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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/05/14 13:04, 提供元: フィスコ

ベルシス24 Research Memo(4):2025年2月期は、コロナ等国策関連業務の大幅減少の影響で減収減益(1)

*13:04JST ベルシス24 Research Memo(4):2025年2月期は、コロナ等国策関連業務の大幅減少の影響で減収減益(1)
■ベルシステム24ホールディングス<6183>の業績動向

1. 2025年2月期の業績概要
2025年2月期における日本経済は、雇用・所得環境の改善や各種施策の効果もあり、個人消費や設備投資の持ち直しが続いていることから緩やかな景気回復の動きが見られた。一方で、欧米における高い金利水準の継続や中国における不動産市場の停滞の継続による海外景気の下振れ、米国の今後の政策動向や中東地域をめぐる情勢など、我が国の物価・経済に影響を及ぼし得るため注意が必要な状況が続いている。また、各企業の業況が回復しているのに伴い業種や規模にかかわらず人手不足への対応が課題となっている。このような環境の下、同社グループの主力事業であるCRM事業においては、生成AIなどの新技術を活用し、高い利益率が見込めるソリューションモデルへの変革が重要となっている。

こうした経営環境を踏まえて、同社グループでは中期経営計画で掲げた「人材(総力4万人の最大活躍)」「型化(データ活用の高度化)」「共創(NEW BPOの領域開拓)」の3つの重点施策を加速させることで、持続的な成長の実現を目指した。しかしながら、2025年2月期の連結業績は、売上収益143,607百万円(前期比3.4%減)、営業利益11,587百万円(同0.9%増)、税引前利益11,232百万円(同0.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益8,003百万円(同6.1%増)と、計画を下回る小幅の減収増益決算となった。

売上収益の前期比51.1億円減のうち、基礎業務が下期には新規案件が増加したものの、上期には前期の大口案件が減少したことが影響し、同19.8億円増に留まった。加えて、コロナ等国策関連業務がコロナ関連業務の終了により同68.9億円減となったことが大きく響いた。売上収益減少の影響から売上総利益も同17.3億円減となった。しかし、間接人件費、広告宣伝費、設備関係費などを減少させたことで販管費は同4.2億円減(増益要因)となったことに加えて、子会社(CTCファーストコンタクト)株式の一部売却に伴う利益37.6億円(増益要因)、減損損失15.7億円(減益要因)を計上したことなどにより、その他収益/費用が同14.2億円増となったことから、営業利益は同1.1億円増の小幅増益を確保した。株式の一部売却は、今後の事業拡大を目指して譲渡したもので、CTCファーストコンタクトは持分法適用会社になっている。減損損失は、ベトナム子会社BELLSYSTEM24 VIETNAMと国内コンテンツ事業の再評価により発生したものだ。また、親会社の所有者に帰属する当期利益の同4.5億円増は、営業利益の増益に加えて、主に法人所得税費用の減少の影響が大きかった。

以上のことから、営業利益率は8.1%(同0.4ポイント上昇)と2024年3月期東証プライム市場サービス業平均の営業利益率5.3%を上回っており、同社の収益性は引き続き高いと弊社では評価している。

2. セグメント別動向
2025年2月期のCRM事業の売上収益は143,196百万円(前期比3.3%減)、税引前利益は12,088百万円(同10.0%増)で、税引前利益率は8.4%(同1.0ポイント上昇)となった。また、CRM事業の全社業績に占めるシェアは、売上収益の99.7%(同0.1ポイント上昇)、税引前利益の107.6%(同9.7ポイント上昇)となった。CRM事業のうち収益性の高いコロナ等国策関連業務の売上収益が20.3億円と同77.2%減少したことが、CRM事業の減収に大きく響いた。一方、主力の基礎業務の売上収益も1,411.7億円(同1.4%増)と予想を下回る微増に留まった。

その他の事業の全社業績に占めるシェアは小さいが、コンテンツ事業の占いビジネスにおいて減損損失を計上したことから、売上収益は411百万円(前期比32.6%減)、税引前損失は856百万円(前期は240百万円の利益)となった。

売上収益における「伊藤忠シナジー」については、同社の筆頭株主である伊藤忠商事のネットワークを活用して、伊藤忠グループ関連の案件をはじめとする新規案件獲得を継続することで拡大している。同社が定義する「伊藤忠シナジー」には伊藤忠商事の子会社や関連会社だけでなく、その取引先も含むため、対象とする開拓先は広大である。これら伊藤忠グループ案件による売上収益は、2023年2月期には169.9億円へと年々増加を続けてきた。しかし、2024年2月期はキャンペーンなどの大口案件がなかった影響で160.3億円(前期比9.6億円減)に留まった。また、2025年2月期も、上期は前年の一部大口案件の業務終了等により減少し、下期は既存クライアントからの受注拡大等により増加に転じたものの、通期で153.9億円(同6.4億円減)に留まった。ただ、今後については、新技術活用における連携(出資、提携など)や海外事業展開など、伊藤忠のデジタル事業群戦略における連携によって、「伊藤忠シナジー」は長期的に拡大する見通しである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 国重 希)


《HN》

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