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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2026/06/21 09:00,
提供元: フィスコ
高評価相次ぐアルゼンチン【フィスコ・コラム】
*09:00JST 高評価相次ぐアルゼンチン【フィスコ・コラム】
アルゼンチンペソは年初来安値に近い水準から、回復に転じる兆しが鮮明です。インフレ鈍化、格付け引き上げ、構造改革への期待といった好材料がそろい、外貨準備と改革の定着という課題を克服できれば市場の視線は再びアルゼンチンに向かうかもしれません。
アルゼンチンペソは4月半ばに1ドル=1340ペソ台まで上昇後は下げに転じ、足元では1450ペソ台と約4カ月ぶりの安値まで下落しました。今年最安値となった年初の1470ペソ台を試すとの見方もありましたが、持ちこたえているようです。背景にあるのは、ミレイ政権への市場の評価。緊縮財政や規制緩和を柱とする経済改革が一定の成果を上げ、海外投資家の熱視線を集めました。
S&Pグローバルは6月、アルゼンチンの長期ソブリン格付けを「CCCプラス」から「Bマイナス」へ引き上げました。対外流動性の改善や景気回復への期待が評価されたためです。5月にはフィッチ・レーティングスもアルゼンチンの格付けを「CCC+」から「B-」に引き上げると発表し、国際金融市場での信認回復が進みつつあります。
同国の経済指標で目を見張るのが物価関連統計。5月の消費者物価指数(CPI)は前月比+2.1%上昇と、市場予想を下回りました。依然として高インフレではあるものの、月次ベースでは物価上昇率の鈍化が続きます。実質賃金の改善や個人消費の持ち直しも確認されており、長く続いた景気後退からの脱却が現実味を帯びてきました。引き続きインフレを抑制できれば、通貨安への警戒感も徐々に和らぎそうです。
もちろん、国内政治情勢の変化に対する視点は欠かせません。昨年の中間選挙ではミレイ氏率いる与党「自由の前進(LLA)」が圧勝したことで政権を取り巻く環境が好転し、構造改革を進めやすい状況が整いました。労働市場改革や鉱業分野の規制見直しなど、海外資本の呼び込みにつながる政策も打ち出されました。市場は改革路線の継続を評価しており、ペソ相場の下支え要因となっています。
もっとも、過度な楽観は禁物。外貨準備は依然として十分とは言えず、政府債務の負担も大きな課題です。アルゼンチンは過去にも政策転換や債務問題によって市場の信頼を失った経緯があります。格付けは改善しているとはいえ、投機的水準にとどまっており、先進国や主要新興国と比べれば依然として高リスク市場です。それでも、年初から続いていたペソ売りの勢いは鈍化し始めたのは明るい兆しです。
(吉池 威)
※あくまでも筆者の個人的な見解であり、弊社の見解を代表するものではありません。
《CN》
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