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IPOトレード入門 超成長株発見法

IPOと言えば、アマゾン、テスラやネットフリックスなどに代表されるような大化け銘柄が思い浮かぶが、この本はそのような銘柄を初期に見つけ、高値で売り抜ける特別な極意を書き記したものでははなく、ボラティリティが高いIPO銘柄で失敗せずに少しでも高いパフォーマンスを上げるための手法を解説した素晴らしい労作である。

デザイナーがこの本の構成に参加されていることもあって図表やチャートは非常に視覚的にも分かりやすく、特にIPO銘柄のライフサイクル・パターンの分類が非常に参考になる。

さらに事後の資金管理やメンタル面の重要性の考え方は、ボラティリティが高いIPO銘柄では、より堅実な対応が必要なことが書かれている。相応にリスクが高いIPO銘柄でしっかり利益を上げるには、この本に書かれていることを実践するのが一番の近道だと感じた。

炎のディーラー 投資歴26年


数多くのIPO関連の書籍の中でも本著の特色として、米国株式市場のIPO特徴を分析した上で投資方法を解説されている点が非常に興味深く感じました。本著が日本株式市場にも通じるかについては、検証する価値があると思います。

小生は現在金融機関に身を置いておりますが、ついついIPOトレードと言えば複数の金融機関に口座を開いて抽選確率を上げようとか、一定の金額を積んで1株もらうとか、公開と同時にその銘柄について行くぞとか、とりあえず今はバブルだから新規公開株は買いだのような神がかり的な判断で利益をあげようと、ついつい思ってしまう方も多いのではないでしょうか。

小生も勝てば官軍との気持ちがあるので、どのような取引方法でも自らの型や思いが確りしているのであれば問題ないと思いますが…ただし、ついついIPO銘柄については、小生は通常取引よりも近視眼的になるバイアスが働いてしまいます。 つまり恐怖心が生まれ、長期保有できない、短期売買取引を選択しています。

今回の本著の出会いで、再認識することや新しいアイデア(研究課題)が生まれました。IPO銘柄の特定の価格パターンを形成する事実やIPO後のフェーズを認識した取引が詳細に検証されていたことが貴重な内容でした。

過去のデータを検証しながらエントリーやエグジットのルールについても詳細に記載されているので、丁寧な内容となっていたが、小生の感覚ではやはり保有中のドローダウンが大きく感じ実際保有すれば本当に耐えれるかどうか、取引単位を減らせば破綻は回避できるが、それでは総トータルの運用効率が向上するのか等々の疑問も生じました。 エントリータイミングや更なるエントリー条件を付加しての再検証余地は恐縮ながらあるのではないかと思います。

最後に、次なるAMAZONやテスラなどを見つけることは容易ではないと思いますが、それを見つけようとすることが株取引の醍醐味の一つでもあり、投資家としてのロマンも生まれますので、価値ある本著の詳細内容を他の読者の方にもご一読することをお勧め致したい。

もうすぐ個人トレーダーさん
某金融機関勤務 投資歴25年


本書は4名のトレーダーによるIPO銘柄のトレード手法に関する研究をまとめたものだ。その研究とは、つぎのアマゾンやテスラといった急成長株を如何に見つけ、如何にトレードするかという投資家やトレーダーならば、だれもが答えを知りたいテーマに関するものだ。

通常、IPO投資といえば、財務分析によるファンダメンタルズ分析からの銘柄選択をイメージしがちだが、本書は通常のそれとは全く違い、銘柄の値動き・出来高といった市場で観測できるデータのみを分析対象としている点で非常にユニークであり、本書を我々個人投資家にとって、非常に価値あるものにしているポイントでもある。

というのも、上場初期には公開されている財務データが少ないことから、プロと個人の間には大きな情報格差があり、個人投資家にとってIPO銘柄のファンダメンタルズ分析には大きな障害があるからだ。だが、著者らは研究の結果、ファンダメンタルズ分析から、急成長IPO銘柄を選別することはできないと結論づけ、マーケット情報だけでのアプローチを完成させた。

本書では、IPO銘柄がたどる値動きの変遷をそのステージ毎に銘柄のライフサイクルとして分類している。IPO初期の個人投資家やエンジェル投資家から、機関投資家へと所有の移転が進む中で、このライフサイクルの変遷がおこるわけだが、本書では、このサイクルの段階により、値動きや出来高に特徴があるという点を豊富な具体例・チャートにより明らかにしている。

その上で、サイクル毎にどのようにトレードすべきか、特に投資家にとって永遠のテーマであり、IPO投資成功の極意でもある利食い手法について、具体的ルールを統計データとともに明らかにしている点で非常に稀有な本となっている。また本書ではライフサイクルの典型的な変遷パターンによる銘柄の分類も実践している。これを利用することで、我々はトレードしているIPO銘柄が、どのパターンにあてはまるのか、またそのパターンの中でも現状がどのライフサイクルにいるのか、それらを認識した上で、状況に即した戦略を用いることで、IPO投資のリスク・リターンを極大化することができるのではないだろうか。

ユーノ 投資歴8年


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