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フィスコ投資ニュース
配信日時: 2025/09/25 11:07,
提供元: フィスコ
クオルテック Research Memo(7):次世代技術と戦略投資で成長領域を拡張
*11:07JST クオルテック Research Memo(7):次世代技術と戦略投資で成長領域を拡張
■クオルテック<9165>の成長戦略
2. 成長戦略
同社は2024年6月期から2027年6月期を、各事業において事業機会を確実に捉え、成長の可能性を広げる期間としている。2027年6月期において売上高を50億円以上、営業利益率を10%以上とするとともに、設備能力と人員を30%増強することを目標としている。2025年6月期までは、営業利益率15%以上、設備能力15%増強としていたが、顧客の多様化するニーズに応えるための研究開発や設備投資をさらに拡充して将来の成長につなげることを優先すべく、営業利益率10%以上、設備能力30%増強に見直した。なお、中長期の目標としては、TQSの進化を続けることにより既存事業領域に加えて新規事業領域へと事業内容を拡大し、長期的には売上高100億円以上を目指す。
(1) 2025年6月期の成果
営業体制の強化と事業部門の再編・成長施策を推進した。営業体制の強化として、「九州地区での販路拡大」「新規顧客の開拓」「半導体、電子機器以外の分野開拓」を進めた。「九州地区での販路拡大」では、熊本営業所が営業活動を推進し、現地に拠点を持つ半導体メーカーからの受注獲得を進めた。「新規顧客の開拓」では、九州地方の半導体企業や東海地方の自動車関連企業のほか、微細加工分野でガラス基板やその他素材の案件開拓を行った。事業部門の再編・成長施策としては、「新体制による全体最適化への移行」「パワエレテクノセンター竣工等の成長投資加速」「営業部門との連携強化」を進めた。「新体制による全体最適化への移行」では、先に述べたTQSの進化加速に係る施策として、信頼性事業や微細加工事業における案件受注を通じて適用を進めた。「パワエレテクノセンター」については2024年11月に予定比前倒しで竣工し、センター竣工後の跡地利用を着実に進めている。「営業部門との連携」としては、信頼性評価事業における試験メニューの拡大ニーズへ対応したほか、微細加工事業の表面処理技術では素材メーカーをターゲットに拡販活動を行い、大手メーカーからの受注獲得等の成果を得た。
(2) 2026年6月期の取り組み
2027年6月期のゴールに向けた中間期である2026年6月期は、引き続き企業の成長と持続可能性を支えるための施策を実施する。
a) パワエレテクノセンター稼働強化
2024年11月に開所したパワエレテクノセンターの信頼性評価試験や故障解析等のキャパシティを、従来比1.5倍に拡大し、現行のパワー半導体向けともに次世代パワー半導体向け試験需要への対応を進める。次世代パワー半導体に用いられるSiCのほか、GaNやGa2O3(酸化ガリウム)等の素材にはそれぞれ特性があり、SiCは高耐圧・高温動作・低損失で、太陽光発電用途や鉄道、自動車用途といった中容量から大容量の機器に用いられる。GaNは、SiCと比較してコストは高いものの、高速スイッチングが可能で、高性能かつ小型の半導体が必要とされる通信機器や家電用途に利用されることが期待されている。Ga2O3は、SiCやGaNよりも高電圧・大電流の電力を扱うことが可能で、低コスト生産の可能性が予想されている。現時点では、SiCは実用化されており、GaNは実用化が近づき、Ga2O3は研究の段階にある。GaNは、同社が得意とする自動車向け半導体に使用される可能性が高く、同社はこれらの次世代パワー半導体に対する信頼性評価試験の対応として、パワエレテクノセンターの対応能力の増強や半導体モジュールの故障解析能力の向上等により、様々な半導体材料や半導体モジュール、パッケージの評価ニーズ増大に対応する考えである。なお、パワエレテクノセンターへの集約により生じた他センターの跡地では、パワエレテクノセンターで行う以外の試験メニューを拡大強化する。
b) 二次電池解析事業の拡充
電動車が搭載する電池として現在主力であるリチウムイオン電池に関し、増大している試験・分析ニーズに対応すべく、積極的な設備投資を行うことで対応能力向上を図り、リチウムイオン電池の解析事業拡大を進める。
c) 新規事業、次世代成長事業
新規事業に向けた新プロジェクトとして「MAPプロジェクト」を発足した。「MAP」とは「Mist-Assisted universal Plating Project」の略で、同社独自開発のコーティング技術である「ユニバーサルめっき法」を活用し、新たなコーティング技術を開発し、用途を拡大する。「ユニバーサルめっき法」では、高品質で緻密な機能性膜の形成が可能となり、通信、半導体、医療、航空宇宙、再生可能エネルギーといったそれぞれの分野で必要とされる被膜性(導電性、絶縁性、耐摩耗性、耐薬品性等)に対応した機能性膜が提供可能となる。同社はこうしたコーティング技術を低コストかつ安定供給可能な、環境配慮型技術として確立することを目指す。
また次世代パワー半導体への対応の一環として、Patentix(株)との間で進めている新規次世代パワー半導体用の素材であるGeO2の製膜事業については、現在順調に開発が進捗中である。2027年6月期における製膜事業参入を目指すという当初計画に変更はない。
d) 技術開発強化
新規事業のシーズ開発と既存事業の成長支援を目的とした研究開発を進めており、多彩な技術を軸とした研究により新たな事業分野を創出する方針である。前者の例としては前掲のMAPプロジェクトのほか、安全な次世代二次電池として産学連携で研究開発を行っている全固体フッ化物イオン電池の試験・分析の早期事業化を進めている。後者の例としては電池解析の技術拡張として、全固体電池のインピーダンス(交流回路における電流の流れにくさ)測定に向けた事業化を進めている。
■株主還元策
2026年6月期の1株当たり配当金は37.0円を予定
同社は配当政策について、事業成長に向けた投資余力の確保と安定的な株主還元の両立を基本ポリシーとして継続しており、2025年6月期の配当金、配当性向入れる2026年6月期においてもこの方針に基づいた株主還元を行う考えである。2026年6月期の1株当たり配当金については前期比同額の37.0円を計画している。なお配当性向は32.1%となる見込みである。
(執筆:フィスコアナリスト 村瀬 智一)
《HN》
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