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カウンターゲームアンソニー・M・ガレア/ウィリアム・パタロンIII世/ジム・ロジャーズ パンローリング逆張り投資に関する書物だが、主に株式市場に関する考察であって、他のマ−ケット のことを考察するには本書の意図するところを、読者が自らの解釈でロジックを再構 築していかねばならないだろう。総じていえることは、皆が皆強気になっているときは強気になるな、絶望して屑のよ うな存在になったら買いチャンスかもしれないということだろう。 商品先物取引を行っている私にとって、普段の取引ははトレンドフォロ−を信条にし ているが、ある商品に関してはテクニカル的に逆バリ指標となるオシレ−タ−系指標 (RSIやRCI、ストキャスティックス等)がうまく機能するものがある。 しかし、本書は、そういった小手先のテクニカル面で逆バリを捕らえているのではな い。 よく、「熱狂の中で売り、絶望の中で買え」といわれるが、株式市場に関してはどう だろうかとの疑問が残る。絶望の中で買ったはいいが、整理ポスト行きとなりかねな いからだ。そんな愚を犯さないために、本書は最後の「第15章 まとめ:逆張り投資のル−ル 」で倒産する企業と割安に放置されている企業を峻別する目安をいくつか述べている。 それを前提に読んでいかないと、思わぬボロ株を購入してしまうだろう。 さて、こうしたことを踏まえて、商品先物、株式、為替等の市場を念頭に、本書を当 てはめていくと、逆バリにも大逆バリ、中逆バリ、小逆バリがあるということだ。こ れはどういうことかというと、マ−ケットを どのようなタイムスパンで見るかということだろう。 中・小の逆バリではテクニカル指標は有効かもしれないが、もっともダイナミックな 大逆バリには、マクロ的な視点が欠かせないということか。 昨今のマ−ケットを見てみるに、トレンドフォロ−戦略は有効と思われるが、いわゆ るファンド資金の流入でボラティリティ−が高くなっていると思う。そのため、どの 程度のスパンでトレンドをフォロ−するのかが非常に重要な意味を持っている。「手 仕舞うべき兆候がなければ、ポジションはそのままに」といわれるが、一夜にして、 地合いががっらと変わることがあるのだ。そのとき、せっかくの含み益は一夜にして 含み損になり、なくなく損切りということになりかねない。 この時、逆バリ指標として利用すべきは、「自分がまだ大丈夫だろう、まだトレンド は続くだろう」と思った時は逆バリせよ。逆バリしないまでも、利益となっている既 存のポジションは手仕舞えということだろうか。必ずしもテクニカル指標のように数 値で表されたものが信頼に足る指標ではない。 「トレンドはフォロ−せよ。しかし、同時に、カウンタ−トレ−ドすべきかどうか常
に考えよ」
(40代 男性 商品先物取引会社員)
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