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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/05/22 11:03, 提供元: フィスコ

ALiNK Research Memo(3):「tenki.jp」はフォロワー280万人超の国内最大級のプラットフォーム

*11:03JST ALiNK Research Memo(3):「tenki.jp」はフォロワー280万人超の国内最大級のプラットフォーム
■事業概要

ALiNKインターネット<7077>はtenk.jp事業、IPプロデュース事業、その他の事業と3つの事業を展開している。詳細は以下のとおりである。

1. tenki.jp事業
tenki.jp事業は、同社の連結売上高の72.7%を占める(2025年2月期実績)基幹事業であり、主に「tenki.jp」と「tenki.jp 登山天気」の2つの気象関連サービスを展開している。主力サービスである「tenki.jp」は、天気予報、防災情報、観測データを多角的に提供する総合気象情報メディアであり、PC及びスマートフォン向けに提供している。年間ページビュー(以下、PV)数は60億(2025年2月期実績)に達し、高いユーザーリーチを誇っている。Xでは282万人のフォロワー(「tenki.jp」のフォロワー数。2025年5月時点)を有しており、発信力や影響力の面においても国内最大級の天気情報メディアである。同サービスは2週間先までの天気予報、1時間ごとの天気、雨雲レーダーなどの基本情報を無料で提供していることに加え、気象予報士による専門的な解説、洗濯指数、お出かけ指数、花粉飛散情報など生活密着型のコンテンツも充実している。また、広告の非表示や一部機能の拡張が可能となる月額課金型サービス「tenki.jp ライト」も提供しており、ユーザー体験の最適化を図っている。

「tenki.jp 登山天気」は、日本三百名山をはじめとする人気の山岳地域を対象とした登山者向けの専門天気情報サービスであり、スマートフォンアプリとして提供している。登山口から山頂までの標高別の気象情報、雷危険度、台風接近情報などをリアルタイムで提供しており、安全な登山計画の立案を支援している。2025年4月14日時点のアプリのダウンロード数は66.1万、課金ユーザー数は2万人である。同サービスは気象業務法に基づき、不特定多数への公開が制限されているピンポイント予報を含むため、有料会員サービスとして提供している。料金体系は、機能に一部制限のある「ライトプラン」が月額240円(税込)、全機能を利用することができる「プレミアムプラン」が月額550円(税込)、年払いにすると4,980円(税込)となっている。

tenki.jp事業の収益の柱は広告収入であり、とりわけ「tenki.jp」に掲載されている運用型広告が全体の80%以上を占める。広告配信においては、アドネットワークの活用に加え、海外の先進的なプロダクトも積極的に取り入れながら、広告パフォーマンスの最大化を図っている。なかでも、独自の気象データ連動型広告システム「天気マッチング広告」により、気象条件の変化に応じて広告内容を最適化する仕組みを構築し、広告効果と収益性の向上を実現している。

なお、「tenki.jp」は同社と日本気象協会の共同運営体制となっており、両者が役割分担を明確にして運営に当たっている。具体的には、同社がWebサイト及びアプリの企画・設計、システム開発、広告運用の最適化などを担当し、日本気象協会は気象データの提供及び気象関連コンテンツの企画・制作を担っている。広告収入はレベニューシェア方式を採用しており、分配比率は同社が49.5%、日本気象協会が50.5%となっている。

2. IPプロデュース事業
同社は2024年5月、地域活性化をテーマにしたキャラクターコンテンツ「温泉むすめ」を展開するエンバウンドを買収し、IPプロデュース事業を開始した。同事業では同コンテンツのプロデュース、企画立案、コンテンツ制作、イベント・メディア運営などを一貫して手掛けており、コンテンツの企画力とIP運用ノウハウを生かした多角的な展開を行っている。

「温泉むすめ」は、日本全国の温泉地を舞台として、各地域の伝承・文化的背景・自然の特徴をモチーフとして擬人化したオリジナルキャラクターを用い、温泉地の魅力を発信する地域振興プロジェクトである。アニメ・音楽・ライブイベント・観光施策などと連動したクロスメディア展開を通じて、若年層を中心に全国でファンを獲得している。2025年4月14日時点で132のキャラクターが登場しており、うち24キャラクターが観光大使や地域のPRアンバサダーなどに正式就任している。これにより、コンテンツとリアルな地域施策をつなぐハブとしての役割を果たしており、IPの社会的価値と地域連携のモデルケースとなっている。今後は、「温泉むすめ」のブランド拡張に加え、新規IPの開発や他企業・自治体とのコラボレーションによるライセンスビジネス、グッズ販売、デジタルコンテンツ配信など、多面的な収益化モデルの構築を視野に入れており、同社の新たな成長ドライバーとして位置付けている。

3. その他の事業
同社は事業多角化戦略の一環として、太陽光コンサルティング事業とダイナミックプライシング事業を展開している。太陽光コンサルティング事業は、太陽光発電設備のセカンダリー市場(既設の太陽光発電設備の売買・運用市場)において一時的に発電設備を保有し、売電収入やスポンサー料を得るビジネスモデルである。ダイナミックプライシング事業は、市場動向や気象データなどを活用して最適な価格を算出する技術を基盤としており、事業譲受により取得したレンタルスペース事業を実証実験として運営している。

太陽光コンサルティング事業は、国内における再生可能エネルギー需要の高まりに伴い拡大している太陽光発電のセカンダリー市場に着目したものである。同社は一定期間発電設備を自社で保有することにより、売電収入及びプロモーション協賛などのスポンサー料を得る収益モデルを構築している。エネルギー資産の価値最大化を図ると同時にエネルギー関連事業者や投資家に対するコンサルティングサービスも展開し、持続可能なエネルギービジネスの促進に貢献している。

ダイナミックプライシング事業は、AIアルゴリズム及びリアルタイムの市場データ・気象データなどを活用し、需要予測に基づいた最適価格の自動算出技術を核とする取り組みである。価格変動を柔軟に管理するこの技術は、小売・観光・交通など幅広い業種への応用が期待されており、同社はその実証フィールドとして、事業譲受により取得したレンタルスペース事業を活用している。実際の運用データを通じて価格最適化のアルゴリズム精度を高めるとともに、サービス価値の最大化を図ることを目的としている。これらの事業はいずれも、同社が保有する「気象データ活用力」「IT・データ解析技術」といったアセットを生かした新規領域であり、長期的には新たな収益源として成長が期待されている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 吉林拓馬)


《HN》

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