期の目標として売上高59,000百万円、営業利益6,000百万円、経常利益6,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益4,100百万円を目指すとともに、ROEは20%以上を確保する計画である。 3. 弊社の注目点 同社の事業展開の方向性は、国内人口の減少や経済のグローバル化が進展するなかで、今後の産業構造の変化や社会的課題を見据えた合理的な戦略であると、弊社では評価している。新規事業の進捗を含め、需要が拡大している新たな技術分野への対応や社会的課題の解決に向けた取り組みを、いかに持続的な成長に結び付けていくかが今後のポイントとなるだろう。中長期の視点からは、アウトソーシングサービス事業における新領域への挑戦と、新たな収益の柱を創る取り組みに注目したい。特に新たに注力する航空宇宙関連や医療関連は高単価が見込めるため、収益性へのプラスの影響が期待できる。また、デジタル・スパイスやDONKEYを中心とするものづくり事業についても、業績のアップサイド要因となる可能性があり、今後の具体的な動きに期待したい。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫) 《HN》 記事一覧 |