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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/08/07 11:02, 提供元: フィスコ tripla Research Memo(2):Vertical SaaSのグローバルリーダーへ*11:02JST tripla Research Memo(2):Vertical SaaSのグローバルリーダーへ■tripla<5136>の会社概要 1. 会社概要 同社は「最高の旅行ソリューションを通じて、宿泊施設の持続可能な成長と、世界中の地域社会の発展を支援する。」をパーパスに掲げ、宿泊施設向けにSaaS型の業界特化型ソリューションを提供するテクノロジー企業である。旅行者と宿泊施設の間に存在する情報格差や業務負荷といった課題を、テクノロジーの力で解消することを使命とし、業界のDXをけん引している。創業当初はインバウンド旅行者向けのチャットサポート事業からスタートしたが、現場のニーズを取り込みながら宿泊予約のプロセスを支援するSaaS型プロダクトへと軸足を移し、業態を大きく進化させてきた。宿泊予約や接客のDXを支援する複数のプロダクトを開発・提供することで、宿泊施設の収益最大化と運営効率の向上に寄与している。 同社の掲げるビジョンは、「顧客体験の向上と省人化を実現するデジタルソリューションを提供し、旅行業界を革新する。」というものであり、宿泊業界に特化したテクノロジー企業としての存在価値を高めている。その中核をなすのが、予約エンジン「tripla Book」、AIチャットボット「tripla Bot」、CRM・MAツール「tripla Connect」、そして決済ソリューション「tripla Pay」である。これらのサービスは相互に連携し、1つの導入によって他のサービスとのシームレスな連携が可能となるよう設計されており、施設にとっては段階的な導入とスケーラビリティが実現されている。予約、問い合わせ、決済、顧客情報の活用までを一気通貫で支援するこの仕組みにより、宿泊施設は自社予約比率を高め、OTA※依存から脱却する動きを加速させている。さらに、同社は「顧客満足実現へのマーケットイン」「イノベーションへの挑戦」「生産性の追求」「オーナーシップ」「チームと自身の成長」「謙虚、尊敬、信頼」「結果に拘るアクション」という7つのコアバリューを掲げており、これが企業文化の基盤を形成している。2022年11月には東京証券取引所グロース市場に上場し、以降は海外展開を加速している。2023年以降、インドネシアのBOOKANDLINK PTE. LTD.(BookandLink)、台湾のSurehigh International Technology Inc.(Surehigh)、シンガポール・タイのENDURANCE TECHNOLOGY SOLUTION PTE.LTD.(Endurance)を子会社化し、さらに2024年には香港にも拠点を開設した。こうしたアジアを中心とした多拠点戦略を通じて、現地顧客のニーズに応じた柔軟なサービス提供体制を整えている。 同社は今後も、Vertical SaaSのグローバルリーダーとして、宿泊産業の成長と進化を支える存在を目指していく。 ※ Online Travel Agentの略称。実店舗を持たずインターネット上のみで旅行商品の取引を行う旅行会社のことを言う。 2. 沿革 (1) 創業と基幹サービスの事業化 同社は2015年4月15日に(株)umamiとして東京都新宿区に設立された。その後、2017年1月にAIチャットボット「tripla AIチャットボット」(現 「tripla Bot」)をリリースし、同年1月に北海道札幌市にオペレーションセンターを開設した。そして、2017年4月に社名をtripla(株)に変更するとともに、東京中央区に本社を移転した。2019年7月には、宿泊予約エンジン「triplaホテルブッキング」(現 「tripla Book」)をリリースし、公式サイト向けの宿泊予約SaaSの提供を本格化させた。 (2) マルチサービス化とグローバル展開 2020年1月には、日本国内主要チャネルマネージャー4社(手間いらず<2477>、(株)シーナッツ、(株)クリップス、鉄道情報システム(株))との連携を完了し、同時に台湾・台北市に営業所を設立、さらにプライバシーマーク認証を取得した。 2022年1月には宿泊業界特化型CRM・MAツール「tripla Connect」をリリースし、同年5月には現地決済サービス「tripla Pay」を導入した。 (3)IPOとM&Aによるグローバル組織への進化 また、2022年11月25日には東京証券取引所グロース市場に上場を果たした。 2023年11月にはインドネシアのBookandLinkを子会社化し、2024年2月にはタイのEndurance及び台湾のSurehighを相次いで子会社化した。また2024年4月には本社を東京都新宿区に移転し、同年8月にはBookandLinkの株式を追加取得して完全子会社化を完了、さらに2024年12月には香港においてtripla HongKong Limitedを設立した。 同社は創業期からAIチャットボット、予約エンジンの開発を進め、業界特化型のサービスを順次拡充してきた。また、上場後は積極的に海外展開・M&Aを推進し、アジア地域を中心としたグローバル組織へと進化している点が特徴である。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 中西 哲) 《HN》 記事一覧 |