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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/06/23 10:31, 提供元: フィスコ EG Research Memo(1):2025年9月期中間期は増収増益。企業との連携及びAI活用により成長基盤を強化*10:31JST EG Research Memo(1):2025年9月期中間期は増収増益。企業との連携及びAI活用により成長基盤を強化■要約 イー・ガーディアン<6050>は、eコマース(EC)やSNS、ソーシャルゲーム運営者向けに、監視や顧客サポート、サイバーセキュリティ、デバッグ、運用をワンストップで提供する総合ネットセキュリティ企業である。M&Aを通じて人材派遣、デバッグ、ネットセキュリティコンサルティング、クラウド型サイバーセキュリティなどの事業を獲得し、“総合ネットセキュリティ企業”としての基盤を確立した。直近では2019年と2020年に2社を子会社化し、サイバーセキュリティ分野の強化を進めている。2023年8月にはチェンジホールディングス<3962>(以下、チェンジHD)と資本業務提携し、エンタープライズ(大企業・自治体)向けのデジタルBPO領域へ進出した。 1. 2025年9月期中間期の業績概要 2025年9月期第2四半期(以下、中間期)の連結業績は、売上高が前年同期比2.6%増の5,868百万円、営業利益が同5.8%増の929百万円と、増収増益となった。売上高は、ソーシャルサポート事業では、EC・フリマサイト向けのカスタマーサポートや監視業務などが好調だったのに加え、Fintech関連サービスのカスタマーサポート及び本人確認業務が拡大した。また、営業体制面では、既存顧客との関係構築強化に取り組んだ結果、既存顧客の売上高が増加した。利益面では、各センターの稼働率の向上や受入派遣社員の正社員雇用推進などによる採算性管理の強化、生成AIを実装した各種システムの活用等を通じて売上総利益率が改善したこと(前年同期から1.7ポイント上昇)に増収効果も加わり、株主優待費用などの費用増を吸収して増益を達成した。 2. 2025年9月期の業績予想概要 2025年9月期の連結業績は、売上高が前期比8.5%増の12,365百万円、営業利益が同6.7%増の1,819百万円と、増収増益予想としており、期初予想を据え置いている。既存BPO領域では、EC・フリマ、Fintech関連、ゲームサポートにおけるSNS運用、風評調査などに成長の余地があり、営業体制を強化して新規案件の獲得を目指す。また、官公庁案件(入札案件)や家庭用ゲーム向けカスタマーサポートの横展開も進め、サイバーセキュリティ事業においては、脆弱性診断、WAF※、コンサルティングサービスを中心にサイバー攻撃の増加による需要に対応する。上期に想定を下回った反省から、コスト効率に優れたツール診断サービスの開発や、セキュリティ研修・e-learningの提供体制を整備し、顧客基盤の拡大を目指す。 ※ WAF:Web Application Firewallの略。Webアプリ向けの攻撃からWebサイトを保護するシステム。 3. トピックス 同社は企業間連携を戦略的かつ積極的に進め、BPO領域でのAI活用と持続的な成長基盤を強化している。2025年9月期上期は主に以下の取り組みを進めた。 チェンジHD傘下の(株)ガバナンステクノロジーズと連携し、メールテンプレート管理ツール「hinagata(ヒナガタ)」の改修を実施した。生成AIを活用した「AI検索機能」「自動タグ付与機能」を追加し、カスタマーサポート業務への導入を行った。 また、三井住友フィナンシャルグループ<8316>、三井住友海上火災保険(株)、サイリーグホールディングス(株)の3社と共同で、2025年2月にSMBCサイバーフロント(株)を設立し、本格的な営業活動を開始した。日本国内の中堅・中小企業を主対象に、サイバーセキュリティ対策に関するコンサルティングやソリューション提供、教育研修、サプライチェーン対策支援を展開している。同社グループのサービスをSMBCサイバーフロントへ提供し、サイバーセキュリティ被害・課題の解決に貢献していく。 ■Key Points ・2025年9月期中間期は増収増益で業績底打ちを確認 ・2025年9月期は増収増益予想を据え置き。進捗率はおおむね順調で予想上振れも ・BPO領域でのAI高度活用が進展。サイバーセキュリティ領域ではSMBCグループと合弁会社を設立 (執筆:フィスコ客員アナリスト 角田秀夫) 《HN》 記事一覧 |