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フィスコ投資ニュース配信日時: 2025/03/31 13:05, 提供元: フィスコ RSテクノ Research Memo(5):2024年12月期はすべての事業が伸張、2期ぶりに過去最高業績更新*13:05JST RSテクノ Research Memo(5):2024年12月期はすべての事業が伸張、2期ぶりに過去最高業績更新■RS Technologies<3445>の業績動向 1. 2024年12月期の業績概要 2024年12月期の連結業績は、売上高で前期比14.1%増の59,200百万円、営業利益で同10.2%増の13,108百万円、経常利益で同5.0%増の15,668百万円、親会社株主に帰属する当期純利益で同22.6%増の9,446百万円となり、2期ぶりに過去最高業績を更新した。また、会社計画に対しても営業利益以外はすべて上回って着地した。 売上高は半導体市場の拡大を背景に、ウェーハ再生事業で前期比3,295百万円増、プライムウェーハ事業で同1,707百万円増、半導体関連装置・部材等事業で同2,226百万円増とすべての事業セグメントで増収となった。営業利益はウェーハ再生事業で同944百万円増とプライムウェーハ事業で同1,002百万円増となり、両事業の拡大が増益要因となった。 営業利益率は売上構成比の変化等により前期の22.9%から22.1%に低下したが引き続き高い収益性を維持した。営業外収支は前期比468百万円悪化したことで経常利益の増益率は1ケタ台に留まったが、主な変動要因を見ると為替差益が同629百万円増加した一方で、補助金収入が同614百万円減少し、持分法による投資損失も同393百万円拡大した。補助金収入については、前期に計上したDGTの新工場開設に伴う補助金収入約3億円がなくなったほか、山東GRITEKの補助金収入が減少した。持分法投資損失はSGRSの12インチプライムウェーハ量産化に向けた立ち上げコストの増加による。また、特別利益として2024年12月に子会社化したRSPDHに掛かる負ののれん発生益1,500百万円を計上した。 半導体市況全体としては、AI用半導体の活況が続いた一方で当初想定よりもPCやスマートフォン向けの回復が鈍かったほか産業機器向けの需要低迷が長引くなど斑模様の状況ではあったが、同社の顧客先については中国市場も含めて順調に推移したようで、会社計画に対しても売上高、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益は上回って着地した。 ウェーハ再生事業は半導体新工場向けが伸張、プライムウェーハ事業の収益も回復 2. 事業セグメント別動向 (1) ウェーハ再生事業 ウェーハ再生事業の売上高は前期比16.0%増の23,794百万円(内部売上高または振替高含む、以下同様)、営業利益は同11.6%増の9,059百万円と好調に推移した。国内外で再生ウェーハの需要が堅調に推移したことや、需要に合わせて能力増強投資(日本・台湾合計で月産能力を前期末の54万枚から59万枚に増強)を行ってきたこと、また大手ファンダリーメーカーの日本、米国での新工場立ち上げに伴い販売ウェーハ※が大きく伸びたことが増収増益要因となった。売上高の内訳を見ると、再生ウェーハが同9.6%増の15,882百万円となったのに対し、販売ウェーハは同31.6%増の7,911百万円であった。価格動向については、再生ウェーハが前期比で若干上昇し、販売ウェーハは1ケタ台後半の上昇となった。営業利益率は前期の39.6%から38.1%と若干低下したが、設備投資による減価償却費の増加等が要因であり、引き続き高い収益性を維持していることに変わりない。 ※ 市場よりスペックアウトしたテストウェーハを買取り、同社にて研磨し新品モニタウェーハとして販売する製品。新工場の立ち上げ期はモニタウェーハも新品ウェーハの使用率が高くなる傾向にある。 (2) プライムウェーハ事業 プライムウェーハ事業の売上高は前期比9.1%増の20,443百万円、営業利益は同26.7%増の4,743百万円と2期ぶりに増収増益に転じた。シリコン部材については顧客の在庫調整の時期があったものの、プライムウェーハが中国半導体市場の回復、並びに8インチウェーハの能力増強投資(月産能力を前期末の13万枚から18万枚に増強)を行った効果で伸張したことが収益増要因となった。8インチの販売単価は前期比で横ばい水準であった。営業利益率は、販売ミックスの改善や稼動率上昇に加えて、原材料となるポリシリコンの調達戦略見直し※などによるコスト低減に取り組んだ効果もあって、前期の20.0%から23.2%に上昇した。 ※ 調達先を第3四半期から中国に一本化した。 (3) 半導体関連装置・部材等事業 半導体関連装置・部材等事業の売上高は前期比15.8%増の16,283百万円、営業利益は同0.2%増の884百万円となった。第1四半期に半導体製造ライン一式を商社からバルクで仕入れ、海外メーカーに販売するといった大型案件の売上を計上したことが主たる増収要因である。ただ、製造ライン一式といった大規模な販売は初めてで、検査コスト等を入念にかけたため、利益への貢献は僅少となった。子会社では、DGTの業績が市況の回復により増収増益となったものの、ユニオンエレクトロニクスソリューションは第3四半期に採算の良かった特定商材を失注した影響もあり低迷した。営業利益率は販売ミックスの変化により、前期の6.3%から5.4%と若干低下した。 (執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲) 《HN》 記事一覧 |