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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/09/12 13:01, 提供元: フィスコ 室町ケミカル Research Memo(1):「中期経営計画2028」を発表、PFAS関連が成長ドライバーに*13:01JST 室町ケミカル Research Memo(1):「中期経営計画2028」を発表、PFAS関連が成長ドライバーに■要約 室町ケミカル<4885>は、福岡県に本社を置き医薬品事業、化学品事業、健康食品事業の3つの事業を展開する。商社機能とメーカー機能を併せ持ち、豊富な化学技術をベースに顧客要望に応じて最適なソリューションを提供しながら事業を拡大している。 1. 2025年5月期の業績概要 2025年5月期の売上高は前期比4.5%増の6,653百万円、営業利益で同2.5%増の432百万円となった。売上高は医薬品事業の減収を健康食品事業と化学品事業の増収でカバーし、過去最高を連続更新した。利益面では事業撤退を決定した健康食品事業が在庫評価減等(約80百万円)の計上で減益となったが、医薬品事業や化学品事業でカバーし、2期連続の増益となった。在庫評価減等の計上がなければ営業利益は期初会社計画を1割程度超過していたことになる。 2. 「中期経営計画2028」の概要 同社は、2026年5月期を初年度とする「中期経営計画2028」を発表した。今後3年間は事業の再構築とさらなる成長に向けた基礎固めの期間と位置付け、医薬品事業と化学品事業に経営リソースを集中し、成長基盤を構築していく考えだ。2028年5月期の業績目標として売上高72億円、営業利益率5%(3.6億円)以上を掲げた。積極投資による減価償却負担増で営業利益の水準は2025年5月期を下回るが、EBITDA(償却前営業利益)では6.5億円と過去最高を更新する。長期ビジョンで掲げた売上目標100億円の達成時期も2031年5月期と従前より1年前倒しした。特に、2026年4月より水道事業者等に対して法規制化されるPFAS(有機フッ素化合物)除去対策として、イオン交換樹脂の需要拡大が2027年5月期以降本格化する見込みで、中長期的な成長ドライバーとして注目される。イオン交換樹脂については海外市場(主に鉱業案件)の開拓にも着手しているが、中期業績計画のなかには織り込んでいないため、受注に成功すれば上乗せ要因となる。 3. 2026年5月期の業績見通し 2026年5月期の業績は売上高で前期比2.3%減の6,500百万円、営業利益で同53.7%減の200百万円と減収減益を見込む。売上高は医薬品事業と化学品事業の増収が続くものの、健康食品事業の撤退が減収要因となる。利益面では健康食品事業の人員(前期末25人)を2事業に再配置することや償却負担増もあって減益となるが、成長基盤構築のための投資期間と同社では位置付けている。 4. 株主還元方針 株主還元については、2026年5月期より原則として累進配当(前期の配当実績を下回らない)を実施し、中間配当も開始する。2025年5月期の1株当たり配当金は前期比3.0円増配の25.0円(配当性向41.4%)を実施した。2026年5月期の1株当たり配当金は同方針に基づき、前期と同額の25.0円(中間配当金10.0円)を予定している。 ■Key Points ・2025年5月期は売上高、経常利益で過去最高を更新 ・事業再構築と成長基盤固めに取り組む「中期経営計画2028」を発表 ・化学品事業は2027年5月期以降、PFAS関連で大きく飛躍 ・成長投資と財務健全性のバランスを取りつつPBR1.5倍超を目指す (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》 記事一覧 |