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第3回 上場後に売買するIPOセカンダリー初値に影響する3つの注意点前回のコラムではイベント投資から「REIT買い」、IPO投資のセカンダリーから「東証一部IPOの攻略」についてお伝えしました。私はイベント投資とIPO投資という投資手法で長年株式投資を実践していますが、当コラムでご紹介している投資手法は長年実践しています。 さて、今回はIPO投資には欠かせないIPOセカンダリーについてお伝えします。IPOは証券会社の抽選に参加している方が多いと思いますが、なかなか当選できるものではありません。セカンダリーはIPOが上場してから買い付けして利益をあげる方法です。このセカンダリーには様々な投資手法がございますが、今回のコラムで取り上げたいと思います。
●上場後に売買するIPOセカンダリーIPO(新規公開株)については、証券会社の抽選に参加をして当選できたら、上場日に初値で売却して利益をあげる手法というイメージが強いと思います。また、抽選に当選しないとIPO株が得られないので、「どうせ当たらない」と思われている方もいらっしゃると思います。 私は証券会社でIPOの抽選を行っていた経験がございますので、どのように抽選に参加すれば良いのか、獲得数を増やすためにはどのようにしたら良いのかを熟知しています。そのため、今年もIPOをいくつか獲得することができています。 また、IPO投資は獲得だけではありません。大きく2つに分かれます。 プライマリー投資 プライマリー投資は、プライマリーマーケット(発行市場)を対象とした投資方法です。プライマリーマーケットとは、これから新たに証券市場に発行される株式を、一般投資家が購入できる市場のことを言います。 つまり、プライマリー投資とは、新規上場する会社の株式を公募価格で取得して、上場後に価格が上がった時(主に初値が決まった時)に売却することによって、値上がり益を得るという投資方法です。 プライマリー投資は証券会社の抽選でIPOが当選した方しか参加できません。年間で100社のIPOがあったとしても獲得できる数は限られています。 その点、セカンダリーは「セカンダリーマーケット(流通市場または二次市場)」を対象とした投資方法になりますので、新規上場したIPOが全て投資対象になります。もし、あるIPOをどうしても買いたい方は、上場日に買わなければなりません。このIPOが上場した後に売買することを「セカンダリー」といいます。 人気のあるIPOの株価は上場後も値上がりする傾向がありますので。その流れに乗るという方法もとれます。また、上場直後のIPOは株価がパターン化した値動きをしますので、そのパターンに注目して投資することも可能です。 ●初値が決まる時の注意点IPOのセカンダリーを行い際に注意しなければならないことがあります。それはVC(ベンチャーキャピタル)、SO(ストックオプション)、初値の出来高です。IPOの株価は短期資金による売買ですので、需給の影響を受けやすい傾向があります。そのため、株価への影響が大きい上記のリスクは注意しなければなりません。 VCとは「venture capital=ベンチャーキャピタル」の略称ですが、ベンチャーキャピタルは、投資家から資金を集めファンドを組成し、未公開の企業に投資をします。企業の育成・経営支援をして株式公開に導きます。 VCは会社の関係者や利害関係者とは異なり、大株主といっても利益をあげるために、上場後すぐに売却してくることが予想されます。ただ、IPOの上場後に大株主が、無制限に大量の保有株を売ってしまったら、売り圧力が強すぎて株価が暴落してしまう危険性があります。 それを防ぐために、「上場後一定期間、若しくは一定の株価にならなかったら、大株主は保有株を売ってはいけません」というルールがあります。これを「ロックアップ」といいます。 具体例を見てみましょう。 下記は表示灯(7368)の大株主です。
同社はほとんどの大株主にロックアップが設定されています。 続いて、i-plug(4177)の大株主です。
数社のVCが確認できます。各VCには、90日間か公募価格1.5倍以上に株価が値上がりした場合にロックアップが解除される条件が付いています。そのため、公募価格に対して初値が1.5倍以上になった場合は、VCの益出しが発生する可能性がありますので注意が必要です。 なお、IPOの大株主にどのようなロックアップがあるのかを確認するためには、会社の目論見書(もくろみしょ)を確認します。 次のページでは、SO(ストックオプション)についてです。
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