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《著者インタビュー》一覧
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矢口 新 氏
永らく「トレーダー必読の書」として愛読され続けている
『生き残りのディーリング』の発刊から17年。――年月を経ても読みつがれる理由はどこにあるのか? 新たに株式市場についても言及した『実践 生き残りのディーリング 変わりゆく市場に適応するための100のアプローチ』を3月に完成させた矢口氏にお話を伺いました。
Q. 『生き残りのディーリング』は、オリジナル版が上梓された1990年以来「トレーダー必読の書」として愛読され続けています。その人気の理由をどのようにお考えですか? A. そうですね。何といっても、実際の相場で役立つからだと思います。私は大学で経済を学んだわけではなく、相場は実際の値動きのなかから学びました。まさしく現場叩き上げです。本書は、私が現場で経験し、悩み、学んだことを、自分の言葉で書いています。そこが本気で相場に取り組んでいる人たちに伝わるのではないですか?
A. 相場とは何か? ということですね。社会経済の中での役割だけでなく、プロ や個人投資家にとっての相場というものの位置づけ、価格はどうして動くのか など、自分自身が長年相場に携わるなかで感じてきた、あらゆる疑問に対する 答えが、メインテーマですね。
A. 相場というところは恐いところで、知識や技術がなくても、運さえ良ければ誰 でも儲けることができます。しかし、そんな人はひとたび風向きが変わると大 損する危険を孕んでいます。反対に、知識も技術も経験もあるのに、運が良く ないために儲けられない人がいます。そんな人はいつか大儲けができるのです が、「相場とは何か」を知らなければ、自信をなくしてあきらめてしまうかも 知れません。もったいない話ですよね。 また、価格がどうして動くのかを理解していれば、相場観がよくなるだけでな く、価格の動きに対して、どのように対処すればよいのかがあきらかになりま す。軸がぶれなくなりますね。 私は相場で大勝利をおさめるには、様々な条件を満たす必要があると思ってい ます。運の手助けもいるのです。経験や技術で補えるのは、そういったチャン スの時まで生きながらえることだけ。私が読者の方々に伝えることができるの は、「生き残りのディーリング」だけなのです。
A. 「オリジナル」は、それまでの金融市場で言われてきた常識と、自分が実際の 相場で経験していることとの間にズレがあったことから、自分の考えを若さと 勢いに任せて「世に問うた」というところですね。 「決定版」は、そんな「オリジナル」が現場のディーラーたちに10年以上も支 持され、座右の書とまで言われたことから、ならばもっと利用しやすくしよう と100の項目に分けました。 それから6年。それまでの運用経験は債券と為替だけで、株式は機関投資家相 手のセールスでしか経験がなかったのですが、株式運用の経験も積んで、その 部分を反映させる必要を感じました。しかし、軸は「オリジナル」「決定版」 と同じ、まったくぶれていません。 リメイクのきっかけは、まもなく株式ファンドを立ち上げるからです。そうな ると運用に専念するため、書き物やセミナーに当てる時間が最小限になります。 その前に提出しておきたかったということです。
A. 第一章全体ですね。あと「はじめに」も読んで貰いたいです。
A. 著作はこれで10冊目になります。相場に関してもっとも伝えたいことは、どの 本にも同じことを書いています。この本だけに書いてあって、もっとも気に入 っている一行は、「おわりに」の最後のフレーズ、「相場の大底で起きている ことは、幸運の所有者の変更です。あきらめた人から、前向きな人に、幸運が 移っていくのです。あきらめないでください」、ですね。
A. これまでは公の仕事として、セミナーなどの投資教育でした。しかし、それだ けでは食べていけないので、自己の資本金を株式市場で運用していました。 これからは、株式ファンドの運用助言が主な業務となります。
A. 公の運用に先立って、私的な運用はやめています。
A. ロング・ショートで投機の行き過ぎを取る部分と、中期的なトレンドを取りに いく部分との2つの部分から構成されています。
A. 「実践・生き残りのディーリング」にすべて書いているのですが、相場は投資 を横糸に、投機を縦糸に編み上げるタペストリーのようなものなのです。つま り、投資は取り扱う資金量に制限があるものの、時間的には長く保有できます。 つまりチャートでいえば横軸方向に力を持っています。いっぽうの投機は、レ バレッジで資金量は大きいのですが、買ったものは必ず売り戻し、売ったもの は必ず買い戻します。つまり、チャートの縦軸方向の力です。この2つを完璧 に押さえれば、相場での動きをすべて捉えることができるのです。 もちろん、すべてを取ることは不可能だといってもいいので、騙しを排除しな がら、できるだけ効率的に取りにいこうとします。横の動きであるトレンドを 取るのは、ある程度見えてからでも間に合います。縦の動きは追いかけるより も、行き過ぎを押さえるようにしました。1年近くかけて検証を重ねた結果、 相当のリターンが確信できるところまでいっています。信頼できるパートナー も得て、運気も感じるので、かなりいけると思いますよ。
A. 流動性です。 A. 私のスタイルとまったく違いますが、資金運用について勉強になり、実用的な ので、「フリーランチ投資家になろう」(岡崎良介著、ダイヤモンド社)を挙げておきます。
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