[1] 東証REIT指数の新規採用
現在、東証REIT指数には62銘柄のREITが含まれていますが、新たにREITが新規上場すると、その銘柄もREIT指数へ含まなければいけません。前回のコラムでお伝えしたTOPIX買いと原理は同じです。この時に投資チャンスが生まれます。
●新規上場したREITの扱い
新たに上場したREITは、上場から一ヶ月後の月末に東証REIT指数に採用されます。例えば、3月1日に新規上場したREITは4月末に東証REIT指数へ採用されます。REITを中心に運用している投資家(機関投資家やファンドマネージャー)は東証REIT指数に連動した運用をしている場合は、この銘柄を株価指数へ採用される前に買い付けなければなりません。
ここに買い需要が発生します。
実際に過去のREITのチャート(上場から翌月末)を見てみましょう。
※2019年2月13日上場「エスコンジャパンリート」
エスコンジャパンリートは2019年2月13日に新規上場しましたが、上場時は公募価格101,000円に対して初値は97,200円でした。翌月末に東証REIT指数の採用が行われるため、翌月の3月下旬に高騰しています。
※2019年3月12日上場「サンケイリアルエステート」
サンケイリアルエステートは2019年3月12日に新規上場しましたが、上場時は公募価格100,000円に対して初値は97,000円でした。翌月末に東証REIT指数の採用が行われるため、翌月の4月下旬に高騰しています。
このように新規上場するREITに注目するという方法がとれます。
この手法は指数採用までの投資になりますので、REIT指数採用前に売却するというのがポイントです。
[2] REITの分配金権利取りに注目する
REITは不動産への投資で得た収益を、投資家へ分配します。この分配金については上場企業が投資家へ還元する配当金と同じ原理なので、権利付最終日に保有していれば、分配金を受け取る権利が得られます。
下記は2月・8月に分配金の権利がある銘柄です。
分配金の平均利回りは4.06%ですが、高いものではタカラレーベン不動産の5.79%、ザイマックス・リートの5.25%が挙げられます。この利回りは株価によって変動しますので、その都度、確認する必要がありますが、私はREITの利回りと用途を確認した上で、毎月、権利取りで買われそうな銘柄をピックアップしています。
例えば、2021年2月はタカラレーベン不動産とサンケイリアルエステートに注目しました。注目した当時はタカラレーベン不動産の分配金利回りが6.24%、サンケイリアルエステートの分配金利回りが5.27%であることと、どちらも運用実績における稼働率が高く問題がないと判断したからです。(タカラレーベン不動産の稼働率は96.6%、サンケイリアルエステートの稼働率は99.9%)
下記はそれぞれの株価推移です。
どちらも値上がりしましたが、この手法で注意しなければならない点は、権利落ちした場合は分配金分が値下がりしてしまいますので、権利付最終日までに売却することです。また、地合いの影響を受ける可能性があります。
次のページは、東証一部IPOの攻略法です。
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