例年12月に急増するIPO。今月は26社のIPOが発表され、IPOの獲得やセカンダリーなど収益機会が増えています。 2019年12月のIPOでは+48%の運用益をあげたイベント投資家の柳橋氏に、その投資手法について伺いました。
著者紹介 | |
柳橋義昭(やなぎばし・よしあき)氏 証券会社在籍時に営業、ディーラー、インターネット株式投資部門の立ち上げを行い、証券会社でのIPO業務や企業分析の経験を活かし、2008年に投資手法を確立。その後は毎年、投資を実践し、自身でも成果をあげ、これまで述べ50,000人の投資家に自身の投資手法を伝授。現在は合同会社Willowの代表として活動中。 著書に『いつでも、何度でも稼げる! IPOセカンダリー株投資』『安定的に利益を出せる 先回りイベント株投資』(ともにすばる舎)。証券外務員資格一種保有。IPOとイベント投資を学ぶ『新柳橋塾』を運営。 |
私の株式投資はイベント投資とIPO投資という投資手法を長年実践しています。今年もこの投資手法を中心に売買しましたが、収益をあげることができています。
イベント投資は「利益を得られる可能性が限りなく高いタイミング」を狙っていきます。このタイミングは、株主優待やTOPIX買いなど、株式市場で何らかのイベントがある時によく見られます。
IPO投資は一般的には、証券会社の抽選によってIPO株を手に入れて、上場日に初値で売却して利益をあげている方が多いと思いますが、私のIPO投資はIPO株の獲得数を増やす方法と、上場後に買い付けして利益をあげるセカンダリーという方法を行っています。
イベント投資とIPO投資を組み合わせることで長年利益をあげることができていますが、この投資手法は来年の株式投資でも十分な効果があると思います。今回はイベント投資とIPO投資についていくつか投資手法をご紹介いたします。
株式投資に興味のある人なら、誰でも「株主優待」というものを耳にしたことがあるでしょう。株主優待は「一定数以上の自社の株式を権利確定日に保有していた株主に対する優待制度」です。株主優待には、会社ごとに色んな優待品があり、それを目当てとした個人投資家に人気があります。
株主優待の内容は、クオカードや商品券などの金券だったり、地域の特産品だったり様々です。個人投資家に人気のある優待銘柄は、権利確定日よりも2〜3ヶ月前から注目され始めます。そして、株主優待目当てのための買いが断続的に入ります。結果、権利確定日に向けて値上がりしていく傾向があります。
株主優待には「優待利回り」という指標があります。この優待利回りとは、優待の取得に必要な株数を買い付けした金額に対して、株主優待の価値がどれくらいあるのかを表したものです。
(優待利回り=優待の価値÷株式の買い付けにかかった金額)
株主優待には様々な優待品がありますので、還元率の高さで選ぶとしたら、優待利回りの高い銘柄から選ばれる場合があります。
株主優待には自社のサービスや商品などを提供するものですが、それ以外にクオカードや商品券などの金券を実施している企業があります。一般的には、企業のサービスに関するものや商品よりも換金性が高い商品が人気化します。
きちり(3082)日足チャート |
株主優待を実施している企業の中には配当(もう一つの株主還元策)を実施している場合がありますが、換金性の高い株主優待であれば、配当の他にすぐにキャッシュにできるので人気が高くなる傾向があります。
私は、株主優待の先回り買いの収益性をさらに高めるために、過去の優待銘柄の株価を検証して以下のようにルール化しています。
全株主優待銘柄を検証し、毎月投資すべき銘柄を抽出。
過去のデータから勝率の高い優待銘柄を月初に買い付け、月末までに売却。
翌月には持ち越さない。
このようにルール化して毎月株主優待の投資を行っています。直近の例ですが2020年11月は5銘柄ある中から、きちりの売買を行いました。
きちり(3082)
615円 3000株
675円売却 +90,000円
689円売却 +111,000円
来年も12か月分の銘柄をピックアップすることで同様の投資が行えます。
次ページ > 毎月収益チャンスがあるTOPIX買い
IPO投資とイベント投資を毎月攻略!柳橋氏に学ぶ通信講座はこちら |