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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/12/25 10:04, 提供元: フィスコ

ステップ Research Memo(4):ドミナント展開と効率的なマーケティング戦略で高い収益性・安定性を実現(2)

*10:04JST ステップ Research Memo(4):ドミナント展開と効率的なマーケティング戦略で高い収益性・安定性を実現(2)
■会社概要

(2) ドミナント展開と口コミ情報による効率的なマーケティング戦略
ステップ<9795>は県内の湘南地区や中西部において既に揺るぎないブランド力と業界シェアを確立しており、現在は横浜・川崎市内で計画的にスクールを開設しシェアを拡大し続けている。スクール展開は地域集中型のドミナント戦略を基本とし、生徒の募集活動に関しては過大な広告宣伝費をかけずに、生徒やその保護者による口コミ情報を基本に据えていることが特徴の1つである(ホームページやYouTube、X(旧 Twitter)も活用)。このため、同社の広告宣伝費率(対売上比)は2025年9月期で0.6%と業界平均を大きく下回っている。近年は定員数に達して募集を早々に打ち切るスクールが増えていることも、広告宣伝費の抑制につながっている。広告宣伝費率の低さは、同社の教育サービスに対する生徒・保護者からの高い評価の裏返しとも言える。

顧客満足度の客観的評価として、2025年11月に発表されたオリコン顧客満足度(R)ランキングにおいて、「小学生 塾 首都圏」ランキングで10年連続1位、「高校受験 塾 首都圏」ランキングで9年連続1位、「大学受験 塾・予備校 現役 首都圏」ランキングで8年連続1位をそれぞれ獲得するなど、実際に通塾する生徒や保護者から高い評価を受けていることが外部の調査機関により明らかとなっている。

(3) 高い収益性・安定性
3つ目の特徴としては、業界のなかでも高い収益性を誇り、かつ抜群の収益安定性を兼ね備えている点が挙げられる。この要因としては、広告宣伝費率の低さに加えて進学塾としての圧倒的なブランド力や高い顧客満足度により入塾を希望する生徒が多く、1教室当たり平均生徒数が高水準で安定していること、校舎の開設も教師の育成に合わせて、年間で多くても3〜4校と無理のないペースで進めていること、事業を学習塾に特化しているため本社機能がスリム化されていること、などが挙げられる。2020年9月期はコロナ禍において授業料の返還や特別授業料の適用を行ったため、営業利益率が20%の水準を下回ったものの、こうした施策を取ったことで逆に生徒や保護者からの信頼感が高まる結果となり、2021年9月期の営業利益率は26.9%とコロナ禍前の水準を上回った。2023年9月期は今後の成長をより確かなものとするため、教師に対する処遇向上や学習環境の整備を実施したことで利益率が一時的に低下したが、それでも直営集団塾を主に展開している学習塾のなかで業界トップの収益性を維持していることに変わりない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)


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