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●東証一部IPOの攻略前回のコラムでは「TOPIX買い」をご紹介しました。 東証一部の銘柄数は、東証二部やマザーズからの繰り上げによる昇格か、新規企業の直接上場で増加します。一方、上昇廃止や東証二部降格などで減少します。TOPIX買いは、新規に東証一部へ昇格や上場した銘柄に注目します。 東証一部に上場した銘柄が、TOPIXに組み込まれるまでの間に、TOPIX連動型ポートフォリオを顧客に販売している機関投資家は、当然、新規銘柄が東証一部に現れると、連動性を保つために、その企業の株を買わなければいけません。機関投資家は、「新規銘柄がTOPIXに組み込まれる日(受け渡し最終日)までに、どうしても買わざるを得ない状況になる」ということです。機関投資家は投資資金の規模が大きいので、株価の動きに対しても大きな影響力を持ちます。
このTOPIX買いはIPOセカンダリーでも応用できます。 東証一部へ上場するIPOは上場時の市場吸収額や時価総額が大きいことから新規上場時は人気化しない傾向です。そのため、初値のパフォーマンスは低くなりがちです。(再上場や売り出し100%という銘柄は公募割れのリスクが大きくなります) 下記は直近3年間に東証一部へ上場したIPOの結果です。
全部で14銘柄ありますが、その内の10銘柄は公募割れという結果なので、東証一部へ上場するIPOが人気にならないことがわかります。ただ、セカンダリーでは東証一部へ上場するIPOは大事な収益機会になります。なぜなら、TOPIX買いの買い需要があるためです。 東証一部に上場した銘柄が、TOPIX構成銘柄に組み込まれるのは翌月末です。(TOPIX買いが行われるのは最終日の前日になります)。この手法のメリットは、売買の期間が限られていること(上場日からTOPIX採用日まで)と、東証一部に上場する銘柄が対象となるため銘柄選びの手間が少ないということです。 実際に上記の銘柄のTOPIX買いが行われる日の株価を見てみましょう。 ※翌月末の前日高値(A)はTOPIX買いが行われる日の高値と初値を比較
上記をご覧頂くと14銘柄中、翌月末の前日高値(A)では8銘柄は初値比でプラスです。また、翌月末の前日終値(B)は7銘柄プラスになりました。フォーラムエンジニアリングとカーブスホールディングスが上場した頃は新型コロナウィルスによる「コロナショック」で株式市場が急落した局面でしたが、それ以外では概ねTOPIX買いの効果が出ています。 東証一部へ直接上場するIPOの場合は公募獲得は見送り、上場してからの株価に注目してTOPIX買いを意識して買い付けることによって、東証一部のIPOでも収益機会になります。 いかがでしょう。今回もいくつか投資手法をご紹介しましたが、私は毎年行っています。他にも投資手法がございますが、また、機会がございましたらご紹介いたします。
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