携帯版 |
![]() |
![]() |
|
フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/09/09 14:07, 提供元: フィスコ サンフロ不動産 Research Memo(7):契約済み未決済物件の売却を含めた進捗は40%超(1)*14:07JST サンフロ不動産 Research Memo(7):契約済み未決済物件の売却を含めた進捗は40%超(1)■今後の見通し 1. 2026年3月期の業績見通し サンフロンティア不動産<8934>の2026年3月期の業績予想は、売上高117,000百万円(前期比13.4%増)、営業利益23,840百万円(同12.0%増)、経常利益22,500百万円(同10.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益15,500百万円(同9.4%増)としている。2026年3月期は、長期ビジョン2035の道筋を示す中期経営計画2028の初年度にあたり、極めて戦略的な重要性を持つ年度と位置付けられる。同社グループはこの年においても、事業及び人財への積極的な投資姿勢を維持し、多角化と生産性の向上を両立させることで、持続的な成長の軌道を確かなものとする方針である。 同社グループの業績予想(営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益)に対する達成率は、2025年3月期まで14期連続で100%を上回っており、コロナ禍といった事業環境の変化にも柔軟に対応している。2026年3月期の業績予想も、中期経営計画2028における最終年度の数値目標達成を見据えた目標値としており、市場へのコミット達成意識がうかがえる。各事業の堅実な成長に加え、ストックビジネスの業績が拡大傾向にあり、通期計画の達成はもちろんのこと、中長期的な持続的成長も期待できると弊社では見ている。 2026年3月期第1四半期の通期計画に対する進捗は計画どおりである。フロー型事業に属する、リプランニング事業・ホテル開発事業・海外開発事業における販売用不動産売却では、契約済みの物件売却を含めると通期計画に対する進捗率は40%超と着実な推進を見せている。また、ストック型事業に属する、不動産サービス・ホテル運営事業等、販売用不動産売却以外の全事業の合計では、増収増益基調を継続しており、第1四半期においても過去最高を更新している。中間期以降の物件販売計画も順調に進捗していることから、通期計画の達成に向けた事業の加速が大きく期待できると弊社では見ている。 2. 重点施策 2026年3月期の重点施策は以下のとおりである。 (1) 不動産再生事業 不動産再生事業では、売上総利益率30%超の高い収益性を継続する見通しであり、既存のリプランニング事業に加えて、新築ビル開発事業、ニューヨークでのアパートメント・リプランニングや不動産小口所有商品の売却を予定している。リプランニング事業では、都心の中小型ビルの付加価値創造への挑戦を継続し、不動産再生の技術を究め、街づくりで人々の笑顔をつくる事業として、業績をけん引していく。東京都心5区及び隣接区でのリプランニング累計実績は516棟に達している。加えて、培ってきたノウハウを活かし、大阪エリアでもオフィスビルを中心にリプランニング事業を開始している。大阪圏のGDPは87兆円を超え、世界20位前後の国・地域に相当する経済規模であり、その中核の大阪市で不動産活用を通じて地域の活性化に貢献していく。また、増加しているスタートアップ企業向けのオフィスを整備することで、事業成長のサポートに寄与していく。その他、大阪圏ではリノベーション物件が少なく、増築の履歴や法令適合面に課題がある。そのため、法令適合性を満たすリノベーションによって、賃料の適正化、流動性の向上を企図している。 新築ビル開発事業では、都心5区を中心としたエリアで、地域に根ざした中小型ビルのプロジェクトを多数展開している。資産回転率の高いリプランニング物件や不動産小口所有商品に加え、低層店舗ビルやオフィスビル等の新築物件を組み合わせることで、長期的、安定的な販売計画を描く方針である。また、不動産小口所有商品では、大阪エリアにおける開発が進んでおり、関西初進出となる「西宮医療モール」の販売を2025年5月に開始しており好調な滑り出しとなっているほか、「箕面医療モール」の販売を2025年の秋頃に予定している。西宮は活気がありながらも落ち着いた街並みが広がっており、安定した居住層が多いエリアであり、箕面は阪急沿線のきれいな街並みが特徴的で、地下鉄の延伸によって利便性も向上している。医療機関に対するニーズは変動が少ないため、このような地域の医療モールにおいて商品化を進めることで、安定した収益を生み出す物件として期待される。 また、前期に引き続き良物件の仕入れ・開発を計画的に行い、高収益・高稼働の物件を提供する。2026年3月期は前期を上回る売却益を計画しており、期末棚卸資産についても投資を積極的に進め増加を計画している。社内外のネットワークを活用しながら、スピード感ある仕入活動に引き続き注力する。期末棚卸資産残高は1,570億円〜1,590億円を予想しており、想定売上高は2,090億円〜2,270億円、売上総利益率は25%〜30%を見込んでいる。これにより、期末棚卸資産の含み益は520億円〜680億円程度になることが読み取れる。平均事業期間は2026年3月期第1四半期末で771日(前年比12日減)であり、回転率を維持しながら投資の回収と成長を図る。リプランニング事業の2026年3月期第1四半期末における棚卸資産の構成は、短期物件が56.5%、中長期物件が18.8%、新築物件が15.2%、小口物件が5.5%、ニューヨーク物件が2.9%、レジデンス物件が1.1%であった。同社グループは短期物件の平均事業期間の理想を1年半程度としている。回転率とバランスを意識した適正な棚卸資産構成により事業運営をしていることから、持続的な利益成長が期待できると弊社では見ている。 レジデンシャル開発事業においては、都市近郊における高付加価値型の一棟賃貸マンション開発が本格化しており、「笑顔で暮らせる住まい」の提供を通じて都市の魅力向上と活性化を図っている。また、多様なライフスタイルに対応する住宅開発により、新たな住まいの価値を創出しようとしている。オフィス再生で培ったノウハウを住宅に転用することにより、資産価値と収益性の両立が実現されつつある。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司) 《HN》 記事一覧 |