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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/08/05 09:27, 提供元: フィスコ

ネクストジェン:利益増とPER向上に期待、総還元利回りも4%超

*09:27JST ネクストジェン:利益増とPER向上に期待、総還元利回りも4%超
通信キャリア、一般企業、官公庁向けに音声を中心とする通信技術に関するソリューション及びサービスを手掛けているネクストジェン<3842>の株価推移に注目しておきたい。中期経営計画が策定されるなど業績は再拡大局面入りとなっており、株主還元への積極姿勢も確認できている。株価は少なくとも50%上方が期待される。

クラウドサービスや保守サポートなどのサブスクリプション型契約が堅調に積み上がったことに加え、重要顧客へのコンサルティング及びシステム構築などの案件も拡大しつつある状況下で策定された中期経営計画は、最終年度に向けた営業利益のCAGRで+23.6%と高い成長となっている。積極的な株主還元と利益成長でROEも2桁が視野に入る状況下、利益とPERの切り上がりの両面が期待し得る状況が想定される。今期予想でPER20倍の評価だと、株価は1,300円台半ばとなり、現状から50%上方の水準となる。

なお、同社はグローバルスタンダード製品を輸入することで、初期の製品開発投資のリスクをコントロールし、市場開拓を先行させるビジネスモデルを確立してきた。展開している事業は、ボイスコミュニケーション事業(音声通信の高度化)とクラウドDX事業(キャリア向けソリューションと業務プロセス改善(BPM)ソリューション、2025年度からコミュニケーションDX事業の領域を拡大、再定義)の2つに区分される。前者は、一般企業向けに業務に用いるPBX(外線・内線の接続や制御を行う電話交換機)、ビジネスフォン、携帯電話などの音声通信をサポートするソリューションや通話録音データを活用したAI連携ソリューション等を展開している。後者は事業領域を拡大・再定義し、祖業である通信キャリア向けの通信コアシステム事業と、成長著しいクラウドサービスに必要不可欠のネットワーク技術を強みとし、お客様の「クラウド・リフト、クラウド・シフト」を支援する事業へと拡大、通信DXソリューションとクラウドBPMソリューションを提供。事業別売上高構成比はボイスコミュニケーション事業が約60%、クラウドDX事業が約40%となる。

同社の販売チャネルについては、通信キャリア向けが直接販売であり、一般企業や官公庁などのエンタープライズ向けについては、NECネッツエスアイ、都築電気<8157>、サクサ<6675>、岩崎通信機などの事業パートナーを経由して販売している。

同社の主力製品であるSBC(セッション・ボーダーコントローラーの略であり、異なる通信キャリア間の電話網やネットワークを接続するゲートウェイ装置)は国内市場シェア1位である。主な競合はリボン・コミュニケーションズ、AudioCodes、日本オラクル<4716>といずれも外資系であるが、同社は国内の音声通信に関する複雑且つ厳しいレギュレーションに完全対応、オンプレミスとクラウドどちらでも導入することができ、価格面も他社より魅力的なことから顧客に選ばれている。

同社は2025年3月期から2027年3月期までの中期経営計画を公表しており、2028年3月期の定量目標は売上高が5,000百万円(2025年3月期実績は3,620百万円)、営業利益が400百万円(同262百万円)となる。ワンタイム型ビジネスからサブスク型ビジネスへの移行が進行しており、売上額こそ大きいものの利益が薄いハードウェア製品の売上が減少、全体の売上高の成長が抑えられているが、利益額、利益率ともに向上する。ボイスコミュニケーション事業は音声通信のクラウド移行に関する需要が徐々に拡大しており、契約数の増加による堅調な売上成長が見込まれる。クラウドDX事業では、通信販売、コンタクトセンターなどにおける電話対応において音声収録のニーズが拡大していることを踏まえ、同社がこれまでノウハウを蓄積してきた音声認識AI及び生成AI技術の活用により、自動応答サービスなどの事業拡大による収益成長を図っていく。今2026年3月期は、売上高で前期比4.9%増の3,800百万円、営業利益で同6.8%増の280百万円が予想となる。

株主還元については、2026年3月期の年間配当は25.0円の計画であり、1株当たり当期純利益計画をもとに算出される配当性向は36.8%である。また、株主優待を新設しており、毎年3月末時点に同社株を200株以上保有する株主向けにQUOカード3,000円分を贈呈しており、配当と優待を合計した総還元利回りは4.49%(2025年7月24日終値ベース)と魅力的な水準となっている。



《HM》

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