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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/06/02 12:04, 提供元: フィスコ

サインポスト Research Memo(4):イノベーション事業は小売業向けセルフレジや無人決済システムを開発・提供

*12:04JST サインポスト Research Memo(4):イノベーション事業は小売業向けセルフレジや無人決済システムを開発・提供
■サインポスト<3996>の事業概要

3. イノベーション事業
イノベーション事業は、BtoC事業者の生産性を高める製品・技術の開発、オープンイノベーションを通じた事業創造、BtoB向けソリューションの応用など、企業の経営・業務課題や社会課題の解決によって社会の発展に貢献する製品・ソリューションを展開している。具体的には、独自開発の人工知能「SPAI」による画像認識技術、物体追跡技術をはじめ、マルチ決済技術、重量センサー技術、バーコード認識技術、文字認識技術など同社が保有する要素技術を活用し、小売業を中心とした業務効率化・無人化ソリューションの提供を進めている。

設置型AI搭載セルフレジ「ワンダーレジ」は、小売業者が抱える課題、特に店舗運営の効率化や人手不足の解消を目的に開発した。独自開発の人工知能「SPAI」や商品を特定する画像認識技術を活用しているため、利用者は商品を筐体内のレジ台に置くだけで、複数の商品も一括認識して精算できることが特徴である。

また、書店向けセルフレジ「ワンダーレジ-BOOK」は、書籍販売機能を搭載したワンダーレジとして開発した。複数冊の書籍を同時に読み取り決済できるセルフレジである。2021年11月に銀座の老舗書店「教文館」の導入を皮切りに、REXT Holdings(株)が運営するWonderGOO・つくば店、(株)大垣書店が運営する大垣書店・イオンモール京都桂川店、(株)明文堂プランナーの旗艦店であるTSUTAYAレイクタウン、金沢ビーンズへ導入されている。

なお書店に関連して、同社は2024年5月に、ベンチャー企業が持つ技術や発想を生かして書店の成長を支援することを目的に「書店活性化コンソーシアム」を組成した。万引き防止システムの開発、WebマーケティングやWebコンテンツ制作に強みを持つ企業が参加しており、リテールテック企業とのオープンイノベーションを促進し、書店再生に資する新たなソリューションの開発に取り組んでいる。

POS機能付コンパクトセルフレジ「EZレジ」は低価格帯のセルフレジである。月額9,800円から利用可能で、中小の小売店舗向けに導入のハードルを下げた。導入事例としては、(株)グッドライフが運営するミニコンビニ4店舗、(同)AVENDが運営する無人古着屋「SELFURUGI」、味楽百貨店内のマンガ専門書店「マンガナイトBOOKS」などがあり、2025年2月末時点で60台弱が稼働している。

また同社は新たに小規模なEC事業者向けのソリューションを開発中で、出店から発送まで一貫したサービスを構築して提供する予定である。2024年末から実証実験を行い、トータル作業時間を従来に比べて約7分の1に短縮(同社調べ)する効果を確認した。2025年2月の「イーコマースフェア東京2025」においてパイロット版を公開し、その後も改良と新機能開発を推進している。マネタイズとしては月額利用料のサブスクリプション型を検討している。

完全スルー型の無人決済システム「スーパーワンダー」については、JR東日本スタートアップとの合弁会社TTGに開発・販売を移管している。「スーパーワンダー」はレジ作業を必要としない無人決済システムで、利用者が商品を手に取る、棚に戻すたびに自動で精算し、決済ゲートを通過する際に交通系ICカードや現金などの支払方法を選択して決済を完了できる。会員登録が不要で誰でも利用可能であり、利用者に合わせて決済手段を選べるといった利便性を競合との差別化ポイントとしている。コンビニ型無人決済システム「TTG-SENSE」、極小店舗向け無人決済店舗システム「TTG-SENSE MICRO」「TTG-SENSE SHELF」、無人オーダー決済システム「TTG-MONSTAR」など多様な形態で製品展開をしている。導入実績はファミリーマート・伊丹市役所店、ファミリーマート・サピアタワー店、ANA FESTA GO 羽田第二ターミナル、紀ノ國屋の無人決済小型スーパーマーケットKINOKUNIYA Sutto 目白店、NewDays・飯田橋東口店など合計200ヶ所以上に及ぶ。2025年4月には、セルフそば専門店「二代目長介・日進店」への導入も開始し、AIカメラとセンサーを活用した新たな業態への展開も進んでいる。また、シンガポールでは海外市場に向けた実証も進んでいる。

無人レジや無人店舗決済システムの競合として、今後は新規参入企業の出現も予想されるが、無人レジや無人店舗決済システムの関連市場そのものが未開拓の市場であり、同社は複数の独自製品を展開しており、開発で先行している優位性がある。そしてTTGを通じて導入が加速していることも勘案すれば、当面の市場競合リスクは小さいと弊社では考えている。


オープンイノベーションを活用してDX・地方共創事業を推進

4. DX・地方共創事業
DX・地方共創事業は、2022年3月にDX・地方共創事業部を新設して開始した。全国の地域金融機関との連携、自社のDX技術やオープンイノベーションを活用して、地方共創に資する製品・サービスの提供を目指している。2022年8月には、大分県産にこだわったオリジナル商品の国内外への販売を目指すOita Made(株)(大分県大分市)と協働し、大分県経済の活性化を目的に県内企業と同社の製品・サービスをマッチングする取り組みを開始した。

2024年4月には中堅・中小企業のDXを支援する「DX伴走支援」サービスを開始した。第1弾の取り組みとして、(株)第四北越銀行(新潟県新潟市)が取り扱いを開始した「DX宣言策定支援サービス」の展開にあたり、「DX宣言作成」を支援している。そして2024年8月には第四北越銀行と、新潟県内の事業会社のDX促進を目的にビジネスマッチング契約を締結した。「DX宣言策定支援」「DX伴走支援」サービスの提供だけでなく、そのノウハウも積極的に地域に還元することで地域経済の課題解決に貢献する。


主力のコンサルティング事業が順調に拡大

5. セグメント別の推移
セグメント別の業績推移(2022年2月期〜2025年2月期)においては、コンサルティング事業は一貫して利益成長している。2022年2月期の営業利益は283百万円から2023年2月期に390百万円、2024年2月期に494百万円と拡大し、2025年2月期には629百万円に達した。一方、イノベーション事業は継続的な開発投資を背景に損失が続き、2022年2月期の328百万円の損失から2023年2月期に206百万円の損失、2024年2月期に154百万円の損失、2025年2月期も149百万円の損失となった。

また、2022年3月に新設されたDX・地方共創事業も立ち上げ段階にあり、営業損失が続いている。2023年2月期の63百万円の損失から2024年2月期は2百万円の損失、2025年2月期は13百万円の損失となり、徐々に損失幅が縮小した。これにより連結営業利益は主力のコンサルティング事業がけん引する形で2024年2月期に101百万円の利益化を果たし、2025年2月期には200百万円と拡大した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展)


《HN》

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