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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/06/26 11:03, 提供元: フィスコ ディーエムソリュ Research Memo(3):3事業を展開、5つのサービスを提供*11:03JST ディーエムソリュ Research Memo(3):3事業を展開、5つのサービスを提供■ディーエムソリューションズ<6549>の事業概要 1. 事業内容 同社の事業はダイレクトメール事業、インターネット事業、アパレル事業の3つのセグメントに分けられ、ダイレクトメール事業では、DMやゆうメールなどの発送代行を行うDM発送代行サービスと、宅配便の一括大量発送やEC事業者向けに宅配便などの商品発送業務の代行を行うフルフィルメントサービスを提供している。インターネット事業では、SEOのノウハウをベースに、コンサルティングやWebサイト制作、運用型広告といったデジタルマーケティングサービスと、自社の情報サイトなどから顧客に送客するバーティカルメディアサービスを手掛けている。また、アパレル事業では、子会社の(株)ビアトランスポーツが海外の有名アパレルやスポーツブランドのベーシックウェアをECサイトで販売しているが、今後は、ネット×リアルの2つのインフラを持つビジネス基盤を生かし、自社ECやEC支援などEC関連サービスを強化・拡大していく方針である。2025年3月期の売上構成比はダイレクトメール事業88.0%、インターネット事業5.5%、アパレル事業6.5%となっている。 DM発送代行とフルフィルメントを展開 2. ダイレクトメール事業 (1) DM発送代行サービス DM発送代行サービスでは、本社を含む全国6つの営業拠点と5ヶ所のメールセンターにおいて、DMやゆうメールの発送代行をしている。発送物の企画からデザイン、印刷、封入・封緘、配送業者への引き渡しまで、どのような段階からでもどのような組み合わせでも、顧客の望む最適なソリューションをワンストップで提供できる。また、自社内にクリエイティブ室やメールセンター、ロジスティクスセンターを有しているため、従来、広告代理店、デザイン会社、印刷会社、封入・封緘作業会社、配送業者など様々な会社に別々に発注しなければならなかった作業を、同社内で一括管理している。しかも、常に機械化や自動化を進めており、工程間のやりとりによるタイムロスや中間マージンの排除、さらにはスケールメリットによる発送料金の抑制など、顧客にとって非常にメリットの大きいサービスとなっている。こうしたメリットを求めて大手上場企業や有名大学をはじめ多くの顧客が利用しているため、同社の取引社数や取引案件数は毎年着実に伸びている。 ダイレクトメールは古い広告手法と思われがちだが、実在性や保存性、一覧性の点でTVCMやインターネット広告を上回る強みがあると言われている。特に成長著しいEC業界において、サイトでのコミュニケーションに紙のカタログを組み合わせる動きはすでに一般化している。また、エンドユーザーへの訴求効果に関しては、開封率の高さなどインターネット広告にない効果が顧客から評価されており、同社においてもゆうメールなどの商業DMや非商業定期発送物などの取り扱い増加につながっている。同社は、Webを通じて小ロットの顧客を獲得し既存客をリピートするための、固定費負担の小さい「セルマーケ」と「DM WEB」というサイトを展開している。「セルマーケ」は安価な価格設定で「印刷+発送代行」を提供、「DM WEB」は「セルマーケ」で応じられないサイズや仕様にも対応、顧客の要望に沿った注文が可能となっているため好評のようだ。 (2) フルフィルメントサービス EC市場が拡大を続けており、宅配便など小型貨物の流通増加が止まらない。このため同社は、DM発送代行サービスのノウハウを生かし、西東京エリアに4ヶ所のフルフィルメントセンターを展開、EC事業者向けに、ECサイトの構築、Web集客支援から商品の受発注、決済在庫管理、梱包作業、発送、カスタマーサービスなどEC物流業務のすべてをワンストップで代行するフルフィルメントサービスを提供している。こうしたフルフィルメントのブランドサイトとして、EC事業特化型物流代行サービス「ウルロジ」も運営している。「ウルロジ」の特徴は、オンラインで完結する作業、各サイズ一律の低価格設定、顧客満足につながる配送品質の3点である。また、WMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)により、顧客はオンラインで出荷指示や在庫確認ができるため、業務負荷の軽減やEC運営の機動力確保につながっている。Amazonや楽天など利用中のECモールやカートとのシステム連携も可能である。 また、DM発送代行サービスのノウハウを生かしているため、梱包材・作業・配送費込みで各サイズ全国一律低価格の設定となっており、顧客は物流費を削減することができる。このほか例えば、国内最大級の購入型クラウドファンディングのプラットフォーム「Makuake」と業務提携し、自力での配送が難しい個人や小規模チームのため、リターン※提供までの在庫〜ハンドリング〜配送といった作業を一括支援している。さらに、顧客満足の向上を目的に、立体型自動ロボットなどの導入によって作業の効率化・高速化といった機能及び生産性の向上を継続的に推進するとともに、越境ECや受注代行、カスタマーサポートなどサービスの拡充も図っている。 ※ リターン:クラウドファンディングに対して消費者が得られる商品やサービスなどの返礼。 デジタルマーケティングとバーティカルメディアを展開 3. インターネット事業 (1) デジタルマーケティングサービス デジタルマーケティングサービスは、1,000社以上のコンサルティングで培ってきた同社のSEOのノウハウをベースに、顧客サイトへの集客を促進するサービスである。SEOに関しては、年に複数回あるグーグルの検索アルゴリズムの変更に合わせて、アルゴリズムを熟知した社内のスタッフが、競合分析やアクセス解析といったデジタルデータに基づき、検索上位に入るキーワードなどを研究している。検索サイトの上位に入れば、サイトへの訪問数が増えて広告効果が高まるからである。同社は特にニッチなワードを得意としており、ノウハウも蓄積されている。デジタルマーケティングサービスでは、こうしたSEOノウハウを起点に、見つけやすく読まれやすいコンテンツや、非常に難しいといわれるデザインとSEOを両立したWebサイトの制作、Webサイトに最適な広告の運用を顧客に提案している。 (2) バーティカルメディアサービス バーティカルメディアサービスは、デジタルマーケティングサービスのノウハウから派生したサービスで、エンドユーザーが知りたいと思うような商品・サービスを、ランキング形式などで紹介する、自社及び提携による情報サイト(メディア)を運営している。同社のバーティカルメディアサービスは、SEOや広告により集客を増やし、顧客サイトに送客することで広告収入や商品販売時のインセンティブを得るアフィリエイトビジネスである。最適なウォーターサーバーを選択できる「ウォーターサーバー比較」や医療脱毛や結婚相談所、AGAクリニックなどランキングのポータルサイト「Collect.」など自社メディアが人気となる一方、近年、提携メディアは収益化に苦戦していてるようだ。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光) 《HN》 記事一覧 |