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フィスコ投資ニュース

配信日時: 2025/03/06 13:06, 提供元: フィスコ

サンフロ不動産 Research Memo(6):好調なストック型事業において過去最高益を更新(2)

*13:06JST サンフロ不動産 Research Memo(6):好調なストック型事業において過去最高益を更新(2)
■サンフロンティア不動産<8934>の業績動向

2. セグメント別の事業動向
(1) 不動産再生事業
不動産再生事業は、売上高38,305百万円(前年同期比1.9%減)、セグメント利益10,743百万円(同7.5%減)、販売件数は前年同期と同数の21件(うち、小口所有商品2件)となった。前年同期比で減収減益となるも、契約済みの物件を加えた売上総利益の業績予想に対する進捗率は90%超を達成しており、通期計画達成の蓋然性は高い。市場の購買需要は引き続き旺盛であり、販売件数22件から小口所有商品2件を除いた20件の販売先内訳は、国内法人9件、国内個人富裕層2件、台湾個人富裕層8件、その他アジア系投資家1件となっている。台湾富裕層の購買意欲は高く、口コミとリピート需要により販売実績を伸ばしている。セグメント利益率に関しては28.0%と高水準を維持しており、売却物件のキャップレート(還元利回り)も約3.8%と安定的に推移している。仕入れから商品化までの期間を指す平均事業期間は655日(前年通期比45日減)、新築物件1件(1,877日)や長期物件1件(1,911日)を除いた平均期間は509日である。事業期間にこだわった運営により、高い資本効率性を実現する方針だ。また、契約済み未決済を含む物件の仕入れ額は43,200百万円であり、通期仕入れ目標の55,000百万円に対して78.5%の進捗を達成した。仕入状況については、例年1〜3月に活況を呈するが、足元の第4四半期においても旺盛であり日々活発に案件検討が行われている状況である。この時期に仕入れる物件には、来期の商品化やさらに先の2030年の商品化に向けたものも含まれており、中長期的な視点で進められている。

(2) 不動産サービス事業
不動産サービス事業は、売上高9,279百万円(前年同期比19.5%増)、セグメント利益4,581百万円(同7.2%増)となった。プロパティマネジメント事業では、管理受託棟数の増加により収益が拡大し、ビルメンテナンス事業においても、管理棟数の増加と原価上昇を抑制しながらの価格改定及び付加価値向上が奏功し、増収増益を実現している。リーシングマネジメント事業においては、賃貸仲介は前年同期比でほぼ横ばいである一方、売買仲介は紹介案件の成約に加え、グループ会社である東京陽光不動産股フン有限公司による台湾向け仲介事業の成長により、増収増益となった。貸会議室事業では、増床及び新規オープンによる運営規模の拡大と、リピーターからの長期・大規模な催事受注の増加により売上は拡大したが、開業準備費用の増加が影響し減益となった。東京都内の貸会議室需要は検定試験や研修需要のほかにも、近年増加傾向にある会議室を持たない企業や、関連各社が集まる業界団体の研修向けの需要もあり、潜在需要によるポテンシャルは高い。また、滞納賃料保証事業では、新規契約件数の拡大が功を奏し、増収増益となった。また、2024年9月に設立された子会社であるサンフロンティアアセットマネジメントでは、2026年3月期に私募リート第1号の組成を目指し準備を進めている。

(3) ホテル・観光事業
ホテル・観光事業は、売上高12,502百万円(前年同期比12.9%減)、セグメント利益3,041百万円(同24.3%減)となった。ホテル開発事業においては、前年同期のホテル1棟売却の反動により減収減益となったが、沖縄県名護市における土地取得や北海道石狩市、兵庫県加古川市での建設工事の順調な進捗、さらには1月に熊本市での着工といった多数の開発案件が進行中である。今後も運営ホテルの客室数増加に向けて、M&Aや開発用地の取得を積極的に推進する。ホテル運営事業等に関しては、M&Aによる運営棟数の増加と旅行需要の回復、インバウンド効果により稼働率及び客室単価が上昇し、増収増益を実現している。

(4) その他
その他の事業は、売上高1,357百万円(前年同期比24.0%減)、セグメント利益281百万円(同38.3%増)となった。建設事業では、大型案件における利益率の改善などが寄与し、増益となっている。また、海外開発事業では、2024年8月に着工したベトナム新規分譲マンションプロジェクト(第2号案件「HIYORI Aqua Tower」)が、2026年秋の竣工を予定している。加えて、ベトナムダナン市における3号物件に向けて、土地仕入の情報収集を同時進行で進めていく。

3. 財務状況
2025年3月期第3四半期末の資産合計は、前期末比15,203百万円増の203,864百万円となった。物件の仕入れや工事の進捗、納税と配当の影響を受け現金及び預金が9,898百万円減少した。また、リプランニング物件・不動産小口所有商品・ホテル開発用地等の仕入れと工事の進捗により、棚卸資産が18,891百万円増加した。固定資産は前期末比5,566百万円増の34,709百万円であり、ホテル開発用地等の仕入れや工事進捗、M&Aの影響により増加した。

負債合計は前期末比10,651百万円増の104,895百万円となった。有利子負債に関しては、物件仕入れに伴う借入れにより同9,107百万円増の88,647百万円となった。短期借入金が1,019百万円、長期借入金が11,837百万円増加した一方で、1年内返済予定の長期借入金が3,749百万円減少した。

純資産合計は前期末比4,552百万円増の98,968百万円となった。配当金の支払い3,161百万円があった一方で、親会社株主に帰属する四半期純利益7,855百万円の積み上げ等により増加した。自己資本比率は同1.2ポイント低下の46.7%であり、積極投資を進めながらも高水準を維持している。財務健全性は盤石であり短期的な懸念事項はないものと弊社では見ている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 茂木稜司)


《HN》

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