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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/09/18 10:02, 提供元: フィスコ

株式会社セレス×馬渕磨理子氏|対談動画文字起こし(3)

*10:02JST 株式会社セレス×馬渕磨理子氏|対談動画文字起こし(3)
株式会社セレス<3696>×馬渕磨理子氏|対談動画文字起こし(2)の続き

馬渕:
そうした背景を伺うと、モッピーを応援したいという気持ちになります。理念を知ることはとても大事ですね。

都木:
はい。お客様とユーザー双方にメリットがある、いわゆるウィンウィンのサービスだと信じていますので、引き続き成長させていきたいと考えています。

馬渕:
とても魅力的です。では次にフィナンシャルサービス事業について伺います。ブロックチェーン分野では、完全子会社のマーキュリーが運営する「CoinTrade」と、持分法適用関連会社の「ビットバンク」があります。この2つは、取引所と販売所という形でどのように棲み分けをされているのでしょうか。

都木:
ビットバンクは取引所、CoinTradeは販売所となります。もともとビットバンクは、国内ではCoincheck、bitFlyerと並ぶ三強の1つで、国内最大規模を狙う取引所です。一方、ビットバンクは当社の100%子会社ではないため、当社としては取引所ビジネスにとどまらず、送金・ステーキング・ブロックチェーンゲームなど周辺領域まで自前で展開できる体制を重視しました。

そのため、暗号資産交換業のライセンスを100%保有することにこだわり、マーキュリーでライセンスを取得し、「CoinTrade」という販売所を立ち上げました。ただし、ビットバンクと同じビジネスをすると競合してしまうため、CoinTradeは資産運用を特徴としています。暗号資産取引所は投機的に売買を行うユーザーが多いですが、当社はステーキングやレンディングといった金利型の商品を用意しています。

馬渕:
ステーキングとはどういうものですか。

都木:
簡単に言うと、暗号資産を預けることで、銘柄により最大15%程度の利回りを得られる仕組みです。ただし、単に利息で運用しているわけではありません。暗号資産はブロックチェーン上で「コンセンサスアルゴリズム」と呼ばれる仕組みにより維持されています。ビットコインでいうマイニングのように、サーバーをネットワーク全体で支え合って運営する仕組みです。そのサーバーの一部になることで報酬を得られるのがステーキングです。マーキュリーがその仕組みに参加し、個人投資家の資産をまとめて預かることで、個人では難しいステーキングを容易に体験できるようにしています。

馬渕:
なるほど。投資信託でプロの運用に個人が参加するようなイメージですね

都木:
ただし、当社が行っているのは運用ではなく、マイニングのようにネットワークに参加して報酬を得る仕組みです。そのため、一定の利回りのようなパーセンテージが見える形で発生します。

馬渕:
それはビットコインのような主要通貨でも可能なのですか。

都木:
ビットコインはステーキングではなく、マイニングをベースにした「プルーフ・オブ・ワーク」という仕組みです。一方、ステーキングは「プルーフ・オブ・ステーク」という仕組みで、代表的なのはイーサリアムです。イーサリアムはすでにステーキングへ移行しており、現在は2-3%程度の利回りがつく状況になっています。

馬渕:
そんなに利回りがあるのですか。もちろん価格変動リスクはあると思いますが。

都木:
はい。その点に対応するため、当社では積立サービスを提供しています。毎月ドルコスト平均法でイーサリアムを購入しながらステーキングに参加いただくことで、価格変動を平準化しつつ、概ね2%の利回りを得られる仕組みです。

馬渕:
現在はそのような世界になっているのですね。イーサリアムを積立投資し、同時にステーキングを行うという形ですね。

都木:
はい。イーサリアムを積立ててステーキングを行うことで、利回りとして毎年2%程度が得られます。加えて、直近半年でイーサリアム自体が約2倍に値上がりしていますので、価格上昇益も享受できます。ドルコスト平均法で購入していけば下値リスクも抑えられます。

馬渕:
なるほど。ただ、そのステーキングによる利益も、現状では暗号資産に関する法律上、税金の対象になりますよね。

都木:
そうです。現状、暗号資産の利益は雑所得に分類され、他の所得と合算されて課税されます。高所得者の場合は最大で55%の税率がかかります。

馬渕:
暗号資産は現段階では雑所得扱いですね。ただ、将来的には一律20%の分離課税に移行する方向で議論が始まっています。

都木:
はい。現時点ではステーキングによる利益も雑所得として扱われています。ただし、ここが非常に面白いところです。現在、金融庁や政府ではWeb3や暗号資産を資産運用の概念に基づいて法律上の体系を見直そうとしています。現在は資金決済法に基づいて暗号資産交換業が位置付けられていますが、将来的には金融商品取引法に移行する方向で議論が進められています。金融商品取引法上の扱いになれば「運用資産」となり、税制についても一律20%の申告分離課税へ移行する可能性が検討されています。

馬渕:
それは遡って適用されるのでしょうか。その点がよくわからないのですが。

都木:
そこはまだ法律の内容次第です。

馬渕:
ただ、注目すべきポイントですね。

都木:
はい。基本的には売却したタイミングで課税されます。

馬渕:
つまり、今から始めて、将来の売却時点が新しい法律の下であれば。

都木:
そのタイミングで売却した分については適用される可能性があります。

馬渕:
つまり、保有しているだけなら影響はないということですね。

都木:
はい。保有中は関係ありません。

馬渕:
そして御社はレンディングも手掛けているのですね。

都木:
はい。レンディングはステーキングとは異なり、当社が裏側で運用する仕組みです。現在、当社では金・銀・プラチナに連動する暗号資産を取扱っており、それらを対象にレンディングを行っています。これにより、金であっても金利がつく仕組みになっています。

馬渕:
本来、金には金利がつかないはずですよね。

都木:
そうです。そこに金利がつくのです。

馬渕:
これはまさに発明ですね。今まで世界になかった仕組みではないですか。

都木:
はい。しかも小口で売買が可能ですし、暗号資産ですので、実物の金を保有する必要もありません。金に連動した暗号資産に投資するだけで金利が得られます。

馬渕:
とても勉強になります。

都木:
利回りは0.1%程度ですが、それでも「金で金利がつく」というのは大変衝撃的な商品だと思います。

馬渕:
このようにユニークな取り組みをされているので、投資家はセレス自体にも関心を持ちますし、サービスそのものにも興味を持たれる方が多いと思います。実際にフィナンシャル事業の売上や利益を見ると、マイナスになることがありますよね。

都木:
はい。マイナスになることがあります。

馬渕:
そこが少し疑問なのですが、どう理解すればよいでしょうか。

都木:
売上というより「営業収益」という項目で捉える必要があります。日本の会計基準では、保有する暗号資産は時価評価されます。当社は取引所を運営し、ステーキングも行っているため、一定量の暗号資産を保有しています。その価格が上昇すればプラス、下落すればマイナスになります。
イメージとしては、銀行が保有する国債の評価損益が営業収益に反映されるのと同じです。これが四半期ごとに時価評価されるため、価格変動によって営業収益がマイナスになることがあります。

株式会社セレス×馬渕磨理子氏|対談動画文字起こし(4)に続く


《FA》

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