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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/06/12 11:15, 提供元: フィスコ クリアル Research Memo(5):2025年3月期は大幅増収増益。「CREAL PRO」が第2の柱に成長(1)*11:15JST クリアル Research Memo(5):2025年3月期は大幅増収増益。「CREAL PRO」が第2の柱に成長(1)■クリアル<2998>の業績動向 1. 2025年3月期の業績動向 2025年3月期の連結業績は、売上高41,823百万円(前期比98.7%増)、売上総利益5,666百万円(同59.1%増)、営業利益1,968百万円(同100.8%増)、経常利益1,830百万円(同94.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益1,351百万円(同108.7%増)と、売上高・各利益ともに大幅な増収増益を達成し、最終利益は前期の2倍を上回った。第3四半期決算と同時に発表した通期業績の修正予想(売上高:38,530百万円、売上総利益:5,170百万円、営業利益:1,630百万円、経常利益:1,500百万円、親会社株主に帰属する当期純利益:1,105百万円)に対して、売上高は8.5%増、売上総利益は9.6%増、営業利益は20.8%増、経常利益は22.0%増、親会社株主に帰属する当期純利益は22.3%増といずれも上回った。なお、業績予想修正は、CREALファンド物件の販売施策見直しを理由に期初予想の売上高を下方修正し、各段階利益については事業規模拡大や経営効率化により期初予想を大幅に上回る可能性が高まり上方修正したものである。売上面は、主力の「CREAL」でレジデンスを中心に売却件数を伸ばしたこと、「CREAL PRO」はホテルを中心に多数の売却収益やファンドアレンジメントフィーを獲得したこと、「CREAL PB」は区分レジデンスの販売で着実に販売戸数を伸ばしたことで大きく成長した。また、「その他」はホテル運営事業に関する収益が加わり増収となった。売上総利益については、「CREAL」での物件売却における計画を上回るテイクレートの確保、「CREAL PRO」の売却収益等の増加、「CREAL PB」の増収が寄与した。「その他」では管理戸数の伸長とホテル収益計上により堅調だった。経費面では、事業拡大に伴う営業人員強化で売上原価が上昇したものの、会員獲得施策の効率化や広告宣伝費抑制により販管費が削減できたため、営業利益以下の各段階利益は増益となり、期初及び修正業績予想を上回った。 2. サービス別業績動向 「CREAL」は、売上高21,386百万円(前期比94.9%増)、売上総利益2,219百万円(同54.4%増)と大幅な増収増益となった。修正予想値との比較では、売上高(18,700百万円)は14.4%増、売上総利益(1,980百万円)は12.1%増である。2025年3月期は合計22件(前期比8件増)の物件売却を行ったが、前半は「CREAL PRO」に営業の軸足を置いたために高いテイクレートを確保できなかったものの、第2四半期での物件販売の伸びは大きく、さらに販売施策では収益性をより重視したことで利益面の成長に寄与することができた。これまでは売却物件のうち一棟レジデンスが最多の18件であったが、運用ファンドの積み増しとともにアセットの多様化を進めた。アセット構成中のレジデンスの割合(ファンド調達額ベース)は2024年3月期の44.0%から20.0%に下落し、代わってホテルが同7.1%から20.5%、ヘルスケア不動産(高齢者向け介護施設等)が4.2%から13.8%に伸びた。ファンド調達額の平均規模も拡大し、同7.2億円(1ファンド当たり)から11.7億円に拡大した。1物件あたりの売却利益の絶対額が大幅に上昇したことに加え、資産査定等の諸手続きに関するオペレーションコストを抑制し、労働生産性の向上を図ったことが寄与した。今後もこの方針を継続することで、安定した収益基盤として持続的成長が期待できる。 「CREAL PRO」は、売上高11,689百万円(前期比352.7%増)、売上総利益2,492百万円(同95.8%増)となった。修正予想比では、売上高(11,600百万円)は0.8%増、売上総利益(2,290百万円)は8.8%増と予想を上回った。上期の大阪のホテル売却が増収に寄与し、売却後のアセットマネジメント業務受託による報酬も寄与している。下期はアセットマネジメント業務からのフィー収入が支え、増収増益を達成した。 「CREAL PB」は、売上高8,281百万円(前期比15.6%増)、売上総利益718百万円(同12.7%増)となった。修正予想比では、売上高(7,800百万円)は6.2%増、売上総利益(670百万円)は7.2%増と予想を上回った。DXを活用した販売体制の強化に加え、営業担当の人員増強により投資用区分レジデンス物件の販売戸数が増加したことが増収増益につながった。DX活用では同社ホームページで「CREAL」のマイページから「CREAL PB」への導線対策を実施したほか、諸手続きやアフターフォローをオンライン化し、業務効率化を図った。 「その他」は、売上高465百万円(前期比43.3%増)、売上総利益236百万円(同10.1%増)となった。修正予想比では、売上高(430百万円)は8.1%増、売上総利益(230百万円)は2.6%増と予想を上回った。従来からの物件管理業務や賃貸管理業務に加え、ホテル運営事業からの収入が増収増益を確保した。ホテル運営事業については「CREAL HOTELS」を設立の上、(株)ティーエーティー(以下、TAT)との業務資本提携を通してホテル運営事業に関するノウハウやパイプラインの拡大を図るとともに、自社ブランドである「LACER」を立ち上げ、沖縄県にホテル2棟をオープンした。自社でのシステム開発により、コーポレートサイトや予約サイトを構築して、DXによるホテル運営を軌道に乗せている。 (執筆:フィスコアナリスト 村瀬智一) 《HN》 記事一覧 |