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イベント投資とIPO投資

毎月収益機会が発生するTOPIX買い


 TOPIXは、“Tokyo Stock Price Index”の略で、日本語では「東証一部株価指数」といいます。 TOPIXは、東証一部に上場している銘柄の合計時価総額を評価するために作られた指数で、「日経平均株価指数」と並んで、日本の経済状況を表す代表的な株価指数として知られています。

 東証一部の銘柄数は、東証二部やマザーズからの繰り上げによる昇格か、新規企業の直接上場で増加します。一方、上昇廃止や東証二部降格などで減少します。TOPIX買いは、新規に東証一部へ昇格や上場した銘柄に注目します。

モーニングスター(4765)

モーニングスター(4765)日足チャート

454円 10,000株
490円売却 +360,000円

 東証一部に上場した銘柄が、TOPIXに組み込まれるまでの間に、TOPIX連動型ポートフォリオを顧客に販売している機関投資家は、当然、新規銘柄が東証一部に現れると、連動性を保つために、その企業の株を買わなければいけません。

 機関投資家は、「新規銘柄がTOPIXに組み込まれる日(受け渡し最終日)までに、どうしても買わざるを得ない状況になる」ということです。機関投資家は投資資金の規模が大きいので、株価の動きに対しても大きな影響力を持ちます。そのため、東証一部への上場が決まると、その銘柄は「TOPIXに組み込まれる日まで買われる」という思惑が働きます。

 この手法のメリットは、売買の期間が限られていること(上場日からTOPIX採用日まで)と、東証一部に上場する銘柄が対象となるため銘柄選びの手間が少ないということです。

 私はTOPIX買いを行う際にどの程度の買い需要があるのか予め「インパクト日数」を調べます。このインパクト日数が大きければ大きいほど、TOPIX買いの買い需要が大きくなりますので、その分、株価の値上がりに繋がります。

 直近の事例ですが、私は2020年11月にモーニングスターの売買を行いました。他にも東証一部へ昇格した銘柄がありましたが、インパクト日数の大きさから同社に注目して投資を行っています。


IPOには2回のチャンスがある


 最後にIPO投資についてお伝えします。

 IPO(新規公開株)については、証券会社の抽選に参加をして当選できたら、上場日に初値で売却して利益をあげる手法というイメージが強いと思います。また、抽選に当選しないとIPO株が得られないので、「どうせ当たらない」と思われている方もいらっしゃると思います。

 私は証券会社でIPOの抽選を行っていた経験がございますので、どのように抽選に参加すれば良いのか、獲得数を増やすためにはどのようにしたら良いのかを熟知しています。そのため、今年もIPOをいくつか獲得することができています。

 また、IPO投資は獲得だけではありません。大きく2つに分かれます。

新規上場前に購入するプライマリー投資

 プライマリー投資は、「プライマリーマーケット(発行市場または一次市場)」を対象とした投資方法です。

 プライマリーマーケットとは、これから新たに証券市場に発行される株式を、一般投資家が購入できる市場のことを言います。

 この市場では、新規上場(IPO)する会社の株式の価格(公募価格)は、その会社と証券会社によって決められます。そして、証券会社から公募価格で一般投資家へ売却されます。

 つまり、プライマリー投資とは、新規上場する会社の株式を公募価格で取得して、上場後に価格が上がった時(= 主に初値が決まった時)に売却することによって、値上がり益を得るという投資方法です。

上場後の収益チャンスを狙うセカンダリー投資

 また、セカンダリー投資は、「セカンダリーマーケット(流通市場または二次市場)」を対象とした投資方法です。プライマリーマーケットでは、IPO株の価格は、その会社と証券会社が決定します。そして発行会社が証券会社を通して、株を売却します。

 しかし、それが一度、証券市場に上場されたら、その後の価格は、証券会社ではなく、投資家と投資家の間の需給によって決まります。そして、ここは重要なので覚えておいて頂きたいのですが、IPO直後の数日から数ヶ月の間は、その株価は、ある程度の決まったパターンを描きます。そのパターンの中には、利益を得られる局面が多々あります。

 そのような局面に絞って、リスクマネジメントをしつつ、投資をして利益を得るのがIPOセカンダリー投資です。私のIPO投資の利益の大半は、このセカンダリー投資から生まれています。

 直近の事例ですが、プライマリー投資とセカンダリー投資で、ジオコードを売買しました。

ジオコード(7357)

(プライマリー投資)
1250円 300株
3150円売却
+570,000円

(セカンダリー投資)
3000円 400株
3375円売却
+150,000円

 いかがでしょう。今回、いくつか投資手法をご紹介しましたが、私は毎年行っています。

 まもなく今年も終わりますが、来年も引き続き行っていく投資手法ですので、是非、参考になさってください。


次ページは 実践編:「REIT買い」と「東証一部IPOの攻略」戦略


著者紹介 柳橋義昭

柳橋義昭 証券会社在籍時に営業、ディーラー、インターネット株式投資部門の立ち上げを行い、 証券会社でのIPO業務や企業分析の経験を活かし、2008年に投資手法を確立。 その後は毎年、投資を実践し、自身でも成果をあげ、これまで述べ50,000人の投資家に自身の投資手法を伝授。 現在は合同会社Willowの代表として活動中。 著書に『安定的に利益を出せる 先回りイベント株投資』、『いつでも、何度でも稼げる! IPOセカンダリー株投資』(すばる舎)。 証券外務員資格一種保有。

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