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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/08/07 12:01, 提供元: フィスコ ドーン Research Memo(1):2025年5月期は10期連続の増収増益。グループシナジーを目指す第2次中計開始*12:01JST ドーン Research Memo(1):2025年5月期は10期連続の増収増益。グループシナジーを目指す第2次中計開始■要約 ドーン<2303>は、地理情報システム(GIS)を活用したシステムの開発・販売を行う企業である。中央省庁や地方自治体、電力会社などでの採用実績が多く、信頼性が要求されるシステムに定評がある。GISエンジンソフトのライセンス販売や受託開発を長年にわたり事業の柱としてきたが、近年は防災や防犯関連のクラウドサービスで業績を伸ばしている。主力の「NET119緊急通報システム」が全国の消防団体で採用され、人口カバー率は73.8%(2025年5月末時点)とデファクトスタンダードとなっているが、次の主力商品として、消防向けの映像通報システム「Live119」が拡大期に入っている。また、映像通報技術を応用した映像通話システム「Live-X」、災害情報共有サービス「DMaCS」、自治体向けの「防災アプリ」も好調に推移している。2024年7月には、エッジAI技術を所有する(株)tiwakiと資本業務提携を行った。 1. 2025年5月期の業績概要 2025年5月期の業績は、売上高が1,646百万円(前期比9.7%増)、営業利益が574百万円(同7.7%増)、経常利益が584百万円(同6.8%増)、当期純利益が418百万円(同7.9%増)と、10期連続の増収増益となった。売上高に関しては、ストック型収入であるクラウド利用料において順調に契約数が積み上がり、クラウドサービスの初期構築やオンプレミス環境でのシステム受託開発も順調に推移した。主力の「NET119緊急通報システム」が消防管轄人口カバー率7割を超えて推移したのに加え、第2の柱である映像通報システム「Live119」は人口カバー率約5割まで導入が進んだ。また、民間向けに利用が拡大している映像通話システム「Live-X」等、各種クラウドサービスが順調に推移した。営業利益は、増収などによる売上総利益の増加に対し、販管費が相対的に抑制されたことで堅調に増加した。結果として、営業利益率は34.9%と高い水準を維持した。 2. 2026年5月期の業績見通し 2026年5月期の業績は、売上高が1,700百万円(前期比3.3%増)、営業利益が610百万円(同6.3%増)、経常利益が617百万円(同5.7%増)、当期純利益が435百万円(同4.1%増)と、11期連続の増収増益を見込んでいる。2026年5月期は第2次中期経営計画の初年度であり、継続テーマである「Gov-tech市場の深耕」において既存事業の安定的な拡大を図りつつ、新たな成長軌道への第1歩を踏み出す。強固な基盤を持つ「NET119緊急通報システム」を維持しつつ、主力の映像通報システム「Live119」を拡大させる。営業利益に関しては、人的資本の強化に伴う採用活動費・人件費等の増加を織り込みやや低めの伸びを予想しているが、同社はクラウド利用料を中心としたストック型の事業モデルを構築していることから、弊社では業績予想の下振れリスクは低いと考えている。中長期的な観点では、エッジAI技術・特許技術と既存クラウド技術・サービスの融合によるサービスの進化が期待できる。また、強固な財務基盤を維持しているため、さらなるM&Aによる技術領域の拡大の可能性がある。 3. 中期経営計画 同社は、2028年5月期を最終年度とする3ヶ年(2026年5月期〜2028年5月期)の第2次中期経営計画をスタートさせた。この期間は、グループ間のシナジーを発揮し新規ソリューションを創造する“拡大ステージ”と位置付けている。数値計画に関しては、最終年度に売上高で1,880百万円(2025年5月期実績から234百万円増)、営業利益で670百万円(同96百万円増)、当期純利益で477百万円(同59百万円増)を目標としている。この目標数値は同社のみのオーガニックな成長だけの数値であり、現実的には第2次中期経営計画期間内に子会社化を見込むtiwakiの業績(最終年度の売上で270百万円を想定)が加算され、売上高2,150百万円を目指す。 4. 株主還元策 同社は、株主に対する利益還元を経営の重要課題として位置付けており、将来の事業展開と経営体質の強化のために必要な内部留保を確保しつつ、累進配当を基本方針としている。この方針の下、2016年5月期以降は、好調な業績を背景に連続増配を続けてきた。2025年5月期の配当金は前期比4.0円増の24.0円、配当性向17.6%となり、10期連続の増配を実施した。また、2025年5月期には、自己株式取得(99百万円、45,100株)を行い、還元性向は手厚い。2026年5月期の配当金は前期比2.0円増の26.0円、配当性向18.1%を予定している。業績の拡大による安定的な増益とともに、将来的には配当性向の上昇余地もあるため、増配ペースが上がることが期待できると弊社では考えている。 ■Key Points ・地理情報を活用する独自技術を強みに、安心・安全分野の公共クラウドサービスで安定成長 ・2025年5月期は10期連続の増収増益。「NET119」「Live119」などのクラウドサービスが堅調で、2026年5月期は11期連続の増収増益を見込む ・グループ間のシナジーの発揮を目指す「第2次中期経営計画」がスタート。新規分野開拓ではAIを活用したクラウドサービスを展開 ・2025年5月期の配当金は前期比4.0円増配の年24.0円と10期連続の増配を達成。自社株買いも加え手厚い株主還元 (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫) 《HN》 記事一覧 |