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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2026/01/08 11:03, 提供元: フィスコ

クオールHD Research Memo(3):『マンツーマン薬局』と『ヘルスケア薬局』を展開、M&Aも活用し店舗数拡大

*11:03JST クオールHD Research Memo(3):『マンツーマン薬局』と『ヘルスケア薬局』を展開、M&Aも活用し店舗数拡大
■会社概要

2. 薬局事業
(1) 事業規模と業界内でのポジショニング
クオールホールディングス<3034>の薬局事業では主に調剤薬局の運営を行っている。2025年9月末の店舗数で見ると、総店舗数941店舗のうち約97%に当たる916店舗を調剤薬局で占めており、残り25店舗は病院内売店の運営となる。また、セグメント売上高のうち約92%を処方箋売上高(いわゆる調剤売上高)で占め、残りは薬局やコンビニエンスストア、病院内店舗での商品販売や、同社公式通販サイト内での健康食品、衛生用品などの販売収入である。

調剤薬局業界における同社のポジショニングについて見ると、店舗数では上場している調剤専門チェーンのなかでアインホールディングス<9627>に次ぐ2番手である。ただ、アインホールディングスは2025年8月に業界大手のさくら薬局グループ(2025年3月末で833店舗)を買収したことで、グループ店舗数が同社の2倍強の2,100店舗超と、一歩抜きんでた格好となっている。

(2) 店舗戦略
同社の店舗戦略の特徴の1つとして、タイプの大きく異なる2つの業態で事業展開していることが挙げられる。1つは「マンツーマン薬局」であり、もう1つはコンビニエンスストア大手である(株)ローソンやビックカメラ<3048>など異業種との連携による「ヘルスケア薬局」である。

マンツーマン薬局とは、通常のクオール店舗を対象とした店舗展開の基本スタンスを表象するコンセプトであり、事業モデルにおける“コアビジネス”でもある。そのポイントは処方元医療機関とクオール薬局との深い連携関係にある。“マンツーマン”という言葉は医療機関との深い連携関係を構築するために使用されていると弊社では理解している。マンツーマン(1対1)という言葉からは、1つのクオール薬局は1つの処方元医療機関とだけ連携を深めるとイメージしがちだが、実際には、1つの薬局は複数の医療機関と深い連携関係を構築していることが多いようだ。

マンツーマン薬局では医療機関との連携を生かして効率的なローコストオペレーションを実現し、その果実を患者のためのサービス向上に資することを目指している。具体的には、マンツーマン関係にある処方元医療機関の診療科目や地域性などに応じて店舗設計や機能を変化させた店づくりを追求している。その原資は、マンツーマン経営の利点である医薬品在庫の効率化をはじめとする店舗の低コスト構造から生み出される。同社はマンツーマン薬局のコンセプトのもと、患者にとって利用価値の高い、患者から選ばれる薬局づくりを店舗戦略の中核に位置付けている。また、医療機関との連携を本質とするマンツーマン薬局のコンセプトは、国が掲げる「患者のための薬局ビジョン」に沿ったものと言え、成長戦略においても重要なポイントとなっている。

もう1つの業態である、異業種との連携によるヘルスケア薬局の展開は、2009年6月の薬事法改正により、コンビニエンスストアやドラッグストア、スーパーなどの他業種店舗が登録業者として、一般用医薬品(いわゆる大衆薬)を販売できるようになったことが背景にある。これを機にドラッグストアなどで調剤薬局事業に参入する流れができ、それを迎え撃つ施策として同社は既述の2社との事業連携に踏み切り、その取り組みを推進している。

マンツーマン薬局では顧客層がある程度絞り込めるため、医薬品在庫などもそれを念頭において効率化できるが、ヘルスケア薬局は人通りの多い立地で不特定多数の顧客をターゲットとする面対応型薬局となる。このため、店舗の在庫管理などの点でマンツーマン薬局よりも負担が増えるが、より多くの来店客数(すなわち処方箋応需枚数)を期待できる。マンツーマン薬局をコアモデルと位置付けつつ、ヘルスケア薬局も展開することで顧客層の拡大を図ることが同社の狙いである。また、良品計画<7453>との連携により、無印良品店舗内への出店も2022年3月期より開始している。良品計画では生活者の“健やかな暮らし”に貢献すべく、健康づくりの場として健康イベントの開催や健康相談が気軽にでき、病気予防や健康維持から薬までを一気通貫で提供する「まちの保健室」を無印良品内に出店しており、その協業パートナーとして同社が調剤薬局を出店している。2025年9月末のヘルスケア薬局店舗数はローソンとのコラボ店が36店舗、ビックカメラ内店舗が4店舗、無印良品内店舗が2店舗となっているほか、駅ナカ店舗が1店舗ある。

2026年3月期中間期末の地域別出店数を見ると、関東が401店舗と最も多く、次いで関西が145店舗、甲信越が126店舗と3つの地域で全体の7割を占めている。東京を創業地として店舗展開してきたことから関東圏が多いが、ここ数年はM&A戦略を推進しながら甲信越や関西、九州・沖縄エリアについても店舗数を着実に増やしている。前期末比で7店舗減となったが、収益体質の強化を進めるため13店舗を閉店したことが要因である。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


《HN》

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