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エネルギー先物売買実践セミナー渡邉勝方 パンローリングええっ、私たちはカモだったのか！と思う内容から、これはおいしい！と思う内容まで、確かに書籍にはなかった興味深い戦略や情報を得られました。講師いわく、タダでは教えたくなかったそうですが、そのパターンを見つけ出して検証する労力と魅力的なパフォーマンスを見れば確かに納得でしょう。私自身まだまだ未熟で、講師の著書『原油取引入門』と『ガソリン・灯油取引入門』を事あるごとに開いているのですが、たまたま一緒にDVDを見た友人も1度は読んでいるはずなのに一々質問が飛んで来ました。書籍を読むのが面倒だから手っ取り早くDVDを見てという方も、いずれ書籍を読まれることをお勧めします。知りたいところだけ簡潔に読めますし、レポートや記事を読む中で知らない単語が出てきたときに辞書的に使うのにも持って来いですよ。私はシステム派ですが、特にエネルギー市場のようにあからさまにファンダメンタルに左右されるように見えるマーケットでは、システムに従いつつも、例えデイトレードの場合でもファンダメンタル的要素を無視するのは賢明ではない、ということを学習するのに高い授業料を払わされました。内容のほとんどはマネーマネジメントと、鞘取りを含む実践的な戦略の解説に傾注しているのですが、講師の多角的見地によるファンダメンタルズの知識を踏まえた戦略には、言葉以上の説得力が感じられます。また、裏情報ではと漏らす内容は、以前営業担当経由で売買していた頃に教わったなぁと懐かしく、最初からネットトレーダーの方には聞く機会もなく新鮮なのではないでしょうか。 今すぐにでもシグナルが出れば、すばらしい勝率と収益を得る可能性を備えたいくつもの戦略を披露しながらも、常に個人が逃げなければならないポイントや、市場のキャラクターと自分との相性や、キャラクターが変われば方法も変えなければならないことなど、随所で注意を促している点は印象深く、講師がなるべく煽ってしまうことのないよう逐一配慮されています。同時に、プロでさえエネルギー市場では意外ときつめのマネーマネジメントをしていることを合わせると、気を引き締めなければと身震いしてしまいました。また、何度か聞くうちに講師が重要視している点や守っているルールのようなものが分かってくるような気がしているのはきっと私だけではないはずです。講師は調子が良い時は3日に1個くらいのペースでアイデアが沸いてくるそうですが、実際に採用できるのは10個に1個程度だそうです。今はそれをご自分で検証する暇がないそうですが、やはり優れた戦略を編み出すには積み重ねが大事だということですね。 このセミナー自体は2002年に行われており、検証期間が短いのが少々気になりますが、そこは講師が言われているように現在の市場でも同じ戦略が通用するかどうか自ら検証してみるのが一番でしょう。私の場合、時間枠の採り方によっては依然有効であるものを慎重に使っていこうと考えています。セミナーを通して、プロが使っているツールやシステムを垣間見られることは大変参考になりますし、シンプルなものでも十分有効なものもあると納得できれば、自信を持って使えるという勇気が湧いてくるはずです。すべてが具体的な数値と検証結果に基づいているということは、自分も結果を出すのに最短ルートを選べるかもしれないということを期待して、書籍で入門編、セミナーで実践編と言える構成を試してみる価値はあると思われます。
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