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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/04/16 12:44, 提供元: フィスコ アイル Research Memo(5):リアルとWebの融合でBXを支援(3)*12:44JST アイル Research Memo(5):リアルとWebの融合でBXを支援(3)■アイル<3854>の事業概要 5. 生産性向上と売上総利益率上昇の好循環スパイラル 同社は収益性を向上させるため、製販一体(営業とSEの一体化)体制による生産性向上及びストック売上拡大を推進している。受注段階での営業と開発の連携強化によってカスタマイズ工数削減やトラブル未然防止に取り組み、総合的な品質・生産性向上によって売上総利益率上昇につなげるという好循環スパイラルを形成する戦略だ。営業とサポートを一体化(システム営業、システムサポート)して連携を一段と強化しているほか、個別カスタマイズ対応を基本戦略とする一方で、パッケージ機能の強化・オプション化による受注拡大や、品質・生産性向上によるリードタイム短縮などの施策により、継続的に売上総利益率の改善を推進している。 これらの結果、売上高は拡大基調、売上総利益率は上昇基調となっている。2020年7月期と2024年7月期を比較すると、売上高は38.1%増加、売上総利益率は44.7%から55.8%へ同11.1ポイント上昇した。特にシステムソリューション事業の売上総利益率が44.3%から56.5%へ同12.2ポイント上昇し、全体の売上総利益率の上昇をけん引している。Webソリューション事業のうちCROSS事業の売上総利益率は57.8%から58.0%へ横ばいの形だが、これは「BACKYARDTM」開発関連費が増加したためで、今後はストック売上の拡大に伴って上昇基調が見込まれる。 ストック売上高は同72.9%増加、ストック売上総利益は同81.1%増加した。この結果、ストック売上総利益の販管費カバー率は59.4%から77.4%まで上昇し、販管費の約8割をストック売上総利益でカバーできる収益構造となった。今後はストック売上総利益の販管費カバー率100%を目指す。なおストック売上高構成比及びストック売上総利益構成比は2023年7月期に低下したが、これはシステムソリューション事業におけるメーカーのサーバー保守終了に伴うハード機器特需という一過性要因によるものであり、ソフト改修・更新需要の掘り起こしやクラウドへの移行提案などを推進し、全体の売上総利益率は上昇基調を維持している。またストック売上総利益率は50%台後半の水準で推移している。 6. ビジネスパートナーとの連携強化 同社は売上成長と利益拡大に向けた施策として、様々な分野でビジネスパートナーとの連携を強化している。2025年7月期は、2025年1月に「CROSS MALL」が、世界最大規模のオンライン・マーケットプレイス「eBay」で日本セラー(出品者)の越境EC(海外販売)を支援するイーベイ・ジャパン(株)が2024年12月13日より開始した「SSP Program(Selected Service Provider Program)」の最初の認定3サービスに選定された。また同年3月には同サービスが、(株)JALUXが運営するJAL公式総合オンラインショッピングモール「JAL Mall」と注文情報・出荷情報・在庫情報の連携を開始した。 7. リスク要因と課題・対策 情報システム・サービス産業における一般的なリスク要因としては、受注競合、案件大型化に伴う開発期間の長期化、個別プロジェクトの不採算化、技術革新への対応遅れ、人材確保などがある。ただし同社はパッケージソフト開発・販売が主力のため、受託開発が主力のシステム開発会社に比べて個別プロジェクト不採算化のリスクは小さい。一方で、顧客ニーズに沿った柔軟な個別カスタマイズによって競合他社との差別化を図っているため、カスタマイズ時における工数増加などが利益率低下要因となるが、この対策として製販一体体制による生産性向上を推進している。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 水田雅展) 《HN》 記事一覧 |