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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/06/15 11:03, 提供元: フィスコ

中西製作所 Research Memo(3):学校給食でトップクラスのシェア。大規模施設向け大量調理機器と一貫体制が強み

*11:03JST 中西製作所 Research Memo(3):学校給食でトップクラスのシェア。大規模施設向け大量調理機器と一貫体制が強み
■事業概要

1. 事業概要
中西製作所<5941>は、業務用厨房機器製造販売事業と不動産賃貸事業の2つを展開している。2026年3月期において、業務用厨房機器製造販売事業は売上構成比99.8%、営業利益構成比98.4%と業績の大半を占める。このうち自社製品の売上構成比は84.5%で主力製品は食器洗浄機、食器消毒保管機、加熱調理機、炊飯システムなど、商品は15.2%で什器備品調理機器やステンレス機器などとなっている。売上総利益率は商品に比べて製品のほうが7〜8ポイント高くなっている。主力部門の学校給食の納期が夏季と年度末に集中するため、売上高は第1四半期と第3四半期に比べて第2四半期と第4四半期、特に8月と3月に多くなる傾向がある。このため、コストコントロールの難易度が高い事業と言える。なお、不動産賃貸事業では、東京都中央区に所有するオフィスビルの一部フロアを賃貸している。

2. 自社製品
同社の製品は、学校給食センターや病院・福祉施設、事業所、外食、食品工場など、大量調理をする厨房向けが中心である。大量調理に対応できる厨房全体のシステム構成に強みがあり、衛生管理や省人化、省力化、省エネ、省資源のノウハウを蓄積している。

食器洗浄機では、学校給食センター向け大型洗浄機「NAWシリーズ」や、単独校や病院向け「EO型洗浄機」、外食産業向け「SMARTwasherシリーズ」、容器洗浄機など多様な製品を展開している。なかでも「NAW-PATA」は、食器をカゴに入れたまま強力な洗浄ノズルで食器間に隙間をつくりながら連続洗浄する機能を備えている。食器をカゴから出し入れする手間を省き、必要な人数と洗浄スペースを最小限に抑えるシステムであり、人手不足を背景に需要が高まり、採用が進んでいる。また、水の再利用による節水や断熱による熱効率の向上など省エネも実現している。食器・容器の衛生を保つ食器消毒保管機器は、標準式、カートイン式、コンテナ式など用途に合わせたラインナップがある。

加熱調理機では、業界に先駆けて連続式過熱水蒸気オーブンを開発・発売し、コンビニエンスストア向けをはじめとする食品の品質向上や食感の維持に寄与している。近年では殺菌効果も確認され、産学連携で野菜調理などへの応用研究を進めている。小型化も進め、卓上型過熱水蒸気オーブン「DEECO」も開発した。炊飯システムは、炊飯の前工程、本工程、後工程を自動制御し、食数や設置条件に合わせてカスタマイズが可能である。白飯や炊き込みご飯、混ぜご飯、寿司飯にも対応できるため、学校給食センターのほか、コンビニエンスストアからの引き合いも堅調に推移している。加えて、おにぎりや寿司などの米飯が普及している諸外国への輸出も見込んでいる。

3. 対象マーケット
同社が対象としているマーケットは、学校給食、病院・福祉給食、事業所給食、外食産業、食品加工など多岐にわたる。売上構成比は学校給食が50%程度、外食が30%程度、病院・福祉給食が10%程度となっている。

このうち祖業である学校給食は、食器洗浄機や食器消毒保管機など自社開発製品が多く、顧客の多様なニーズに対してカスタマイズが可能で収益性が高い。また、ノウハウを生かした調理場作業の効率化などの提案に加え、安全でおいしい食事の提供に向けた衛生管理などソフト面での提案も行っている。こうした実績や提案力を背景に、同社は全国の学校給食センターにおいてトップクラスのシェアを獲得している。病院や福祉施設では、合理化を背景に給食委託会社がセントラルキッチンでの調理を増やしているため、同社は給食委託会社への営業を強化している。学校や公立病院は一般的に納品の数年前に入札が行われるため、売上高の予測精度が比較的高い傾向にある。

大手外食産業では、日本マクドナルドホールディングス<2702>などの全国チェーンの店内厨房設計やセントラルキッチンに強みがある。特にセントラルキッチンは、同社が強みを持つ大量調理機器のノウハウを適用できるため、積極的に営業を展開している。大手外食チェーンは明確な出店計画を策定しているため、1年先の売上高に関する予測精度は比較的高いと見られる。社食など事業所給食については、労働環境改善に伴う改修がビジネスチャンスとなる一方、自社製品比率の低いカフェテリア方式の増加や、コンビニエンスストアや弁当店でのランチ需要の拡大などを背景に市場環境は厳しさを増している。このため同社は、コンビニエンスストアのベンダー工場への営業攻勢を強めるとともに、ボンディッシュのキッチンレス社食と連携してカバーする方針である。

4. 市場と強み
厨房機器の市場には、同社と同規模クラスの企業が6社ほどある。しかし、各社ともホテル、レジャー産業、外食産業の小型店など特定の分野に注力しているため、市場における一定の棲み分けが進んでいると見られる。

同社は、学校給食センターなどの大規模施設における大量調理機器を得意とし、製造や販売にとどまらず、提案から設計、施工、開設支援、アフターサービスまでを一貫して提供できる体制に強みがある。特に大規模な給食センターにおいては、設計段階から関与している。また、同社には、センター全体の面積の4割程度を占める食器洗浄・食器保管、連続自動炊飯、連続加熱調理という主要4エリアを自社製品で構成できる優位性がある。給食センターには調理後2時間以内に喫食するなどの時間的制約があり、同社が有するトラックの配送ルートを含めたプランニング能力も差別化要因になっている。児童数の減少という懸念はあるものの、今後は給食室の統廃合に伴う大規模センターへの集約が見込まれており、大量調理向けの厨房機器に強みを持つ同社にとって事業環境の追い風となる可能性がある。

こうした強みの背景にあるのが、全国をカバーする営業力と、パイオニアとして自社で企画〜開発〜製造〜販売〜改善・品質管理という製品開発サイクルを持続することで蓄積してきた技術力である。技術的な強みの一例として、産学連携で開発した「ファインバブル」や「二流体ノズル」といった新技術があり、学校給食センター向け大型洗浄機に取り入れたことで、洗浄力の向上とランニングコストの削減を同時に実現した。このほか、連続式過熱水蒸気オーブンや卓上型過熱水蒸気オーブン「DEECO」、炊飯システムなどでも技術力を発揮している。加えて、様々な調理現場に合わせる必要があるため機器には特注品が多く、また納品が8月と3月に偏ることから、製造計画や収益管理の難易度は高いものの、工場の稼働率を平準化するノウハウなどのコストコントロール力が同社の競争優位性を支えている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田 仁光)


《HN》

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