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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/04/22 10:35, 提供元: フィスコ ダイナパック Research Memo(5):2024年12月期はM&A効果もあり、営業利益を除き過去最高業績を更新*10:35JST ダイナパック Research Memo(5):2024年12月期はM&A効果もあり、営業利益を除き過去最高業績を更新■ダイナパック<3947>の業績動向 1. 2024年12月期の業績概要 2024年12月期の連結業績は、売上高で前期比7.8%増の62,530百万円、営業利益で同10.2%減の1,734百万円、経常利益で同5.5%増の2,489百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同85.9%増の2,987百万円となり、営業利益を除いて過去最高業績を更新した。 売上高は国内向けが前期比1.0%増の49,634百万円と微増にとどまったものの2期連続で過去最高を更新し、海外向けもベトナムを中心とした東南アジアの販売回復並びに第1四半期よりTKTを連結化した効果で同44.8%増の12,895百万円となった。地域別で見ると、ベトナムが同61.7%増の9,458百万円、東南アジアが同19.9%増の2,049百万円、中国が同3.1%増の1,388百万円となり、すべての地域で増収となった。 部門別売上高では、段ボールが前期比3.5%増の46,947百万円と連続で過去最高を更新したほか、印刷紙器が同5.3%増の6,443百万円と7期ぶりに過去最高を更新した。また、TKTの連結化により軟包装材は同76.4%増の6,198百万円と印刷紙器に並ぶ売上規模にまで成長した。その他については同3.7%減の2,940百万円となった。 売上原価率は、2023年12月期下期より原材料費上昇に伴う価格改定に取り組んできたことや、M&A効果もあって前期の81.8%から81.0%に低下し、売上総利益は前期比12.3%増の11,879百万円となった。一方で、販管費が同17.3%増、金額で1,498百万円増加したことが営業利益の減益要因となった。販管費の主な増加要因としては、TKTの販管費や買収コスト、のれん償却額を計上したこと、また中国蘇州工場の移転費用を計上したことなどが挙げられる。TKTの買収コストのうち、アドバイザリー等に対する報酬および手数料等の支払で206百万円となっており、のれん償却額188百万円を合わせると約4億円の減益要因となった。本来の収益力を示すEBITDA(償却前営業利益)では同2.9%増の3,960百万円と増益を確保しており、TKTの買収コストや蘇州工場移転費用など一時的な費用を除けばEBITDAマージンも前期の6.6%を上回る水準になったと見られる。 営業外収支は前期比325百万円良化した。主には為替レートの円安進行に伴い為替差益が186百万円増加したほか、国内工場に係る助成金収入が99百万円増加したことによる。また、特別利益として投資有価証券売却益627百万円と固定資産売却益1,961百万円を計上した。固定資産売却益は中国蘇州工場の土地収用に伴う移転補償金から土地・建物及び機械・装置の帳簿価額を差し引いた額を計上した(蘇州工場については同じ蘇州市内に新工場を開設した)。一方、特別損失として旧蘇州工場の閉鎖に伴う従業員に対する支払経済補償金267百万円を計上したほか、子会社の多治見ダイナパックの収益悪化に伴い減損損失336百万円を計上した。 事業セグメント別の業績では、主力の包装材関連事業が売上高で前期比7.3%増の65,855百万円、営業利益で同6.3%減の1,917百万円となり、不動産賃貸事業が売上高で同0.3%増の360百万円、営業利益で同22.5%増の299百万円となった。 なお、TKTの業績については非開示だが、同社発表資料によれば2022年12月期で売上高が30億円強、営業利益が2億円強の水準となっており、その後も業績水準に大きな変化がなかったとすれば、2024年12月期の営業利益への影響は、のれん償却額を含めると軽微だったと推察される。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《KM》 記事一覧 |