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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/07/30 10:13, 提供元: フィスコ SPK:自動車アフター補修部品・産業車両部品を扱う専門商社、業績好調な中でPBR1倍割れかつ配当利回り3%超え*10:13JST SPK:自動車アフター補修部品・産業車両部品を扱う専門商社、業績好調な中でPBR1倍割れかつ配当利回り3%超えSPK<7466>は、自動車アフター補修部品・カスタム用品および産業車両向け部品の輸出入並びに国内販売を中核事業とする専門商社である。営業体制は国内・海外・工機・CUSPAの4本部に分かれており、2025年3月期の売上高構成比は、国内営業本部が45.0%、海外営業本部が36.9%、工機営業本部が11.3%、CUSPA営業本部が6.8%を占める。国内では自動車補修部品の販売を基軸とし、バッテリーやワイパーなど消耗部品が主力である。海外では北米・アジアを中心に拠点を拡充し、円安も追い風となって輸出事業が伸長。工機営業本部は建設産業機械・農業機械メーカー向け部品を扱い、CUSPAはカスタマイズパーツの企画販売を担う。ビジネスモデルとしては、景気に左右されにくい安定した需要が見込めるアフターマーケット領域に重点を置きながら、建産農機メーカーへのOEM部品供給や自社ブランド品の展開など、顧客ニーズに即した柔軟な供給体制を築いている。 同社の競争優位性は、国内外に広がる販売・物流ネットワークにある。得意先は国内は全国約1,000社超、海外は350社超、仕入先は500社超の多くの企業と強固な取引関係を維持し、国内、海外、工機、カスタマイズドパーツと幅広いエリア、業界に部品を供給している。なお、海外取引先は80か国以上に及んでいる。自社拠点に加え、多数の子会社と連携し、商品調達から販売までのサプライチェーンを自社内で最適化している点は他社にない強みである。特に米国、シンガポール、タイなどに展開する海外子会社は、現地市場の成長を的確に捉えた運営を行い、2024年度には米国法人が大幅な伸長を記録、海外事業の牽引役となっている。また、商品ラインナップの多様性とブランド力も重要な競争力である。分散していた自社オリジナルブランドを「GSPEK」として集約・統一しラインナップ拡大により商品の差別化に注力。新たに子会社化したブリッツ社との協業も開始している。 2025年3月期の売上高は68,720百万円(前期比8.6%増)、営業利益は3,311百万円(同5.3%増)と増収増益で着地した。国内では車齢の長期化による安定したアフター補修部品需要、整備単価上昇があり販売が堅調に推移した。バッテリー、足回り商品、ワイパー、輸入車部品販売が好調を維持している。一方、海外では旺盛な需要の取り込みや円安影響によって成長をけん引。工機事業は北米・欧州の景気減速により伸び悩んだものの、既存顧客の深耕と新商材の開拓を継続中となっている。そのほか、CUSPA営業本部は新車向けパーツ販売の減少やコスト高の影響で苦戦したが、今期から連結子会社となったブリッツ社とのシナジー効果に期待。ブリッツ品の国内拡販やSPKが持つ海外販路による拡大などのシナジー効果が期待できる。 市場環境としては、国内は自動車市場の成熟化が進む一方で、確立された車検制度が存在し、車齢の高齢化や整備・顧客ニーズの多様化により、アフター市場は今後も安定成長が期待される。日系自動車メーカーの海外市場での販売台数に加え、日本から大量の高品質な中古車輸出は継続しており、グローバルで市場保有車輛台数のさらなる増加が見込まれるため、同社が得意とするアフター補修部品販売の追い風となっている。 今後の見通しとして、中期経営計画「UPGRADE SPK!」のもと、2027年3月期までの3年間を「成長のための基盤構築期間」と位置付けている。今期2026年3月期は売上高74,000百万円(前期比7.7%増)、営業利益は3,400百万円(同2.7%増)を計画しており、実現すれば3期連続の増収増益となる。国内補修部品事業では、物流効率化や拠点再編により収益性の向上を目指す。海外事業では、現地法人の販路強化や商圏の拡大を継続。工機分野では前述のとおり新たな市場・商材の開拓を進める。CUSPAについては、ブランド戦略の強化とブリッツ社との協業により国内外で事業拡大を進める計画である。また、財務面では自己資本比率61.0%を維持しながら積極的なM&AやIT投資を継続しており、キャッシュフローも営業黒字を確保する形で健全な財務運営を続けている。長期目標としては、2030年度に売上高1,000億円・営業利益50億円を掲げている。 株主還元についても積極的な姿勢を示している。2025年3月期の年間配当は1株あたり60円と、前期比で10円の増配を実施し、27期連続の増配を達成した。さらに、2026年3月期は年間68円(中間33円、期末35円)と、再び8円の増配を予定しており、実現すれば実質28期連続の増配となる見通しである。今後も29期連続増配と業績に応じた増配を掲げており、底堅い業績推移となるなかでPBR0.8倍台と1倍割れ改善に向けても中期経営計画に沿った成長を目指している。企業価値向上と株主還元の両立を目指す姿勢がうかがえる同社の今後の動向には注目しておきたい。 《HM》 記事一覧 |