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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/04/08 10:08, 提供元: フィスコ インティメート・マージャー:ポストCookie市場を牽引するDMPトップシェア企業、総合データプラットフォーム戦略も注目*10:08JST インティメート・マージャー:ポストCookie市場を牽引するDMPトップシェア企業、総合データプラットフォーム戦略も注目インティメート・マージャー<7072>は、国内市場DMP(データマネジメントプラットフォーム)導入率トップシェアを誇る企業である。2013年の創業以降、アドテック(Ad Tech)領域で成長、現在はAd Tech以外の領域(X Tech)においてもビジネスを展開している。DMPサービスを提供している競合は、博報堂系列のデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム、KDDI・電通系列のSupershipといった国内企業、ライブランプ、ロタメといった海外企業などだが、DMP分野における同社の国内シェアは40%〜50%と圧倒的だ。2024年9月期におけるソリューション別の売上高構成比は、マーケティング支援が50.5% 、成果報酬型ディスプレイ広告運用サービス(Performance DMP)が35.8%、データマネジメント・アナリティクスが12.5%、企業リスト生成サービス(Select DMP)が1.2%となっている。 同社の顧客カバレッジは、中小企業から大企業、さらに海外企業と幅広い。マーケティング支援では国内外の大企業、データマネジメント・アナリティクスはGoogleやAmazonといったプラットフォームを中心とした国内外企業が主な顧客である。単価の低いパフォーマンスDMPは、年商1億円以下の中小企業を含む多くの企業に利用されており、高単価のマーケティング支援やデータマネジメント・アナリティクスへのクロスセルに繋げる導入商品にもなっている。 同社の競合優位性は、同社が創業時から培ってきた「データ・開発力・汎用性」である。特に、日本国内のインターネット人口の9割に相当するデータカバレッジがもたらす、年間2兆を超えるデータ量は他の追随を許さない。同社は系列の色のない独立系であり、創業時から数多くのデータ保有企業とデータ活用企業をパートナーや顧客として幅広く束ねられたことが、同社がデータ分野において高い参入障壁を確立できたポイントだ。さらに、このデータおよび顧客カバレッジにおける強みが、同社のデータ事業における経験値を高め、開発力と汎用性の強化にもつながっている。 世界的なプライバシー規制強化の流れの中で、3rd Party Cookieに対する規制が始まっているが、同社は代替となるポストCookieソリューションであるIM-UIDの提供をいち早く開始、この分野でも国内で圧倒的なプレゼンスを確立している。そもそも同社は、主に3rd Party Cookieに依存してデータを獲得しており、自社の必要性から2019年にはポストCookieソリューションの開発を開始、リスクをチャンスとすることができたのである。既にライブランプ、トレードデスク、クリテオといった、ポストCookieソリューションを提供する主要な海外事業者との連携も図れており、同社のポジショニングは盤石なものとなっている。 2025年9月期第1四半期の売上高は879百万円(前年同期比10.3%増)、営業利益は79百万円(前年同期比125.5%)と大幅な増収増益となった。業務効率化にともなう受注案件多様化によるPerformance DMPのアカウント数増加、ポストCookieソリューションであるIM-UIDを利用した広告配信量増加などが売上高増の背景。特にGoogle Ad Managerとの連携強化が日本の主力メディアでのIM-UID導入件数増加に大きく寄与した。営業利益増の要因は、付加価値が高く利益率の高いソリューションの売上比率の増加、業務効率化による販売管理費の減少など。2025年9月期の連結業績予想は、売上高3,528百万円(前期比17.8%増)、営業利益128百万円(前期比49.5%増)を見込んでいる。 同社は今後、ポストCookieソリューションの提供を中心としたAd Tech領域でのオーガニック成長に加え、強みであるデータ基盤を活かし、Ad Tech以外のX Tech領域の事業拡大を加速、領域を横断したデータプラットフォームカンパニーを目指す方針だ。企業リスト生成サービスのSelect DMPはX Techの一形態であるSales Techのサービスであり、その他にもライフネット生命保険やアプラスとのパートナーシップ締結といった実績も出てきている。また、X Tech領域におけるスピード感のある事業成長を実現するために、同社はM&Aや資本提携なども積極的に検討するとしており、非連続な成長も期待できよう。データ活用の重要性がますます高まる中、国内DMPトップ企業として事業領域拡大を進める同社の動向には注目しておきたい。 《HM》 記事一覧 |